神様の御用人4 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1930
感想 : 148
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048652544

感想・レビュー・書評

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  • 今回は長編、舞台は和歌山そして(良彦は知らないけれど)御用人代理から真の御用人への昇格が決まる御用(゜゜;)前回、御用人を断った人(なんと良彦の野球仲間!)が絡む切ない話だった(--、)天道根命が持つ簪の真実が明らかになった時には鳥肌がたった(;゜0゜)おまけの穂乃香がパウンドケーキを作る話は可愛いらしいけど、神様と一緒にというのが凄いな(^^;)

  •  歴史や神話を学ぶことの面白さは、書に書かれなかったこと、或いは、書によって歪曲されてしまった事実など、「あったかもしれないこと」へ思いを馳せられることだと思います。
     歴史妄想好きな方は是非読んでみてください。涎が出ます。

     今回は、これまでのライトなテイストの短編連作形式から、やや重めの長編形式になっています。紀の国、和歌山を舞台に、記憶喪失の神様の記憶を取り戻すために、歴史を紐解いていきます。
     これまでのライトな雰囲気を期待していたら、ところどころで挿入される神代の描写が重いのなんのって。初めは「この描写に意味はあるのかな?」と疑い半分だったのですが、その神代の記憶が、現代の人物たちと重なったとき、目が覚めるような気分になりました。伏線というか、こういうギミックは本当にずるい。良い意味で。
     神社や神様にまつわる話に人間ドラマがうまいこと絡まって、神と人、二つ並立した主役とその背景にある物語が、御用人である主人公を介して繋がって相互に成長、変化していく構成の妙。
     さらに、主役たちが奔走する外側で、直接関与しないけど間接的に関わったり見守ったりしている神様や人がいたりして、神代現代各方面の思惑が入り乱れ過ぎて、読み応えありました。
     個人的には、アメリカのホームドラマに出てくるカップルみたいな出雲夫妻が今回のMVP。


     最後に。
     一冊の本が、自分の価値観をがらりと変えてしまうことは意外とよくあります。本にはそれだけの力があります。
     作者さんにこの話を書くきっかけを与えてくれた一冊の本に、わたしは感謝したい。勿論、本を世に送り出してくれた作者さんにも……ありがとうございます!

  • 楽しかった

  • 1〜3巻と違い、1冊通じて1柱の神様の御用を務める。こちらの方が面白いかな。

  • 御用人シリーズ第4弾。今回は初めての長編。天道根命(あめのみちねのみこと)が思い出せなかった怖くてたまらない過去は、天道根命にとって後悔と寂しさを改めて思い知ることだった。良彦が出した答えは事実だけでなく、相手に共感し、思いやりをもって解決する方法でとても心が温かくなった。困っている人をほっておけない良彦が本採用決定はあたりまえだ。力を取り戻した天道根命は名草戸畔(なぐさとべ)の子孫に影響を与えてくれそうだし。大団円。長編なかなかよかった。

  • 浅葉なつさんの御用人シリーズの第4巻です。
    もう8巻までは出てるのですが、そこはじっくりと楽しみながら読むのが好きなので、ぼちぼちと..

    神様も困ってることがあるんです。神様を敬う者が減ったため、その信仰心を糧としていた神様の力が弱り、自分自身では些細なことも出来なくなってしまった神様の御用を、フリーターの 「良彦」 が解決していくと言うお話しです。

    今回は短編物ではなく、最後まで繋がった長編歴史ミステリーのような展開で、謎解きが面白くいつもと違う感覚で楽しませていただきました。

    普段は協力してくれる狐神 「黄金」 も、今回は意味ありげにほとんど助けてはくれなくて、良彦が自らの力で謎だった史実を繋げて行くところについつい惹き込まれワクワク感も。最後に心配だったことも、ホッとする展開で良かった。

    謎だった和歌山の名草戸畔という女王と弟君天道根命の歴史。 古事記と日本書紀、古事記には記されてなくて、日本書紀の方にしか記されてないらしくて読み比べて見るのも面白そう。

    おまけで載ってた 「穂乃香の事情」 では彼女達のドタバタが微笑ましかったです。

  • 浅葉なつさんの「神様の御用人4」読了。シリーズ初の長編。今回は和歌山の神様「天道根命」の願いを聴くお話。二千年以上も前から所有している簪(かんざし)と夢にみる謎の女性。はたして無事に御用を果たすことが出来るのか。。面白かったです。そして、良いお話でした。日本書記に記述がある名草戸畔(なぐさとべ)に関する一行から産まれた作品。章の間にある神様講座は「日本書記と古事記の違い」「神武天皇と神武東征」など。良彦の御用昇格も掛かった御用や穂乃香との関係なども、良いアクセントになっていたと思う。続編が楽しみ♪

  • 神様の御用人のお使いシリーズ4つ目は
    一冊丸ごと長編。一柱の神様の御用聞き。

    昔の記憶を失ってしまった神様・天道根命(あめのみちねのみこと)の
    毎夜の夢に現れる「忘れるな」と告げる女性は誰なのか──

    良彦とモフモフ黄金は
    その夢の女性が挿していたという、簪を頼りに和歌山へと旅に出ます。

    このたびは一柱の神様に絞ってじっくりと話を聞かせて貰えてよかった♪
    神様の名前や言葉の意味を調べながら、神様同士の繋がりを知ったり
    ルーツや謂れなどがだんだんと分かっていくのが面白くて楽しい。
    ルーツを探っていくというのはとても神秘的ですね。

    風鈴についても調べました。
    知らなかったこと、いっぱいあるなぁ...。

    所で
    神様の名前って、な~んか読み辛くて覚え難くくありませんか?
    ページを捲ったそばから忘れちゃってて、戻らないと読めない。
    おまけにちょっと嚙む。(笑)

    それがね...
    登場する神様の名前が、ページを捲るたび
    そのページの最初に出てきたところでルビがふってある♪
    というのにこの4作目で初めて気づきました。
    あら...今までもそうだったのかしら.....。
    おかげで後戻りすることなくすんなり読めて嬉しかったです。^^

  • 神様と人をつなぐ、御用人のお役目で、今度は和歌山へ。

    御用人シリーズ、長編です。少しシリアスさと歴史っぽさが増した感じで、読みごたえがありました。神様の時代の姉と弟に、現代の姉と弟を重ねて、お願いに隠された想いを読み解く良彦。とうとう代理から正式な御用人に。で、天道根命と名草戸畔って、本当にこんな感じのいわれがあるのかな。ちょっと神社にも興味が出てきた今日この頃です。

  • 今回の神様は、歴史にあまり記録されていないという名草戸畔(ナグサトベ)の神様について。依頼人の天道根命(アメノミチネノミコト)を訪ねて和歌山へ遠征します。相変わらず、報酬があるわけでもないから、気の毒なくらい汗かいて働いています。そして、今回は黄金があまり協力してくれないのはなぜか。
    イマドキ少年の姿をした大国主命(オオクニヌシ)須勢理毘売(スセリヒメ)夫婦も乱入。(もちろんわけがあります)
    かつての野球ライバル少年との再会。その姉弟と良彦の意外な関係とは?
    魅力あるキャラクターたちが物語を紡いでいき、さいごに解けていく展開が安定していて、とても読みやすいです。このシリーズ、ゆっくりでもいいので、今後も続けて読みたいです!

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著者プロフィール

第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞。「空をサカナが泳ぐ頃」でデビュー。

「2023年 『神様の御用人 継いでゆく者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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