芙蓉千里 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.10
  • (48)
  • (70)
  • (21)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 554
感想 : 53
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041005323

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シリーズ1~4巻全てを読んでの感想。相変わらずこの作者の書く女性像は格好良い。波乱万丈で、時代的背景も含めて壮大な物語だが、ちょくちょく乙女心を刺激する面白さもある。フミは誰と一緒になるのか、と気になっていたがそこは須賀さん。そんな単純な話ではなかった。え、そうなるの!?と思いつつ1巻のシーンを思い出すと感慨深くなったり。


  • 芸妓とか遊郭とか聞いたことはあっても、実際その中がどうなってるのか知らなかったから女郎たちのあまりの人権のなさにびっくり。

    続きも読みたい。

  • 展開が早くてテンポがいい。キャラクターや設定も魅力的でさくさく読み進められました。

  • 二十世紀初頭のハルビンにある遊郭を舞台にしたお話
    一巻部分は上製版からの再読
    改めて読むと『帝冠の恋』を思い出させる急展開
    必要なところは十分に描かれているのではあるが
    一切脇に逸れなさすぎで恐ろしい
    出来過ぎ感をもちろん感じるが
    強引に力技でねじ伏せる
    『アンゲルゼ』はゆっくり過ぎたのかいや違うな
    これでも成り立っているのが奇形的

    内容には関係ないが解説が酷く本としての価値を大いに損ねている

  • フミの性格はきっぱりしてて好きなんですけど、元気がありすぎて、女郎屋の雰囲気から終始浮いてたなーと思いました。いろいろな人物が出てくるのは面白いですが、登場人物が多すぎて、参りました。その原因は、主に日本語と中国語とロシア語の表記が混ざってて、こちらが覚えられないからです。すべてルビふってほしいくらいでした。

  • 面白かったです。
    二人の幼い少女の人生のクロスがよかったです。

    てか、続きあるのねー!

    2018.6.18

  • 2人の少女が、女衒に連れられて、日露戦争が終わった頃のハルピンの妓楼を向かうところから物語が始まる。

    女郎と聞くだけで過酷な暮らししか思い浮かばないのだけど、こんな時代の異国となると、もはや想像の埒外。

    激動の時代を背景に、主人公フミの強さが、心地いい。

  • すごいおもしろかった。日露戦争の直後、旅芸人の親に捨てられた日本人少女が人買いに自ら名乗り出て大陸に渡り、ハルビンでナンバーワンの女郎になることを目指す物語。舞台の描写、登場人物の心情が丁寧で、自分の夢や目標、そして意中の男性などに心が揺れ動きながらも、強く生き抜いていく主人公が読んでいてなかなか爽快。物語の構成やドラマティックさも十分で、エンターテイメント小説としてかなり良質。続編もあるようだが、個人的にはあの終わり方のままで終わらせておきたいので、読まない。

  • 気分的に吉原とか、芸妓さんのお話が読みたかったときに、本屋さんでたまたま売り出し中だったこの作品。

    日清、日露戦争を終えて、日本が大陸侵略を進めるなか、大陸に渡って哈爾濱(ハルビン)で女郎を目指す女の子フミの話。

    特に印象的だったのは、フミの心理描写。
    嫉妬だったり、過去のキズだったり、コンプレックスだったり、初恋のトキメキだったり……

    女性ならではの心の動きが的確に表現されていて、思わず感情移入してしまった。

  • 旅芸人の娘として生まれたフミが流れ着いた先はハルビンの妓楼「酔芙蓉」。女郎になるという目標を持った彼女だったが、彼女の天賦の舞の才能は、違う道へと導いていく…

    フミの波瀾に満ちた半生、夢と恋と友情の物語…といったらどこか薄く感じられてしまうかもしれませんが、どっこい(古い)活力に満ちつねに前を向こうと踏ん張る彼女の生き様はまったく飽きさせません。

    かけがえのない友達のタエ、凛と美しくも心中を明かさない蘭花、蓮っ葉な態度も妖艶さをまとう千代たち女郎のキャラクタも個性豊かで物語を彩ります。男性も物静かな黒谷に、あきらかにいわくありげで怪しい山村、となかなか女性が惹かれるような人物造形でした。

    シリーズは次巻以降も続くようなので、機会があったら読んでみたいなと思います。
    だいぶ方向性が異なっている感じらしいですが…

全53件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。

「2022年 『荒城に白百合ありて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

須賀しのぶの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×