暴虎の牙

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041088975

感想・レビュー・書評

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  • ガミさんのスピンオフのストーリーのような前半と、日岡のその後のストーリーの後半というような感じの一冊でした。500ページという長編でしたが、3日で読了。面白かった。このシリーズ、完結、とありましたが、終わりなんて残念です。大沢在昌や黒川博之がお好きな方はきっとハマるでしょう。

  • ?????

    !!!!!

    つまり「男」は〇〇〇〇じゃったっちゅうことか!

    最後の最後まで超(ぶち)おもろかったわ。

    柚月裕子さんてほんまに女?

  • ガミさんが帰ってきた!くぅ~、男やねぇ。日岡も前作以上に凄味を増している。暴力団との抗争や警察との遣り取りは、臨場感たっぷりでぞくぞくする。これで完結して欲しくない、というのが率直な感想。ただ、500頁は長い...。
    親は選べない...。壮絶な過去を持つ沖は、そのやり場のない怒りを紅蓮の炎に変え、突き進む。ガミさん、日岡と沖たちとの決着は...。まあ、読んでのお楽しみってことで。

  • 静かな流れの「凶犬の眼」から一転、壮絶な展開が待っていた完結編。今作は凶暴な沖虎彦をリーダーとした半グレ集団の絆が軸。そこに「孤狼の血」以前の大上や暴対法後の日岡が絡んで話は進み、余韻の残るラストまで一気に読ませる。それぞれ異なる味わいがあって、読み応え十分の三部作だった。ただ日岡のドラマがまだ完結していないような気もするので、新たなシリーズを期待したい。

  • 表題通りの内容だが泣き続ける虎だとも感じた。ラストは少し意外だった。元と真紀が結婚するくだりもそうだが、三嶋が大上にチンコロする経緯が1行余りで済ましているのは非常に残念。

  • 『狐狼の血』『凶犬の眼』に続く、三部作完結篇。
    暴虎…主人公である沖虎彦の、少年時代に犯した罪の場面から始まる。

    『狐狼』で日岡という相棒を得る前の大上が、青年時代の沖と絡む前半部と、『凶犬』の後にマル暴に復帰した後の日岡が、20年の刑期を終えて娑婆に戻った沖と絡む後半部で構成された物語。


    思いがけない時間軸の設定で、ガミさんと再会できて、もうそれだけでもページをめくる手が止まらなくなった。
    トレードマークのパナマ帽は、こんないきさつで手に入れたんか…

    日岡もまた、清濁合わせ飲むことの出来る、警察と暴力団という立場を超えて男と男の信頼を結べる男になっていた事にもグッときた。
    大上の墓前での登場、格好良かったぞ!

    暴力団という大きな組織に挑む男たちを、長い時間を貫いてつなぐ沖という暴力の申し子。
    沖も、ガミさんに目をつけられた頃には、父親という悪に連なるヤクザにだけ牙をむくが、一方で幼なじみを大切にする、歪んではいてもどこか魅力がある男だった。
    それが、“裏切”という毒を喰らった事で、妄執に取り憑かれ外道まで堕ちてしまった結末。

    ガミさんは、沖たちを五十子会に咬ませる狙いもあっただろうけれど、人としての命を惜しんで逮捕に至った。
    日岡もまた、沖を止めなければ、沖のまわりでさらに命が失われる確信を持って沖を追っていた…
    間に合わなかったけれど。

    三部作として読み終えてみると…

    暴力団との闘いも個人としての暴力の衝動も、時代が移り変わっても続くのだという虚しさの上に、信じる事を恐れず抗う事をあきらめない男を突き刺した物語だった、と感じた。
    ガミさんにも日岡にも、もちろん暴力団抗争にかかわる物語が果てしなくあるだろう。
    きっと日岡も、いつか見込んだ男に、ガミさんから受け継いだ何かを託すだろう。
    けれども、この作品で「 」がついたんだ、もう繰り返し描くことではないから…完結なんだ、と思った。
    沖の命を奪った三島の寂寥まで含めて、満足。

    余談ですが、ついこの前に『影の中の影』(月村了衛)を読んだ余韻のある中で読んだので、暴力団にも筋の通ったイイ男が沢山いるような気がしちゃうけど、絶対間違いだろうな…

  • いやぁ。もうね、広島ヤクザと警察の戦いは柚月劇場で決まりだね。
    どうやって取材するんだろ、と心配になるくらい生々しいというかリアルというか、広島怖いというか。
    実際にあった暴力団の抗争や警察とのあれこれ。私たちがニュースで知るよりももっと深く、もっと危険なその世界。今回は暴力団を目の敵にする愚連隊の頭、沖とマル暴大上&日岡との戦い。我らが大上と日岡はどんな手で沖を叩きのめすのか。
    大上の血はちゃんと日岡に受け継がれていくのだ、大丈夫、と無理やり自分を納得させる。あぁああ。ロス…
    それにしても「孤狼」「凶犬」そして「暴虎」って。獣使いですか、柚月さん。

  • 一冊で二度面白い、「孤狼の血」三部作完結編

  • 日本の警察のことに
    詳しい友達が
    「いゃあ この作家さん
     たいしたもんだ
     よく ここまで そのスジの人のことを
     描き切れるもんだ
     しかも 女性であること
     びっくり させられます」
    と 紹介はてくれたのが
    柚月裕子さんだった。

    教えてもらったのが
    約半年ほど前
    ちょうど ステイ・ホーム期でもあり
    三つの図書館で借りて
    全作品を楽しませてもらいました

    読み終えるたびに
    東宝の黄金時代のヤクザ映画を
    観終えた後の興奮さめやらぬ後
    のような気にさせてもらえます

    むろん
    この一冊も
    大当たりです

  • Audible読了
    また少し違った角度から暴力団抗争を描く。外道(極道と区別して)と警察、立場は違えど同じような無頼漢にたどり着いた沖と大上との間にある共通点。それは悲しみの抱え方ではないか、というような視点で物語が描かれています。前作の大親分の時とは違い、終盤に向けてどんどん孤独になっていく沖を見ると、暗に作者が、筋は通さなね、と言っているような気がします。そして筋とは、自分の中ではなく相手にこそあるものだとも思いました。

    さて誤解を恐れながらも私の見解を添えさせていただくと、この作品自体は必要だったのかな?と思ってしまいます。ガミさんの過去は、前作でいきつけの女将がポロッとこぼした分だけでも十分過ぎるほど悲しかったし、むしろその方が余韻を残していました。さらに謎のタイマンやリンチ、拷問などにもいまいち必然性が伝わらず。エンターテイメントとして必要だっただけではと勘繰ってしまいました。もっと凄惨で必然性のある暴力作品は他にあるし、、、私は『孤狼の血』だけでも良かったかな。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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