つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.26
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本棚登録 : 922
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010044

感想・レビュー・書評

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  • 初読みの作家さん。連作短編かと思えば、ストーリーが連続していて、更に大きな謎があって・・・と凝ったつくり。続きが読みたくなってしまう。推理というよりストーリーを組み立てるという手法が斬新。幽霊が出てきたり、ファンタジックな要素もあって読みやすい。他のシリーズも読んでみたい。

  • 結末の違いは、作者がどこで語るのを止めるか。

    なるほどなるほど。
    面白い切り口で進むストーリーなんだけど、何はともあれ近頃すべてはシリーズものなのよね。
    続きはそれなりに気になるので読んでみるとして、ストーリーを終わらせる能力は近頃の作家さんには必要とされてないのかしら。

  • 探偵と小説家のやりとりが、いちいち芝居がかっていてちょっと白ける。
    表紙買いだったけど、好みじゃなかったです。残念。

  • こちらも、本屋における表紙パトロール(何その言い方)で、「読みたい本リスト」に挙げていたシリーズ。
    最初に(図書館のサイトを)検索してみたら見つからなかったような気がするけれど、気が付けば予約を入れられていたという、不思議な・・・手応えの・・・。

    (この本の内容が内容だけに! 笑)

    いやいや、検索の仕方が悪かったんでしょう。
    何にせよ読めたのでよかったのだけど、こちらもまた

    「あれ? これ、シリーズ1作目だよね? 大丈夫?」

    と、若干びくびくしながら読んだ。
    オカルト・・・と、いうよりは幽霊絡みの話なので、どこかこう、曖昧というか、ぼやかした表現が多いんだよね・・・。

    ちゅうか、このタイトルで、この表紙で幽霊ものて!!

    どう見てもこれまた、

    カフェ
    イケメン二人(片方文科系)(しかも毒舌ぽい)

    ちゅうこれまた最近よう出会うてる

    「BLか!!」

    ちゅう見た目ですやん。

    実際のところは、BL・・・ではないけれどもまあ、仲良し・・・? とも言い切れないっちゅうか・・・?

    べたべたに仲良しではないけれど、切っても切れない仲・・・?

    いやいや、その「切れない理由」がシリーズ通してのキモになりそうな予感かな・・・。

    オーナーにはお菓子作りが好きやけど下手みたいなオイシイ設定はあれど(もちろん表紙のメガネでないほうがオーナーね・・・)、またこのオーナーがメガネに会うために山奥からかけつけてくるみたいな展開もあったけども

    BLではないと思います。

    (違う違う)


    最小限の登場人物でよくまわしたなー、と、思う。
    正直、疑問点が山盛り残ったので、ネタバレを避けつつ読了後にネットで少し調べたところ、続編は何冊も刊行されてるのね・・・。
    図書館にはなさそうなので、こちらもまた、改めて(図書館に)リクエストしてみよう。


    ハッピーエンドの何が悪いんやろうと思う。
    ハッピーエンドとバッドエンドの違いが、
    「どこでお話を切るのか」
    と、いうことなのであればなおさら、ハッピーエンドにすればいい。

    それは、小説だけじゃなくて人生においても。

    一番肝心なほっしーの意思が
    「それだけか・・・」
    と、思わなくもないけれど、ひとつずつひとつずつ心理描写を読み解いていくプロセスがとても楽しかったです。

    俯瞰で読むのに、なんだか私も登場人物のような気分になるのが、不思議。
    ほんまに、続きを読みたいなあ・・・。

    (2015.12.13)

  • 不思議な雰囲気。シリーズを通しての謎もありそう。
    2016/8/19

  • 幽霊が見える元編集者と現役の作家の探偵物語
    連作短編のような長編のような

  • 会話を中心に進む物語。設定はなかなか。主人公2人の過去がありきたりでないことを期待。

  •  全く期待しないで読み始めたが,思いのほか,面白かった。神戸北野坂に存在する「徒然珈琲」には,元編集者でお菓子作りが趣味の佐々波さんと,いつも眠たげな天才的な作家雨坂さんがいる。現実の状況を「設定」として物語を作るように議論しながら推理をする二人。この二人のモットーは,「迷子の猫捜しから心霊現象まで,なんでも解決」というもの。佐々波は,小さいころから「幽霊」が見え,「幽霊」と話ができるという。
     細かい設定に説明不足の点がある。そもそも,佐々波と雨坂の関係は分からないし,佐々波が幽霊が見える理由も不明。細かい説明を省き,テンポよく物語を進めている。
     プロローグでは,同じかっこをして歩いている二人の女性について,佐々波と雨坂がストーリーをつづる。物語の中で描かれているが,ストーリーを考える雨坂には小説家としての傷が存在し,物語をハッピーエンドでしか終わらせられないという。プロローグでは,二人の女性は,同じ格好であれば,女性を見間違えるという男性のテストをしていたというストーリーをつづる。プロローグでは真相は分からず,まるで,「猫丸先輩シリーズ」のような,単なる推論で終わる。しかし,このやり取りを見ていた小暮井ユキという少女が,北野坂探偵社に事件を持ち込む。依頼は,小学校の図書室から夕暮れ空の表紙の絵の本を探してほしいというもの。
     物語全体を通じて,小暮井ユキという少女と,その友達だった少女,星川奈々子(の幽霊)が登場する。星川奈々子が幽霊になっているのは,未練があるため。佐々波は,幽霊を成仏させるために奔走する。
     夕暮れ空の表紙の絵の本は,小暮井ユキが小学生のときに星川奈々子の兄の思い出の絵本。小暮井ユキは,病気で死亡した小学生のときの友達である細川奈々子の兄に再会できなかった。しかし,それを隠そうとした星川奈々子は,自分が小学校のときの友達だといって,中学校でユキに再会したのだった。
     物語全体を通じ,星川奈々子のユキへの複雑な思いがつづられている。星川奈々子は,自分にとっても友人であるユキを大切におもいつつ,小学校のときの友人で,死期にっ気付きつつも,ユキを守るために「何か」を燃やそうとして,死んでしまった兄に気付いていないユキに対し怒りを感じていた。
     ユキの恩師「内田」と,奈々子の兄,そしてユキと奈々子。登場人物全員の思いを,最後に,雨坂と佐々波が,図書室でつなぐ。ユキは奈々子の兄の存在を知り,奈々子の兄の真意は,ユキを幸福にするために,内田の辞表を燃やそうとしていたのではないか。奈々子の心の中にあったユキへの怒りが解消され,奈々子が成仏するシーンは心に残った。
     トータルで見て,説明不足の点があり,ミステリとしての弱さはあるが,最後の奈々子が成仏するシーンはよかった。読む前は,それほど期待していなかっただけに印象に残った。とはいえ,最後の奈々子の成仏以外の部分に疑問がないわけではない。特に,読者に知っていて当然といった感じで情報を出す描写が多く,おいてけぼりになっていると感じた部分があった。伏線もそれほどなく,ミステリとしては甘い。トータルの評価は★3で。

  • 連作短編集。女子高生からの亡くなった同級生が読んでいた本を探してほしいという依頼から話が展開していく。幽霊が見える編集者と見えない作家。彼らの探している「紫の指」とは?シリーズもののようですが、読み進めていくのは悩むところ。

  • 元・編集者と作家が話しを作りながら謎を解く、というのは新しいなと思いながら読み始めたけども、幽霊が見えることは説明なしかー。連続短篇と思いきや、あれ?これで終わってんの?と文章のスタイルにも慣れなく、幽霊が見える理由や探す理由は気にはなるけど、次は読むかどうか…

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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