恋愛中毒

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 135
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048731409

感想・レビュー・書評

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  • いわゆるストーカーの話。読みやすいので、ストーリー展開に期待しなくてもスルスル読める。解説に共感する人が沢山いたとあって、私自身はストーカー気質でないことに安堵した。

  • 読めば読むほど、最初の印象が覆されて、読み終わったあとはねっとりとこびりつくような、生々しい不気味さが残る作品。
    恋愛しかないひとの究極の形。うっかり、この気持ちわかるといいづらいぐらいの掘り下げ方で、こんなに女の嫌な部分をストレートに、効果的に描ける人もいるのかと驚きました。
    登場人物を自分の都合のいいように動かしていない、稀有な作家さんだと思います。

    読みはじめは仕掛けに気づかず、ただただ、歯切れのいい文章なのでどんどん読んでいたのですが、構成がすごい。

    平凡で根暗の女が自己中心的で強引な男にやり込められちゃう話かと思いきや、徐々に違和感を盛り込み、気がついたら題名の恋愛中毒という意味を読者自身が体感することになる。
    客観的な視点にも立てるようになっているから、中毒の意味を理解するとき、自分に重なる部分への不気味さと、この人はとんでもないという不気味さの二つの感情を抱きました。

    さらに解説にもあったように、冒頭部の語り手井口にバトンは渡されないことがまた、読後のねっとり感につながる。
    客観的に見るとすごい悪夢であるのに、すがりつく女の心情が少しでもわかると、自分もとんでもないことをしそうで怖くなる。

  • 再読。
    好きなったら人生の全てがその男になってしまう。
    男に本妻がおり、愛人が何人いても、男に自分の全てを委ね、その男の言うとおりに生活する。
    恋愛依存症というのか、ここまでくればある意味幸せなのかもしれない。
    (図書館)

  • 久しぶりの山本文緒。読み易くて一気に読めた。グサッとくる場面も。

  • ある女性の恋愛遍歴。思い込みが激しく一途。重い。

  • 高校生のときに読みました。とにかく衝撃的なラストが印象的。かなり面白かったです。その頃は私も、重たい恋愛をしていましたが…中毒って本当に怖い。。サスペンスでした。

  • 買ってから10年寝かせてやっと読んだ!笑
    さすが山本文緒。
    主人公が暗くてイライラするタイプ
    なのに面白い。本当にさすがです。

    この話を10年前に読んでも
    なかなか理解できなかっただろうなあ。

  • この作家さんの小説は初めて読みました。恋愛小説というジャンルを読むのももこれが初めて。

    途中までは「主人公頭おかしくない?」と、気味の悪いものを眺めるように読んでいました。

    しかし、後半がすごいです。山本文緒さんすごいです。

  • まるでミステリー仕立てのように、主人公の女性の本性が暴かれていく過程が、非常に自然に描かれている。 女性なら誰しも、似たような気持ちになったことはあるのではないかと思うような、嫉妬。 誰が善人で誰が悪人なのか。 主人公の一人称なのに、主人公が「善」ではないことをきっちりと書けている。 ラストシーンでは寒気がするほど。 中毒とはこういうことをいうのか、と納得した。

  • これから先の人生、他人を愛しすぎないように、他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。
    きっと誰もが思うけどまた繰り返す。わかりきっていたことを再認識した。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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