- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048738002
感想・レビュー・書評
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シンデレラティースとの姉妹作品。サキの友人ヒロの沖縄のホテルでのアルバイトのお話。軽快なテンポ。飽きさせないキャラクターとちょっとためになる沖縄文化(特に食文化)と安心安定の坂木作品でした。
昼行灯のオーナー代理がずっとリリーフランキーで脳内映像化されてました。アヤのお父さんの話には泣きました。お父さん、最期までアヤを励まし続けたんですね。中盤で泣いてしまったので後半うろ覚えですが、一度も沖縄に行った事がないので、是非沖縄の文化に触れてみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
沖縄ならではのストーリー。徐々に短編集に慣れてきたのか、意外にもよみやすかった。
他人に深入りし過ぎず、かと言って都会とは違って周りと程よく距離を保った関わり方が出きるのが大人なんだよと教えてくれる。
その上でどうにもならないこともあるとも教えてくれる。 -
沖縄旅行の前に読みました。
時間の進み方が実感でき、
物語を思い返せて良かった。 -
2012年12月9日に開催された、第1回ビブリオバトルinいこまで発表された本です。
テーマは「学生」。 -
『ワーキング・ホリデー』『ウィンター・ホリデー』に続き
坂木司さん3作目。
主人公の柿生浩美は、曲った事やズルをする人が嫌い。
真面目・正義を絵に描いたような大学生の女の子。
悪く言えば、融通がきかない。面白みがない。真面目過ぎる…
なんだか、昔の私を見るようでした(苦笑)
けれど、ホテルジューシーで過ごすうちに
少しずつ少しずつ変化していく浩美の姿が本当に微笑ましくて。
クメばあ、センばあ、比嘉さんの
優しくて大きくて、ちょっといい加減な所も素敵。
そして、超適当いい加減男のオーナー代理が
時々見せる、ビシッとした姿に私も胸キュンでした。
沖縄が舞台だからか、全体的に優しく、
歩くスピードがワンテンポ遅いような
温かくて、ほんわかして、それでいて
所々にドキッとするお話。
矢田君やヤスエさんに起こった出来事は
実はものすごく恐ろしい展開ではあるものの
いや~な恐ろしさではなく、緩んだ気持ちをビシッとさせてくれるような
そんな描き方をしていて、「坂木さんやるな」と思いました。
続編がありそうな予感。
坂木さんの作品は、★5つ!とまではいかないけれど
重すぎず、軽すぎず好きなタイプです。 -
長女でしっかり者。
一人で自由な時間を使うのが苦手の主人公柿生浩美は、
大学の夏休み中に、
沖縄のホテルジューシーで住み込みのアルバイトをすることとなった。
見ず知らずの土地で、訪れる観光客の接待をするホテル業。
ホテルでのアルバイト中、さまざまなお客がいた。
幼いころ震災を体験し、心に傷をもつギャル。
表向きは骨董品や、実は詐欺師。
旅ブログを書くために見栄をはった一人旅をする若者。
沖縄にあこがれだけで来る本土からのにわか滞在者。
ホテルの宿泊客は、それぞれに過去と人生を背負っていて、
ホテルジューシーはいつも小さな事件に見舞われる。
それはすべて宿泊たちに関することだった。
彼らはパッとみただけでは、本当の姿が見えてこない。
真相を知りたくて、持ち前の正義感から突っ走る浩美に、
「昼あんどん」のオーナー代理は、
夜になると冴えた頭で的確なアドバイスを与える。
浩美は知らず知らずのうちに
持ち前の頼りがいのあるたくましさが倍増し、
ホテルジューシーのアルバイト生活が大好きになっていった。
ホテルの名前の「ジューシー」は沖縄料理のことだった。
この作品では各章ごとに、沖縄の郷土料理や食べ物が出てくる。
「ちんぴん」「ポーク玉子」
「おにポー」「チャンプルー」「チャンポン」 etc
想像するだけで美味しそう。
これらの食べ物が、「何かがおこりそう」なホテルの日常に
いい意味でのアクセントをつけ、
沖縄へ興味津津となる手伝いをしているようだ。
夏休みが終わりアルバイトを終えて、日常生活にもどった浩美だが、
そのうちに、ホテルジューシーにもどってくるだろう。
まだまだホテルジューシーのエピソードを知りたいし、
オーナー代理についても謎の人物のままだから、
きっとまた続編もあるだろうと、期待をしている。 -
ヒロに共感できるひとは面白く読めるかもね
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ホテルならではの、そして旅先という意味でもいろんなお客さんの話があってそこはよいかな。やさしくて、あったかくて、少しだけしょっぱい物語。
ただの旅物語ではなくて、仕事として手痛い失敗も描かれているのは好感。でもちょっと盛り上がりに欠けたかなーとも思う。もう少し嵐があってもよかったかも。それかオーナー代理の情報をもうちょっと。 -
『和菓子のアン』がよみたくて。
でも貸し出し中で。
とりあえず同じ作家さんのを借りてみようと思い
手に取った『ホテルジューシー』
沖縄が舞台の『ホテルジューシー』
まず最初のくだりでやられました。
浩美の『自分の取り分』論は少なからず私も同意できるから。
でも私は浩美よりもだいぶ大きいので
目をつぶる事ができると思っていたけど
やはり一緒になって怒ったり泣いたりしたので。
まだまだですな自分。笑
さて『ホテルジューシー』
どの話も良かったです。
日差しだけでなく影もまたきっちりとあるあたりが好み。
小野寺さんの
『退屈な日々があってこそ旅は輝くもの』
という言葉がなんともよかった。
四角四面だった浩美もほんの少しだけ丸くなったような。
でも忠犬の浩美、嫌いじゃないですけどね。
初めて読む作家さんでしたが
手に取ってよかったと思います。
他作品も読んでみたい。 -
沖縄に行きたくなる!食べたくなる!おいしい本