八月の六日間

著者 :
制作 : 大武 尚貴 
  • KADOKAWA/角川書店
3.66
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本棚登録 : 1757
感想 : 280
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015544

感想・レビュー・書評

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  • テーマは日常のリセットか。仕事は充実しているが、プライベートは思う所ありありの40手前の独身女性編集長。そんな時出逢った山歩き。日常の些細な出来事による疲れた心。山へ行く事でこころが浄化されていく様をエッセー風に綴る短編連作もの。四季折々の山の美しさも合わせて優しいタッチで綴る。それにしても燕、裏磐梯、槍ヶ岳、涸沢等、最近山好きな人よりよーく聞く地名が出てきます。行かなくても行った気になれる二度美味しい〜心温まる作品です。

  • 北村薫による、登山女子小説。連作短編集。
    著者ならでこその、自然で滑らかで、同時に鋭くて印象的な文章を味わう作品。
    特に、情景描写と回想、その時点の心証なんかをぐるぐると織り混ぜて描く山岳シーンは、まるで人間の頭の中を覗いているような軽快さと面白さを味わえる。
    また、一冊五話の中に色んなテーマをちぎって散りばめる構造は、並の作家がやると白けてしまうところを流石、決して多くない独特の言葉と表現で、真の通ったものにしている。
    名手、とか巧手、という表現がこんなにしっくりくる作家もいない。
    3+

  • 良かった。自分が山に入っている気持ちになれたのは、さすがの筆力のおかげ。
    きっと読んだヒトみんなが山登りをしたくなるね。

  • 登山の話。
    やったことないけど、お風呂に入れなかったり、急な気候変化で大変なことになりそうだったり。景色を楽しむにはもう少し年をとらないとわからなさそうだ。

  • 人はいろんなことを抱えながら生きているんだよ。そんなことがスッと入ってくるし、バトンをつないでいくってのもいい感じで伝わってきた。生きること、ちょうど「一炊の夢」という語りを聞いたところだったんだけど、生きることについて考える。男なんだね。作家さん、知らなかった。

  • 山行きブーム、独身女性編集者が日常のアカを落としに山に行くようになった。
    そんな山行きの記録エッセイ、風の小説。

    山の配置とか行程とか、雰囲気たっぷりで、北村氏は自分の登山体験をもとに書いているのだろうと思いながら読んだが、ところどころ、こんな体調、こんな天候で行くの?というくだりが多い。
    加えて荷物もえらく多い。
    それは男女差なのかしらん?など、疑問を抱いていたが、北村氏ご自身は登山はしないらしい。

    読んで楽しむだけで、山行きの参考にするための作品ではないのでした。
    危ない危ない。。。 (笑)

  • 男性の作家が、女性の編集者になり、エッセイ風に趣味の登山を書いた。でもやはり、あれっ女性がこんな表現するかな?これって男性の思考だよなと思うところがあった。なんでこんな設定にしたのかなぁ。

  • 久々にほっこりする本を読んだ。
    ああ、文学だなぁ。
    山に行きたくなる。

  • 山に行きたくなる。途中途中、本が出てくるのも良い

  • 山登りの話。そういう趣味はないけれど、主人公と一緒に行軍している気持ちになって読めた。山に入る前の準備(お菓子類や、文庫選び)から楽しい。ぽつぽつと軽妙なやりとりや、独自の解釈が、ハッとさせられる。読みやすく面白かった。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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