- Amazon.co.jp ・本 (676ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048734110
感想・レビュー・書評
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犯人逮捕の正確性とスピードを有するが、確実な証拠が無い限り逮捕に踏み切らない刑事(麻生)が犯した1度のミスが一人の無実の少年(山内)を結果的に刑務所に送り込み出所後やくざの道へ導いてしまった。少年が拾われたやくざ(韮崎)は実力者でバイだった。ある時韮崎はホテルの風呂で何者かに殺された。犯人は?麻生の妻は疾走した。なぜ?妻の疾走後付き合った女は実は?(作者は女性、ホモとかゲイの性描写がところどころでなされている。少々エグイ。)この著者は女性。
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悪魔のように悪賢く、美しい男妾あがりのヤクザ...それが、十年振りに麻生の前に現れた山内の姿だった。十年前の気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。この十年の間に何が起こったのだ?新宿を牛耳る大暴力団の幹部・韮崎誠一惨殺事件を捜査する麻生は、次第に過去に追い詰められ、因縁の波に翻弄されて暗い闇へとおちていく...。愛と宿命に操られた者たちの果てしなく長い夜。人間の原罪を問うて、深い感動を呼ぶ傑作。
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刺激的な内容はたくさんあるけど、きっとこれは愛の話。
性愛描写はすごく刺激的。ミステリとしての構造や人間関係もしっかりとしている。それに加えて、人物の心情の描き方が見事。
みんな誰もが持っている、「自分とはどんな人間か」というイメージ。長く生きていればいるほどそのイメージは固まってくるけど、ふとした瞬間にそのイメージが揺らぐ時がある。
「自分」を知ることが一番難しい。まわりの人が持ってる自分イメージと自分が持ってる自分イメージはちょっとずつ異なるし、そのどれが正しいなんてもんじゃないし。
自分にも解らない、自分の一面が出てくる。それに出くわした時、どうしたらいいのか。
誰に愛されていて、誰に憎まれているか。そういう事実に出くわした時、どうしたらいいのか。
きっと、ひとつずつ向き合っていくしかないのだろう。
そんなことを考えた。
次の『私立探偵 麻生龍太郎』がどんな展開になっているのか楽しみだ。 -
一人の青年の「冤罪」から物語ははじまる。
こんなにも救いがなくて、どうしようもない感覚に陥るのは、たぶんこれから先この物語を上回るものはないんじゃないか。そう思う。 -
男性同士の愛は抵抗なく読めました。
しかし、男性女性問わず乱暴な行為の描写を読むのは嫌な気持ちになります。
刑事物のミステリーとしては、とても面白く読めました。
それにしても長かった。 -
練が出ているシリーズは追っていて、過去編が出るということを知った時かなり嬉しかった。
この話は、色々設定が有りえねえだろと思ったけど、好きだ。
最後の方の練のセリフで泣きました。
あと、この本をBLだと言う人が多いけれど、BLじゃないと断言できます。
いい意味でも悪い意味でも。 -
同性愛の刑事とヤクザ。壮絶な縁。構成もしっかり。
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悪魔のように悪賢く、美しい男妾あがりのヤクザ...それが、十年振りに麻生の前に現れた山内の姿だった。十年前の気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。この十年の間に何が起こったのだ?新宿を牛耳る大暴力団の幹部・韮崎誠一惨殺事件を捜査する麻生は、次第に過去に追い詰められ、因縁の波に翻弄されて暗い闇へとおちていく...。愛と宿命に操られた者たちの果てしなく長い夜。人間の原罪を問うて、深い感動を呼ぶ傑作。
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せいぜいスパイス程度だろうと思っていたホモっけが、読むとびっくり最初から最後までたっぷりという感じ。ハードボイルドホモ。登場人物全般気が多過ぎる。すごく…爛れています。まあ流れがしっかりとした推理・刑事ものなので、半端無い分厚さでしたが面白かった。強いて言うなら麻生の不幸っぷりが多少出来すぎている気がする(槙との辺り)
山内は一貫してほんと可哀想な子。及川と山内のどうしようもない関係性には萌えた。-
2010/05/21
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まあ面白いし、萌えたっちゃ萌えたから読む価値はあると思うけど、とりあえず完全ハードボイルドだからその点南の趣味に合うとは思わない…^^あと分...まあ面白いし、萌えたっちゃ萌えたから読む価値はあると思うけど、とりあえず完全ハードボイルドだからその点南の趣味に合うとは思わない…^^あと分厚いから。どうでしょうね。2010/05/21
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2006年1月6日読了。以下、過去の日記から抜粋。
柴田作品の代表作を読破。
4時間かけて読み終わりました・・・。
かなりハードな内容ですし、同性愛もバンバン出てきます。
もしかしたら新年一発目に読むものではなかったのかしら。
でも、人間の弱さを丁寧に書いてある感が良かった。
終わりも何とも言えずロマンティックだったし。
あまり絶望的なラストの小説は好きではないので、
読み終わってほっとしました(前半がかなり悲惨なので)。