不時着する流星たち

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1092
感想 : 136
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041050651

感想・レビュー・書評

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  • 文鳥の話が怖かった。

  • ちょっと自分にはあわなかったです...。

  • まさしく小川ワールドです。実在の人物や物事(出来事)から、よくもまあこのような不思議な物語が産み出せるものです。

  • 不穏で懐かしくて見知らぬ場所で。
    小川洋子さんが様々ないわくある人(物)をオマージュして書いた小説たち。
    グレン・グールドからヘンリー・ダーガー、男子バレーボールアメリカ代表団にホットドッグ。
    文章を読んでるときにはまったく関連性を想像できない、その"もと"をあかされるときのどきどき感よ。

  • 予備知識なしで読んだものだから凝った作り込みに「翻訳本?」などと思ったりしたのだがそのタネ明かしは例えて言えばおもちゃ箱からの宝探し、インスピレーションをモチーフに描かれた短編集はどっぷりと至福の小川ワールドへと誘ってくれる。
    なにかとこねくり回して難しくしてシュールな純文学でございます的な作品の多いなかここ最近の小川さんは実にシンプルでわかりやすい、その少しだけ揺らぐ心地良さは名人芸の域に入って来たか。
    どれも良いのだが好みで言えばハイスミスのカタツムリとホットドッグのふたつ、2Hの鉛筆で書いたような硬質のフェティッシュは夏の夜の読書にぴったり

  • 読み出して、ああいつもの小川洋子だと思い、コンセプトのある短編集だから、『人質の朗読会』や『最果てアーケード』みたいな感じかなと読み進める。
    確かに切なく、優しく、それでいて不気味で不穏な小川洋子の世界ではあるが、これは幻想的な部分が多く、いつもより共感しにくい作品だった。
    共感したい人には、薦めにくい。

    それぞれ特定の人物や出来事をイメージして書かれているが、納得できるものと今一よくわからないものとあり。
    物語としては「肉詰めピーマンとマットレス」が一番普通で(だから、個人的には一番つまらないと感じた)、「臨時実験補助員」「さあ、いい子だ、おいで」はかなり不気味。母乳ババロアってやだわ。食べたとは書いてないけど。
    イメージした人物と一番合っていると感じたのは「手違い」。
    グレン・グールドは私の崇拝するピアニストなのだけど、「測量」は物足りなかった。「特別な飾りはなく、あくまでも穏やかなのに、一音一音にはひたむきな響きがあった。息をするように自然で、祈りのように切実だった。このまま身を任せていたらどこまで連れて行かれるのだろうかと、果てしもない気持ちにさせる円環だった。」(P130)とある。「円環」ということは「ゴルトベルク変奏曲」を指しているのではないかと思うが、この表現に当てはまるのは、最初と最後のアリアじゃないかな。かなり激しくアグレッシブな変奏もあるから、全てがこうではない。だったら「円環」は変だと思う。確かにグールドにはそういう演奏もある。でも、そうではない、演奏もある。そういうピアニストと括られたくないなと思った。もっともっと広く奥深く、複雑な、悪魔的なところもある人なのに。
    そう考えると、他の人物のファンの人も、いや、エリザベス・テイラーはそうじゃない、ヴィヴィアン・マイアーは違う!と思うのかもしれない。私が知らないから違和感を覚えなかっただけで。
    まあ、小川さんは、そう捕らえた、ということで、納得するしかない。

  • 2017.6.28

  • リスティング多い。

  • 2017 7/2

  • 小川洋子さんの
    不思議ワールド満載の短編集でした。

    ●誘拐の女王 (ヘンリー・ダーガー)、
    ●散歩同盟会長への手紙 (ローベルト・ヴァルザー)
    ●カタツムリの銀婚式 (パトリシア・ハイスミス)
    ●臨時実験補助員 (放置手紙調査法)
    ●測量 (グレン・グールド)、
    ●手違い (ヴィヴィアン・マイヤー)
    ●肉詰めピーマンとマットレス (男子バレーボールアメリカ代表)
    ●若草クラブ (エリザベス・テイラー)
    ●さあ、いい子だ、おいで (世界最長のホットドッグ)
    ●十三人きょうだい (牧野富太郎)

    どの作品も、その分野で異彩を放つ人々や
    目立った事柄を題材にしています。
    題材にしたものから、
    小川さんが感じ取った世界観や人生を
    巧みな文章で書かれていました。

    どの作品も、少々いびつで歪んだ世界があらわされています。
    それぞれの主人公の繊細な感情もしっかりと書かれ、
    深みのある短編集となっていましたが、
    10編はちょっと長いかな。
    どれも読後感が物悲しい。
    うっすらと恐怖を覚える作品もあります。
    「肉詰めピーマンとマットレス」の親子愛や
    「十三人きょうだい」の叔父さんとの交流のように
    ほのぼのとした温かさを感じる作品もあり、
    どれも、小川洋子さんの魅力が詰まっていると思います。

    タイトルは
    それぞれの短編の主人公のことをさしているのでしょうか。
    私には、ちょっと高度な内容のお話しでした。

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川洋子の作品

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