芙蓉千里 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.10
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本棚登録 : 554
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041005323

感想・レビュー・書評

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  • 大河小説。迷いなく女郎になると言っていた前半と芸妓になってから女を覚えた後半とでフミの変化や迷いや野心がとでも読み応えありました。千代姐さんのラストには胸にくるものがありました。

  • 友人に勧めてもらった本。確かに大河少女小説だった。
    本当に“身ひとつ”で哈爾濱に売られてきた少女フミが、大陸一の女郎を夢見て強くたくましく生きていく。
    謎めいた大人の男と、華族のボンボンのどっちをフミは選ぶの?という少女小説的な展開もありつつ、歴史的な背景や女郎屋の生活、女の友情などがしっかり描かれていて読みごたえがあった。

    個人的にはこれは今まで後ろを振り返ることがなかったフミが「後悔を知る」お話だと思ったりした。選んだ未来と、選ばなかった未来。
    後悔を知って、それをも糧にしてより高く跳ぼうとする物語。
    続きも読みたいと思った。

  • ◆芙蓉千里
    須賀しのぶワールド全開!
    キル・ゾーンシリーズを読んだときの、引き込まれる感覚を思い出した。
    続編が気になる…。

    ◆桜の夢を見ている
    優しくて切なくて苦しい話。
    読んだあと、好きな人に会いたくてしかたがなくなるくらい。

    全体を通して、完全なる「小説版少女漫画」(というのも変な表現だけど)。
    安心して浸れるのが魅力。
    装丁は単行本のほうが好み。

  • もう一般に移るのかしら。追いかけるけども。

  • 女郎になることを選んで生きて行かざるを得ない女性というのはたくさんいたかもしれない。でも、女郎になることを選びとって生きて行くのは日本では珍しい事なのかな…と、私は思った。二人の少女が船に乗り大陸へ渡って見も知らない地で女郎になる。主人公には其処に恐怖や不安といった負の感情が一切ない。ただ、何時か自分が女郎として生き延びていく未来を見つめている。そして、そこで生き抜こうと思っている。なんだか、それだけで本来暗くなってジメジメしても良いような女の性が、カラリと晴れた子供の夢に変わるのではないかと感じた。最後まで読みとおして、恋に苦しんだり、姉女郎を無くしたり、芸妓として生きて行くことになったりと多くの困難に主人公はぶつかるのであるが…私はその解決方法であったり、真っ向から闘ってやろうと心意気に、正直大人の女は感じない。子供だ。真っすぐにぶつかることを許された子供。でも、それがこの本を爽快に見せ、なおかつ引き込むのだろうと思う。暗く書かれていたのならば、もっと現実的に書かれていたのならば、この本はもっと違う終わりを選んだと思うし、ある意味ではもっと深い話になったのかもしれない。だけど、これはあの時代を知らない人間が書いた他愛もない話なのだ。エンターティメントとしては凄く面白いし、読みやすい。ただ…第一章の終了は、思わず「此処で終わるのか!」と少々の突っ込みをいれたくなってしまった。良くも悪くも少女小説である。

  • 幼い主人公が大陸一の女郎になりたいという夢を抱いて突っ走る話。
    序盤の主人公の芯が無い感じが気になりましたが、成長するごとに口から出る言葉と内実がかみ合ってきて応援出来るようになりました。ただどうしても女郎として過ごすタエちゃんと比べた時に主人公が恋愛的な部分で運が良すぎる気がして何となく納得できない。

  • 携帯版で全話読んでて単行本は未読。伊藤公のあたりと山村との出会い・再会の描写が増えてる…のかな?携帯で読んだ時よりときめいた。
    桜の夢を見ているは須賀さんらしくない感じでいいぞもっとやれ。黒谷は鼻水拭いてやれ。
    それにしても積読してたはずの私の単行本1巻どこいったんだろう?

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著者プロフィール

『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。

「2022年 『荒城に白百合ありて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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