つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010044

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  • 読書録「つれづれ北野坂探偵舎心理描写が足
    りてない」4

    著者 河野裕
    出版 角川文庫

    p298より引用
    “「物語が作り物でも、それを読む人間は現
    実にいるんだ。問題は君が、何を感じて、何
    を信じるかだよ。読者の感情に僅かでも影響
    を与えられるなら、フィクションにはリアル
    で具体的な意味がある」”

    目次より抜粋引用
    “本を探す幽霊の誤謬
     迷子のリドル
     心理描写が足りてない
     リリカルファイア”

     小説家と元編集者でカフェオーナーの探偵
    所長を主人公とした、短編連作ミステリ小説。
     カフェでお茶を飲みながら、男性二人の会
    話に耳を澄ます少女。二人は反対方向を向い
    て座ったまま、しかし決して険悪な雰囲気と
    いうわけでもなく話を続ける…。

     上記の引用は、フィクションの意味につい
    てとある人物?に答える、主人公・佐々波の台
    詞。
    山本弘氏の「アイの物語」の解説だったでしょ
    うか、「作者は本気で、小説の力で世界を変
    えようと思っている」というようなことが書
    かれていたように記憶しています。たとえフィ
    クションでも、人に何かしらの影響を与える
    ものなのでしょうから、その影響が悪い方向
    に出ないように、書き手は作り続けてほしい
    ものです。
     穏やかな雰囲気ながら少し切ない話。会話
    が多い書かれ方なので、好みの分かれるとこ
    ろかもしれません。
     短編連作としましたが、続編への謎が残る
    終わり方をしていて、長く続く作品なのかも
    しれません。

    ーーーーー

  • 喫茶店で別テーブルに向かい背中合わせに座る男性二人。彼らが背中越しに会話しながら今見かけた謎に関して推理しながら作るストーリー。プロローグでこの不思議な二人の関係にガッツリつかまれ一気に物語の世界に入りました。ところが話はもっと深く、なんと特殊設定が加わります。連作短編かしら、と思えば今度は見事にそれらは繋がっていき…。実は作家と元編集者という彼らが紡ぐ物語。ミステリですがとにかく設定と登場人物に惹かれました。シリーズとしては物語はまだ始まったばかり、なのでしょうね。続きが楽しみです。

  • 謎が多く、読み終わったとき、いまひとつすっきりしなかった。

  • カフェに向かい合わせで座っている二人が織りなす
    奇妙な探偵物語。

    いや、探偵なのは1人だけで、もう一人は
    普通に作家、なのですが。
    元編集者は何故探偵になったのか、は謎ですが
    全ての謎を二人で、物語を作るように解いていきます。
    短編集なのですが、最終的にはすべてが合わさって…で
    解決します。

    こんな推理は? というわけではなく、本当に
    物語を作るようにピースを合わせていくので
    これはこれで面白いのですが、何だかだらだら
    話しているだけ、な感じもします。

    作るのが趣味なだけで美味しくないケーキ。
    ちょっと食べてみたいです。

  • サクラダリセット作者の新作
    一話目ひよったかと眉しかめるが
    二話目から面白くなる
    ただずいぶんキャラクタ配置やミステリとしての流れがぎこちない感じ
    サクラダリセットがとても変化球でありながら絶妙の調律だったのに対して
    題材がふつうすぎて(幽霊が出るミステリとか当たり前すぎて)もてあますのか
    あと連載時は4話目がなくて大丈夫だったのか
    ともかく続きが楽しみ

  • 作家と元編集者の探偵。二人がつかず離れずの関係を続けている理由は……。河野裕さんの新作は幽霊の出てくるミステリ。ジャンルは意外でしたが、透明感のある文章、皮肉のこもったところがすごく好きです。亡くなった友達の幽霊を見た少女が、彼女の好きだった本を探そうとするが……。謎を物語仕立てで解くという、なかなかにない進め方。まだ裏の話がありそうなので楽しみです。

  • さくさく読めたけれど、上手く入り込めなかった。色んな繋がりが整理されずにとっ散らかっている印象を受けてしまった。キャラクターは何となく新鮮だった。

  • 図書館で。
    この方、幽霊を題材にした小説が多いんだなぁとぼんやり思いました。そして何故かタイトルで高校を連想していて高校の部活か何かなのかなぁと思って居たら全然違った。個人的にはウェイトレスのパスティーユ?さんがいい味出してていいなぁとお気に入りです。

    この方の描く死者というか幽霊って独特かもしれない。生きている時と同じ理性と感情と思考能力を持ち、未練を核とした能力を持っているけれども未練が解消されると成仏してしまう。ちょっと面白い。

    個人的にはいかに悲劇があったとしてもそれを生徒に八つ当たりする教師は最低だと思う。教師としても大人としても彼はしてはいけない事をしたと思うので教師向いてないんじゃない?と思わなくはない。しかも出向いたのは彼女の方だし。本来は教師の方が謝罪すべき事だよなぁ…

    幽霊兄弟の話自体は良い話系なんだけれどもちょっとそこが気になりました。そして紫の指は気になるので続きも読んでみよう。

  • 今のところはサクラダリセットには及ばない感じ。主人公の1人である作家の雨坂続に魅力を感じられないからかもしれない。お楽しみは続刊から?

  • 芝居がかった台詞の応酬に引いてしまった。思春期をとうに過ぎた大人がストーリーテーラーと呼びかけたりと寒すぎる。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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