- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044281038
感想・レビュー・書評
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読み終わった当初、その時の状況にも依存していたのかもしれないけど鬱蒼とした気分になった。
こういった絶望系の小説に慣れていないせいなのかもしれない。
人によっては絶望系ではないと言うかもしれないが、雰囲気が始終暗いというのはあると思う。
終わり方が三種類あって、ゲームのマルチEDのようだが、
あくまでも自分はどの終わりかたも納得できなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【185】
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2回ほど積ん読になってしまったけど、後半をいっき読みしたら、なんだかよかった。あのころの私が、いるなあ、と思った。いつか大人になったら、「あの頃はなんにも考えてなかったわ」とか言っちゃうんだろうか、っていう不安。大人に対する羨望のような軽蔑。家出。大人の女性に対する嫌悪感。そういうもの全部、自分に対する絶望だってこと。わかってくれている本があってよかった。
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誰にも定義されないで。
桜庭一樹らしい小説。マルチエンディングなのも面白い。ラノベ寄りだなぁ、と思っていたら、最初はファミ通文庫だったそうです。なるほど。
巣籠カナは義父を「撃ってしまい」逃走を図る。そこで出会った記憶喪失の美少女、もしかして宇宙人かもしれない「白雪」と秋葉原を目指して逃げ続ける。「電脳戦士」のお兄ちゃんと別れ、アキバの『ブラック・パイレーツ』で出会った「火器戦士」千晴に助けられながら、補導員や警察、評論家からも逃げて、カナはどこへ行くのか。
説明できないいろいろなこと。大人から言わせれば、悩むにも値しないくだらないこと。荒唐無稽、夢のような、非現実的な話。でも、中学三年生には重要なのだ。あの頃を思い出すと、全然違う自分が「ぐるぐるして、馬鹿みたいで、ホント何考えてたんだろう」と冷静に言ってきます。わたしも宇宙人にさらわれて別人になったのかもしれない。白雪が誰かなんて、もはやどうでもいい、そんな大人に。
エンディングはボニー&クライド的な「Ending I 放浪」が一番しっくりきますが、「Ending III 安全装置」が、角川文庫としては落ち着きの良いところなのかと。 -
桜庭一樹の極初期の長編。奇想天外な展開ながら、面白く、ワクワクしながら読みました。
子供の成長物語としても面白かったです。 -
SF要素が含まれているのですが、ちょっと桜庭作品には合わない感じがしました。
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好きな椅子に沈み込んで何時間でも本を読んでいられたらいいのに