終業式 (角川文庫 ひ 8-11)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041835111

感想・レビュー・書評

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  • 手紙やファックスで構成された小説。
    人生は複雑。

    09'2'23

  • 2009年2月18日読了。

    "手紙"は今はちょっと遠くなってしまったから逆に良い。
    現代風に書いたらこれは"メール"ってツールに成るんだろうなと思いながら、でも手紙だと出さなかった手紙も残るってことに改めて気付いた一冊。

  • 高校のときの交換ノート、授業中に回すメモ、卒業してからの手紙、仕事でやりとりするファックスなど、全編が誰かが誰かに宛てた書状でなっているお話。中心人物は同じ高校だった男2人、女2人。いわゆるフツーの女子、八木悦子と、女子にしてはクールな女、遠藤優子。どちらのタイプにより共感をもつか、周りの人と話してみたら面白いかも(でも場合によってはちょっとした喧嘩になるかも)。少ないけれど書いたまま出されなかった手紙もあり、同じ出来事をそれぞれがどういう違う角度でとらえていたかがわかって面白かったです。

  • こうやって大人になって

    忘れたり
    忘れられなかったり

    するんだろう

  • 全編が登場人物達の手紙だけで構成されています。

    ・授業中の教科書貸せよ!のメモ書き
    ・世界史のチャンドラ先生の悪口
    ・大好きな深夜ラジオへの投稿葉書
    ・先生に渡せなかったラブレター
    ・京都と東京、遠距離恋愛の彼との手紙交換
    ・仕事で帰りの遅い彼への置き手紙
    ・密会のための秘密文書
    ・アメリカから、大学時代の恩師への手紙
    ・投函できなかった前妻への手紙
    ・会えない息子への手紙
    ・再婚式の招待状

    高校時代の落書きみたいな拙いメモから始まっていくわけです。
    大した内容もなく、とくに記すこともない落書きなのです。

    時を重ね、歳を重ね、登場人物はオトナになり。成熟していく。
    あの頃の互いを笑い。本音を打ち明け、あの頃は若かったと懐かしむ。

    叶えられなかった恋の手紙や、投函せずに破って捨てられた手紙たち。
    それはこちらの読み手側にしか明かされることがないわけです。

    伝えることができなかった本音を読み解くことができるのがこの本の醍醐味です。
    こんな描き方もあるんだな、できるんだな。と関心しました。

    姫野カオルコ様
       私は、あなたの描く青春時代が題材の作品が大好きです。
                              平成20年3月17日 石井 貴道

  • 大好き。久しぶりにずっと心に残った小説。手紙ってほんとうに素敵だな。いろいろな人が、いろいろな人生を経ていくようす、変わっていくようす、そしてそれでもどこかにあるようなないような郷愁。いつまでも読んでいたかった。

  • 登場人物の間でかわされた手紙だけで構成されている少し変わった本。内容は普通の青春物語でした。

  • 手紙だけで構成された、不思議だけど素敵な小説。 
     
    「手紙」と言っても色々で。授業中に回したどうでもいいような手紙も、甘酸っぱい恋愛を友達に告白した手紙も、出すつもりなど更々なく書いた手紙も。友達の恋愛を本気になって心配したり、大人になってからは重大なことを告白したり…。  
    どんな人にもその人の経てきた「人生」があって、そのことを感じさせられる作品。

  • かけがえのない、高校生だった日々を共に過ごした四人の男女。テストにやきもきしたり、文化祭に全力投球したり、ほのかな恋心を抱いたり―。卒業してからも、ときにすれ違い、行き違い、手さぐりで距離をはかりながら、お互いのことをずっと気にかけていた。卒業から20年のあいだに交わされた、あるいは出されることのなかった手紙、葉書、FAX、メモetc.で全編を綴る。ごく普通の人々が生きる、それぞれの切実な青春が、行間から見事に浮かび上がる―。姫野文学の隠れた名作。

  • 大好きな姫野カオルコ。<Br>今回は、書簡形式の小説。<Br><Br>高校時代の教室でまわすような手紙から、大人の、結婚、離婚をしながらの手紙まで。<Br>青春の恋と、不倫と、自殺未遂と。<Br><Br>なかなか面白かった。<Br>しかし、主人公を遠藤優子だと思っていた私。<Br>どうも、悦子が主人公らしいね。<Br><Br>もう人波あっても良いような、さらっと流れる小説だったが、ま、それがリアリティ?<Br>途中レズビアンだとか、不倫だとかがでてきたところの文章は、とても姫野カオルコらしかった。<Br><Br>やはり、信用できる小説家。姫野カオルコ

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著者プロフィール

作家

「2016年 『純喫茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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