クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21 A 112)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102262
感想・レビュー・書評
-
発売されたのはちょうどiPadの日本発売が決定した頃だったでしょうか。
今後のコンテンツ産業のあり方を考えていく上で欠かせない情報がぎっちり詰まっております。
特に日本が既に米国の情報植民地になっている、といった記述は衝撃的でした。
国策としてのクラウドコンピューティングの必要性に関しても解説されており、危機感を意識するには十分なボリュームです。
今後加速していくであろうコンテンツ産業の生き残りを賭けた生存競争を考えていく上で、本書を入り口とするのはなかなかによい体験だと感じました。
文句なしにオススメです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
webKADOKAWA紹介文より。
iPad、キンドルの登場で時代は激変する!
大衆と時代はどこに向かうのか?2014年にはコンテンツ大統合時代がやってくる。激動の時代を生き抜く策とは何か?現役経営者が予告する、情報産業の近未来。緊急出版!
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200809000400 -
なんでみんなクラウドって騒いでるの?猫も杓子もクラウドなこの時代のきっかけを探るための入門書としては悪くない。ただ途中から角川書店の取り組みってすばらしいでしょ、という角川書店のがんばりに重きをおいていた感じ。少々押し付けがましい気がしてしまう。
-
詳しくはまたの機会
-
勉強したことをまとめただけ
-
クラウド時代の到来に伴う情報技術革新やそれを巡る勢力図の変化についての考察がされている。
個人的に興味がある電子書籍についても言及されていて面白く読めた。
自分がいかに時代の進歩に対して無知だったか教えてもらった。 -
グーグルの戦略とグーグル以降のクラウド時代の予測。
今の日本そのものがわかる。
日本の「クール」なものも、色々紹介。 -
p105まで読んだ。
-
角川歴彦著「クラウド時代と<クール革命>」
読み始めはバラ色、徐々に背筋が寒くなる。コンピューターの進化は加速している。今後各種のソフトやOS、データはすべてクラウド(雲)という巨大なセンターに集約され、今のパソコンは最低限の機能を持つ端末になる。パソコンも1台1万円くらいになり、クラウドに繋がることでスーパーコンピューター並みの機能になる。書籍・新聞などすべての出版物は電子化され安くなり、ノート大の端末があれば本棚もTVもDVDも要らない。まるでバラ色の夢だが、最後のくだりを読むと薄ら寒く暗い気持ちになる。
クラウド時代とはグローバル(全世界的)な情報の一元化である。各民族、個人の自由・自立へ向かうのではなく、一元化した情報元締め(それはGoogle,Amazon等のアメリカである)の一極支配の時代である。すべての個人、民族、国家の情報は総元締めがすべて握ることになる。たとえば私はAmazonでよく本を買うが、Amazonは私がどんな本を読んでいるかすべて知っている。グーグルは私が何を検索したかすべて知っている。ツィッターはあなたが何をつぶやいたかすべて知っている。
パソコン、インターネットで多くの情報がタダ同然に手軽に得られたり、この趣味人倶楽部のようにリアルの世界では出会えない多くの人と繋がれるのは素晴らしい。人類はひとつ、オンラインで繋がれるのはある意味夢のような世界である。しかし、世界がひとつになるということはいいことも悪いことも瞬時に共有するということでもある。ギリシャの経済崩壊はヨーロッパに脅威を与え、日本企業にも死活問題となる。狂牛病もインフルエンザもあっという間に世界を駆け巡る。全世界がインターネットのオンラインでひとつになっているということは、善意も世界を駆け巡るが同時に悪意も世界を駆け巡るということ。両刃の刃である。
世界中のすべての人間に善意だけを期待するのは非現実的であろう。極端にいうとクラウドによって完全に統合された世界では、たった一人の悪意が世界を滅ぼしかねない。
インターネットの進化によって世界中がひとつになりすぎるのは危険この上ない。
祖父母、両親、子供、孫、一家全員が常時一つ屋根の下で住んでいたら、火事ひとつだけでも運が悪ければ全員お陀仏である。世界・地域・国それぞれのレベルで、統合と同時に分散・自立が必要である。
個人的にもオンラインとオフライン、オンとオフのバランスが大事だなと思う。
2010年05月14日 20時35分 [ 閲覧数 25 ]