- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048731409
感想・レビュー・書評
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もうかれこれ20年、本棚のいつも取り出せる場所にあります。
読み終わると重たい気持ちになって、もう読むのはやめようと思うのに、忘れた頃にまた読みたくなってしまいます。
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題名と、帯の「文字だから恐い!」的な文に惹かれて購入。
導入は元彼女と上手く別れられないとある会社員の目線から。
元彼女から逃げるように転職した小さな会社で、彼はとある事務の女性から、思い出話を聞かされる羽目になる。
その女性が主人公の水無月さん。
で、彼女の思い出がストーリー。
最初は思いがけずあこがれの相手に出会って、そのまま夢のように恋をする様子が描かれる。
水無月さんはものすごくネガティブで、とりあえず「そんなはずはない」「ありえない」と、否定から入る人で、いらいらしつつも、共感がもてて、恋愛小説なんだけど甘くもなくて、おもしろかった。
が、
途中から、あれ、なんだか恐いなー、となりながら読むのが止まらなくなってしまった。
恐くて重い話だった。
最初の方に出てくる、「もう二度と人を愛しませんように」という痛々しい願いが、恐い。
どんなに願っても、寂しい心にするりと入り込んできた人に対して無防備すぎる水無月さんは、きっと正気には戻れない。
最初と最後で語り手が変わってしまって、結局客観的な情報が最後にはわからない。恐い恐い。 -
なにか読みたいと思ってどこかでおすすめされていたので読みました。
わかるようなわからないような。
あんまり好みではなかった。 -
山本文緒の長篇作品は初めて。
短篇はふつうーという印象だったんですが、
これは読み終わって時間が経つほどに、余韻に浸れた作品でした。
久しぶりにいい!と思った現代小説だったかも。
最初のうちは、良くも悪くも普通の作品だと思っていました。
読み進めていくうちに恋愛に溺れていく恐ろしさを感じました。
小説って自分の中に少なからずある部分が肥大化し、それがモンスターのように見えていればいるほど面白いなあとか思っちゃいました。
だめな男に溺れたり、
本当の愛を掴もう掴もうとするとすり抜けていく感覚。
恋愛以外に強い自分を持てないのかも。
そして本当の愛を掴めない人間はその心地を勘違いしてしまい失うのかもしれない
そんなことをこの作品を読みながら感じました。
よかったです。 -
読み終えた後、ゾッとした。怖いと思った。執着しすぎて、裏切られたら何をするか分からない。歯止めが効かないのは、怖かった。
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水無月のやばい部分が終盤にどんどん出てきたのが面白かった。
第三者目線の入りで始まるのも面白い。 -
中毒って言葉、久しぶり
水無月美雨の執着
同級生の荻原、夫の藤谷レベルじゃダメ
創路功二郎じゃないと
終盤になって
美雨への見方が変わってきて
それはそれは怖かったです
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ミニコメント
世界の一部に過ぎないはずの恋が、私の全てを縛りつけるのはどうしてなんだろう…。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/289948 -
相互依存症であり、統合失調症でもある女性の話。
ある意味、相手にしてはいけない人格を
恐ろしくリアルな描写がされている。
「恋愛中毒」というタイトルではあるが
相互恋愛には至っていないところが悲しくもある。