母 (角川文庫 み 5-17)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 112
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041437179

感想・レビュー・書評

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  • 本屋さんでふと手に取った文庫本
    三浦綾子だし、小林多喜二だし、読んでみようかなあと
    よかったあ!
    一気読み
    三人称で綴られていたらここまでの感動はなかったと思う
    学校へは行かれなかったけれど聡明でまっすぐで愛情深い母セキさんの秋田弁の語り口がなんとも切ない
    丹念な取材と文献を調べた結果だろうが、やはりキリストと多喜二を重ねた作者はすごいと思う
    手に取ってよかった一冊
    友人に薦めたい

    治安維持法と共謀罪法案と根っこが同じようで空恐ろしいのです

    ≪ ただ信じ 息子の理想 後たどる ≫

  • 三浦綾子にはまっていたのは2009年。「氷点」&「続氷点」、「道ありき」を読んだ以来8年ぶりに彼女の著書を手に取ってみた。
    小林多喜二の母であるセキが一人称の形で綴られている「母」。面白く読みやすく一気に読んでしまった。
    「蟹工船」は買ったもののまだ読んでなかったな。マンガバージョンでなら何度か読んだけど。

    戦中、言論統制、思想統制が強くなる中、信ずることを表明し広め社会を変えていこうとした多喜二。針を刺されながらも血を吐きながらも世の中が間違っている、これからは人間こう生きていかねばならないと唱え続けることができるその姿を、イエス・キリストと重ねて見た三浦綾子。

    三浦綾子だからかけた小説だなぁと思う。彼女の本引き続きもう少し読み進めたい。

  • 仕事関係の方に勧められた本
    小林多喜二の書いた本を一冊も読んだことがないけれど
    警察の拷問で亡くなった方というのは知っていた
    その方のお母様の言葉として書かれた小説
    やはり、切なく悲しく愛に溢れて、しかし淡々と書かれていた

  • 小林多喜二の母の一人語りの形で書いてある。学はないが、愛情はたっぷりある、そんな母の視点で多喜二を描くのは易しいことではなかったと思うが、第三者視点の小説では成し得ない生き生きとした、かつ生々しい多喜二を知ることができる傑作だと思う。これは三浦綾子だから書けた、三浦綾子にしか書けない小説。
    召天されて久しいが、再び戦前のようなキナ臭い今の時代に生きていたら、何を書いただろうか。

  • 小林多喜二の母セキさんの物語。
    子どもを無条件に信じること。

  • 小林多喜二の母の口から語られる、小林多喜二の生涯。母の深い愛情が、秋田の方言で発せられる語り口に溢れ出ている。

  • ずっと気になっていて、ようやく読んだ。衝撃・・・女は強い。

  • なんとも温かい家族の物語。
    小林多喜二。学校の授業などで、その名前くらいしか聞いた事が無かったが、此処まで芯の通ったかっこいい男だったとは本書を読んで初めて知った。
    もっと、この人について知りたくなった。

  • 想像していたより面白く、惹き込まれました。
    小林多喜二のことは授業で習った程度しか知りませんでしたが、
    わかりやすい内容で、すとんと胸の中に入っていきます。

    ただ、三浦綾子さんだから仕方がありませんが、
    終盤はクリスチャンにこだわりすぎて、一気に感動が醒めてしまいました…

  • 生活の厳しさが、こんなにも家族を温かく優しくすることもできる。ピエタそのもの。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

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