韓国 反日感情の正体 (角川oneテーマ21)

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  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046534217

作品紹介・あらすじ

激化するように見える韓国の対日行動。だが韓国内では「昼は反日、夜は親日」という。なぜなのか? 経済大国となった韓国で国民におとずれた変化、反日をあおるメディアや政府の真意を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 日本人からみた韓国人論、となりますか。

    室谷克実さんの『日韓がタブーにする半島の歴史』が、悪意強めな内容とすると、
    こちらは前提に「韓国への愛」があるため、大分薄められて感じます。

    ん、お二人とも、言ってる内容の本質は同じなんですけども、
    愛があるかないかで、受手の不快感ってのは変わりそうだなぁ、、と。

     “反日のタテマエも親日のホンネも両方が韓国であり、韓国人なのだ”

    パッと見、なんのこっちゃ分からん!ともなってしまいますが、
    よくよく読み進めていくと、なるほどなぁ、、と。

    捻じれたルサンチマンの発露、と言ってしまうと失礼かな。
    この辺りは地政学的な宿命もあるので、一概に評価はできませんね。。

    個人的にスルッと落ちてきたのは、こちらのフレーズ。

     “歴史は自然科学ではないし、いくつかの基礎的事実を除けば
      歴史的出来事や流れについては解釈は自由だ”

    歴史認識の共有なんてなんて、到底できるわけが無いのですから、、
    お互いに譲れないところは、お互いに触れなければいいんです。

    触れなくたって、特に問題なくやってきていたのですし、ね。
    アサヒとかアレな方々が利権目当てで火をつけるまでは。

    そういった意味でも、申し訳ないなぁ、、ともたまに感じます。
    その辺りの経緯が丁寧にまとめられているので、サラッと入ってきました。

    堅苦しく考えずに、文化の違いを踏まえての付き合い方、くらいがいいのかな。

  • 昼は反日、夜は親日。本の帯に書いてあるこの言葉が目を引いた。

    ある意味韓国で一番有名な日本人、産経新聞ソウル駐在記者、黒田勝弘氏による、韓国の今とその歴史。

    近くて遠い国、韓国。

    近年、日本と様々な軋轢が生じているが、なぜこのような問題が起きているのか。本書にはそれを理解するための事例や体験談が豊富に書かれている。

    韓国政府や韓国メディア、韓国人に対しての説明や紹介、考察は辛辣な言葉で述べられているが、その根底には韓国に対する深い愛情があるのが分かる。

    興味深い記述がある。1970年代の頃、黒田氏が初めて韓国に行った時には、韓国に反日的な空気がまったく無かったと書いていることだ。

    その後、韓国内に意図的に作り出されていった反日の空気。その理由を黒田氏からの視点で考察している。

    はたして、韓国は敵か味方か・・・・。韓流ファンにも嫌韓派にも読んでもらいたい一冊である。

  • 産経新聞のコラムを持つ韓国在住記者の長年にわたる滞在から見た韓国民性、反日の実情を綴ったもの。韓国マスコミの驚くべき無責任な煽りが大きな要因。

  • 正体ってほどじゃないけど、読む価値あると思う。

  • 韓国滞在暦30年におよびメディア関係者の黒田勝弘による一冊。

    韓国の歴史的背景を踏まえた上で、日韓の歴史観の違いを浮き彫りにした点において、とても興味深く読めた。

  • 韓国は法治国家ではなく情治国家、反日情緒が法律や規則に優先する「反日無罪」、「こうあるべき歴史」で考える韓国人の歴史観。このように説明されると納得。しかしここまで徹底的、意識的にに嫌われるとどうしょうもないなあ。ただ日本人の被害・犠牲は非常に少ないことが救いになっている。著者は達観すべし、といっているが…。
    歴史認識について言えば、近代以前のオフィシャルな歴史書は、時の政権に都合よく真実を歪めたものが多かったのだから、それほど特殊なことではないのかも。歴史学の書より歴史小説のほうが案外真実を言い当てていることもあるんじゃないかなあ。

  • 社会情勢、特に政治は時代によってあまりにも変化が大きすぎる、ということをよく実感できる書。
    かつては北朝鮮が夢の国家で、観光が悪、しかも最貧国だった、なんて今の若い人たちに信じてもらえるとは思えない。
    筆者の韓国批判はユーモアも愛も感じられて好ましい。
    もちろん、根底にあるのは「正しい、本当のことを知らしめたい」というジャーナリストとしての姿勢であり、また、日本人としての恥ずかしいことはしていない、という矜持だと思うが。
    正しいこと、本当のことなんて、社会情勢ではきっとあり得ないんだけど・・・。というとニヒリストみたい・・・?

  • 2015年6月25日読了。

  • 韓国本はかなり読んできたけども。
    基本シンシアリーさんの本の補完みたいな読み方くらいになってしまったが、個人レベルでは、親日もあるというのがちょっと驚き。
    その分、宗教としての反日、民族一体としての反日を恐ろしく感じる。

  • 共同通信ソウル支局長~
    「事実より、あるべき歴史で考える」
    法治国家ではなく、「情治国家」である現在の話から、歴史問題まで、幅広く網羅してます。201409

  • 冷静な分析ながら、韓国への愛着をうかがわせる。ちょっぴり韓国に行ってみたい気になった。

  • かの国はアイデンティティを保つために、反日せざるを得ないということか。

  • 最近は中国、韓国の反日感情は高まるばかり。「日本はもっと強く出るべきだ。もっと主張するほうがいい!」という人も多い。中国は国内の不満を日本を出汁に使って利用しているのはわかるけど、韓国の本音は今ひとつ掴みかねていた。そんなときにHPのブログで紹介されていた本。

    著者は韓国ウォッチャー。

  • 産経新聞のソウルからヨボセヨでおなじみの記者。
    30年住んでいるからこそのこの説得力でしょうか。

    根本的に歴史に対する考え方が違います。
    そりゃー、いつまでたってもわかりあえんですわな・・・

  • 最近、ネットを中心に韓国のニュースに触れることが多い。また、それを補足するように、テレビだとか雑誌だとかでも観察する。しかし、韓国人のものの考え方は理解できないことが多い。しかも、主張の真意が透けて見えない。そんな中、ともすると2chなどの書き込みを鵜呑みにすることが多かったと思う。本書を読んで、多少なりとも韓国に対する理解は深められたと感じた。筆者にも偏りがあり正しいことを100%言ってはいないとおぼしき記述も見受けられるのだが、まあそれはよし。

    この本を読む限り、つきあえない国ではないという思いを得たのが収穫だった。次の二点がそれを思わせたこと。一つは、彼らは反日を好んでいるのが事実で、それをレジャーとしてとらえてるふしがある。もう一つは、ポリティカル・アニマルとアメリカ人に腐さされているが彼らは政治としての行動が好きだということだ。議論をするしないから、自分の都合を考えて不利なテーブルに付かないということが、思っていた通り徹底していた。これが、すべての奇異な行動の源泉となっているように見えた。そういう意味では、エコノミック・アニマルとアメリカ人に腐された我々はドライすぎるのだろう。

    だからといってすぐさま仲良くなれる隣人かと言うと、そうではない。時間がかかるように思えた。しかし、到底理解できないわけではないというのが、3.11の事後の解説でよくわかった。

    大変な力作で有り、筆者に感謝したい気持ちです。

  • 韓国の「反日」を突き放して観察し、そして結論部分ではその裏返しとしての日本からの過敏反応を諌めている。同時に、根底には韓国に対する理解と愛が感じられる。

    ・(反日が風化しても)「反日」という原理、理想、理念の前には表立って反対はできない。(15頁)
    ・(韓国は)「法治」より「情治」なのだ。(38頁)
    ・韓国人の歴史観というのは歴史を「あった歴史」より「あるべき歴史」で考えるということだ。(54-55頁)
    ・韓国にとって独島問題は今や領土問題ではないのだ。だから韓国は近年、歴史問題と言っている。…「独島の大衆化」である。(72頁)
    ・日本に勝ってこそハンプリは完結する。…文字通り日本は「元気の素」である。(95頁)
    ・(70年代には)韓国は経済建設のためひたすら未来志向的だったのだ。(109頁)
    ・風水謀略説が事実かどうかは問題ではないのだ。…大真面目にやっている気持ちは反日愛国主義だから、バカにしたり否定してはいけないのだ。(132頁)
    ・(メディアでは)存在する事実、現実よりも「あるべき姿」が重視される。こうした扇動に世論や政府が動かされる。(186頁)
    ・(東日本大震災という)圧倒的な現実を前に観念としての日ごろの(反日の)快感は吹っ飛んだのである。(214頁)
    ・(支援に熱心だったのは)韓国人は日本人よりはるかに感情的で感傷的だからだ。(217頁)
    ・(80-90年代以降)政府がメディアやNGOの主導する反日に引きずられるようになった。(238頁)
    ・(韓国を含め国際社会での反日などに対し)過敏になる必要はない。…ありうるものだと達観し、冷静に対応すればいいのである。(268頁)

  • 反日についてよく耳にするが、実際の留学等で出会った韓国人の方々は驚くほど日本製のものがすきだし、親切。そのギャップはなんだろう、と思っていたが、少し解決。過去に反日について調べていたので歴史認識についてのことは知っていたがより、理解が深まった。「あるべき歴史」という言葉にはつくづく納得。信じられないことも多いけれども、これこそが国民性の違いで、それを日本人の考え方を至上にするのも違うと思うし、かといって韓国の土俵に合わせることも大切だとおもわない。国益を守っていくには粘り強くネゴシエーションしていくのが大切なのでは、と思ったり。最後の章に軽く触れられていたことは軽くしかしらなかったので理解を深めたい。

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  • 産経新聞ソウル特派員の最新作。韓国の反日感情を理解するのに役立ちます。韓国保守マスコミ(朝鮮、中央、東亜)に対する国民の批判についても触れて欲しかったです。

  • 昼は反日、という方しか知らなかったので夜は親日、という部分は多いに参考になりました。また、逆に昼は反日、の反日具合も知らない部分があり、それでいてこの手の本にありがちな過剰な扇動もなかったので落ち着いて読めました。よくまとまっている。

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著者プロフィール

1941年、大阪生まれ。産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1964年、京都大学経済学部を卒業後、共同通信社に入社。1978年、韓国・延世大学留学後、共同通信ソウル支局長に。1989~2011年、産経新聞ソウル支局長兼論説委員。1992年、ボーン・上田記念国際記者賞、2005年には菊池寛賞および日本記者クラブ賞を受賞。著書に『韓国 反日感情の正体』『韓めし政治学』(角川新書)、『隣国への足跡 ソウル在住35年 日本人記者が追った日韓歴史事件簿』(KADOKAWA)ほか多数。在韓40年。

「2022年 『韓国語楽習法 私のハングル修行40年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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