クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21 A 112)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 638
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102262

感想・レビュー・書評

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  • 発売されたのはちょうどiPadの日本発売が決定した頃だったでしょうか。
    今後のコンテンツ産業のあり方を考えていく上で欠かせない情報がぎっちり詰まっております。
    特に日本が既に米国の情報植民地になっている、といった記述は衝撃的でした。
    国策としてのクラウドコンピューティングの必要性に関しても解説されており、危機感を意識するには十分なボリュームです。

    今後加速していくであろうコンテンツ産業の生き残りを賭けた生存競争を考えていく上で、本書を入り口とするのはなかなかによい体験だと感じました。

    文句なしにオススメです。

  • webKADOKAWA紹介文より。

    iPad、キンドルの登場で時代は激変する!
    大衆と時代はどこに向かうのか?2014年にはコンテンツ大統合時代がやってくる。激動の時代を生き抜く策とは何か?現役経営者が予告する、情報産業の近未来。緊急出版!

    http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200809000400

  • なんでみんなクラウドって騒いでるの?猫も杓子もクラウドなこの時代のきっかけを探るための入門書としては悪くない。ただ途中から角川書店の取り組みってすばらしいでしょ、という角川書店のがんばりに重きをおいていた感じ。少々押し付けがましい気がしてしまう。

  • 今、丁度web2.0系の本を読んでいるため新鮮味はあまりなかった・・・

    ただamazonの戦略や著者が出版業界の方?だからか、出版に関しての背景にある歴史や知識といったものに関しても書かれているため、ちょっと他とは雰囲気が違うようにも思う。

    <内容>

    アメリカ⇒スマートパワー
    軍事力などのハード面と外交能力や文化的影響力などによるソフト面の組み合わせ

    日本⇒クールジャパン
    日本独自の精神文化などを活用し、現在のガラパゴス状態をうまく使っていこうということ


    日本とアメリカの比較

    〇昔
    日本の自動車産業がアメリカに進出
    ⇒先行する技術をアメリカも吸収⇒内部の企業の育成と新ビジネス構築に扮装⇒成長

    〇今
    日本⇒ネットや新しいビジネスの取り込みに遅れ
    上記を見習うべき

    <日本にかけているものは?>
    オプトイン方式からのシフト

    本人に事前に許可をとらないと何もできない
    これこそ、今回のITへの対応の遅れと日本のIT技術の世界においてのレベルの低さの原因。)

    ⇒フェアユース方式(公共の福祉を優先し、どんな事業であっても国民の大半の賛成があれば認める)

    ポイント
    ①デジタル時代への対応力のなさと遅れ
    ②事業構想力のなさ

    「クリック&モルタル」:パソコンをリアルの流通に利用する

    <ハードからソフトまで、垂直統合型のビジネスモデル>
    *アップル
    *アマゾンのキンドル(登録されている書籍数の多さ・そのアップの早さ)

    アマゾン
    ジェフ・ベゾズ?
    強み⇒A9(購買データ管理システム・検索方法に特化している・客の嗜好にあいそうな本を抽出し進めるサービスなど)
    グーグルのスポンサー5本の指の1つ

    <クラウドサービス⇒規模の経済をうむ>

    今:BtoC 順位や検索ランキングによる評価づけ⇒うもれてしまう情報の存在

    今後:BtoB リアルタイムさ(ツイッター)⇒より情報がフラットに競われる場の登場

    問題点:信憑性・安全性(顧客データや内部機密情報の漏洩の可能性)

    <IT技術の発展による影響>
    ①アイディアを出す人②指示をうけてプログラミングする人⇒格差拡大(二極化)

    「1億総クリエイター」
    1人1人がメディア化

    *そんな中で日本は・・・
    国内にとどまった、企業内クラウドコンピューティング⇒再構築(新構築ではなく)

    ※韓国の優勢さ
    サムソン 営業利益3260億円(2009年第3四半期)
    日系大手6社 総合営業利益 1519億円(同時期)


    <自分の中でのまとめ>
    IT技術の発展
    ⇒知のグローバリーゼンションの本格化
    ⇒知での面での差別化は無理
    ⇒アイディアや創造性=社会で言えば「事業構想力」
    ⇒世界規模での2局化の進行
    ※日本は↓の部類へいくだろう・日本のIT技術が世界ランクにおいて20位以下だから。日本自体の決断の遅さ・その体質・発想性のなさ
    ⇒そんな中で日本は何がしていける?
    ⇒日本に残っているもの
    ⇒アニメ・ガラパゴス文化
    ⇒これらの活用とここからの発想力を利用
    ⇒ただより一層海外との間で門をひらいていくべき。

    *今のビジネスに求められているもの
    ①事業構想力(知を活用する考える力・発想する力・まとめる力・生み出す力など)
    ②既存にとらわれず、新しいものを取り入れて、それを利用してさらに成長していこうという姿勢
    ③今のビジネス=大衆の意見や嗜好、評価によって揺れ動く
    ⇒これらの流れにのること
    ⇒広告の出し方など(テレビなどはアウト、ネットにシフト、閲覧者を参加させるようなコンテンツ)

    *チープ革命の影響
    ①ダウンサイジング
    ②リストラクチャリング
    ③イノベーションによる巻き返し


    *角川グループのやり方
    「MAD」
    アニメをいじって素人がネット上で報道
    ⇒角川グループは逆に彼らをまきこむ

  • 詳しくはまたの機会

  • 勉強したことをまとめただけ

  • クラウド時代の到来に伴う情報技術革新やそれを巡る勢力図の変化についての考察がされている。
    個人的に興味がある電子書籍についても言及されていて面白く読めた。
    自分がいかに時代の進歩に対して無知だったか教えてもらった。

  • グーグルの戦略とグーグル以降のクラウド時代の予測。
    今の日本そのものがわかる。
    日本の「クール」なものも、色々紹介。

  • p105まで読んだ。

  • 角川歴彦著「クラウド時代と<クール革命>」
    読み始めはバラ色、徐々に背筋が寒くなる。コンピューターの進化は加速している。今後各種のソフトやOS、データはすべてクラウド(雲)という巨大なセンターに集約され、今のパソコンは最低限の機能を持つ端末になる。パソコンも1台1万円くらいになり、クラウドに繋がることでスーパーコンピューター並みの機能になる。書籍・新聞などすべての出版物は電子化され安くなり、ノート大の端末があれば本棚もTVもDVDも要らない。まるでバラ色の夢だが、最後のくだりを読むと薄ら寒く暗い気持ちになる。

    クラウド時代とはグローバル(全世界的)な情報の一元化である。各民族、個人の自由・自立へ向かうのではなく、一元化した情報元締め(それはGoogle,Amazon等のアメリカである)の一極支配の時代である。すべての個人、民族、国家の情報は総元締めがすべて握ることになる。たとえば私はAmazonでよく本を買うが、Amazonは私がどんな本を読んでいるかすべて知っている。グーグルは私が何を検索したかすべて知っている。ツィッターはあなたが何をつぶやいたかすべて知っている。

    パソコン、インターネットで多くの情報がタダ同然に手軽に得られたり、この趣味人倶楽部のようにリアルの世界では出会えない多くの人と繋がれるのは素晴らしい。人類はひとつ、オンラインで繋がれるのはある意味夢のような世界である。しかし、世界がひとつになるということはいいことも悪いことも瞬時に共有するということでもある。ギリシャの経済崩壊はヨーロッパに脅威を与え、日本企業にも死活問題となる。狂牛病もインフルエンザもあっという間に世界を駆け巡る。全世界がインターネットのオンラインでひとつになっているということは、善意も世界を駆け巡るが同時に悪意も世界を駆け巡るということ。両刃の刃である。

    世界中のすべての人間に善意だけを期待するのは非現実的であろう。極端にいうとクラウドによって完全に統合された世界では、たった一人の悪意が世界を滅ぼしかねない。

    インターネットの進化によって世界中がひとつになりすぎるのは危険この上ない。
    祖父母、両親、子供、孫、一家全員が常時一つ屋根の下で住んでいたら、火事ひとつだけでも運が悪ければ全員お陀仏である。世界・地域・国それぞれのレベルで、統合と同時に分散・自立が必要である。

    個人的にもオンラインとオフライン、オンとオフのバランスが大事だなと思う。



    2010年05月14日 20時35分 [ 閲覧数 25 ]

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