ジェノサイド

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741835

感想・レビュー・書評

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  • あーーーーーすげー。すげー。
    久しぶりに一気読みして脱力。

    ところどころに「ファッキンジャップ」的な場面が散りばめられてて、「ん?何なんこれは?(日本人嫌いなの?)」って思うとこもあるけど・・・
    そんなこと差し置いても十分におもしろかった。

    人智を超えた頭脳が、アメリカ大統領(これがまた完全にドナルドとイメージぴったり)を的確に追い詰めるところが小気味良い。

  •  ジェノサイドって何?
    みたいな感じで読み進めて、最初は突然大統領府内の出来事が網羅されて、何これ?
     バーンズっていう大統領が大嫌いになり、イライラ。
    そんな中で、ルーベンスの存在が救いになった。
     そして、ルースと40人のピグミーのジェノサイド・・・大虐殺=ガーディアン作戦。
    それが実行される危機が、逆に「アキリ」とその子を保護しているピアーズを連れて、アフリカから日本への逃避行が始まる。
    現地の武装勢力の残虐性には、愛想がつきた。
    そして、それが出来てしまう人間にも。
     だから、アキリとエリという進化した人類が、もっと素晴らしい文明を作ってくれるなら、現代人たちが衰退してもしょうがないかな?とまで思った。
     ボーイング737からの脱出がうまくいき、ピアーズの船に乗れ、無事日本についたときは嬉しかった。
    それにもまして、研人達の作った薬がジャスティンに無事届けられて、死から免れたのがもっと嬉しかった。
    素晴らしい能力を持つ、アキリとエリが、残虐な人間たちの間におかれ続けたら、どうなってしまうのか?
    とっても心配したけど、二人が母親代わりの、坂井友里に笑顔でまつわりついているシーンは、暖かい愛情に包まれて、心豊かに育って行く希望の持てる未来が感じられて最高のエンディングでした。
     諦めない人間の努力が不可能を可能にした、勇気のある行動が、人間の罪深さをいろいろ考えさせられたけど、良かったです。

  • 壮大なスケールの映画を観ている様でした。

    コンピューターや有機化学などの専門用語が出てくる所は難しくてなかなか頭に入ってきませんでしたが、そこはサラッと読み流してなんとなくのイメージで。

    人類の進化はすでに完結していると思っているけど、もしかしたらまだ進化の途中かもしれない、超人類が誕生する可能性もある…なんだか現実におこりそうで、久しぶりにハラハラ・ドキドキ・ワクワクしながら読むことができました。

    アフリカでの武力勢力との戦いは、目を背けたくなるほど生々しくて心が痛みました。戦争をしたって何にも生まれないのに、どうして人は争いを繰り返すのでしょうね。

    フィクションなんですけど、なんだか色々と考えさせられるものがありました。

  • 約600頁に及ぶ長編。
    政治問題と創薬に関する科学の知識、専門用語が多数散りばめられ、話の大筋をつかむまではいささか苦労したが、中盤からの怒涛の展開で一気に読むことができた。
    難しい専門用語を話半分で読み進めても、ほぼ問題はない。むしろ少し知識を得られたような奇妙な達成感さえあった。
    自分の知らないところで本当に起こっているかもしれない高揚感とどうせ知ることはないだろうという虚無感が混じるとてもおもしろい作品だった。
    この地球の未来を見れないのが大変惜しい。

  • アプローチの仕方は違うけれど、戦争については、「永遠の0」と対になっているような気がします。言いたいことは共通している。けれども作者の下した結論は相容れない物になっています。

    南京虐殺の記述があるだけで「左翼」のレッテルを貼ることしかできず、読むことを放棄した人たちは哀れだと思いますね。

  • 面白いです。ハリウッド的だってよく聞いてたけど、まさしくその通り。ドキドキ感、疾走感、スケールの大きさは半端ない。その代わり、ちょっとリアリティーとかそういうのには欠けますが、娯楽という意味では申し分ないお話でした。読んでるその瞬間が面白い!みたいなタイプの本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ちょっとリアリティーとか」
      だって、それを追求したら、もっと暗くなってしまうじゃないですか!ご都合主義バンザイですヨ。。。
      「ちょっとリアリティーとか」
      だって、それを追求したら、もっと暗くなってしまうじゃないですか!ご都合主義バンザイですヨ。。。
      2013/08/22
    • コアキさん
      >コメントありがとうございます。確かに、この題材で追求したら鬱一直線ですね・・・!現実感と引き換えにドキドキ感を味わえたんだと納得です。
      >コメントありがとうございます。確かに、この題材で追求したら鬱一直線ですね・・・!現実感と引き換えにドキドキ感を味わえたんだと納得です。
      2013/08/23
  • ようやく読了。
    メインに扱われる人類進化や薬学がかなり難解であるが故に
    一見とてーもムツカシイ、敬遠してしまいがちな本。
    しかし、それらの部分を流し読みしても興奮冷めやらぬ、エンターテイメント小説。
    クライマックスに差し掛かるにつれて、頁を捲る手が止まりません。

  • 巨大な国家権力にいとも簡単に葬られる尊い命。蹂躙された人命の先にあるのは愚にもつかない保身とエゴ。我々の知らないところで陰謀がとぐろを巻いて罪もない小市民を陥れる。時には不条理きわまる殺戮にまで巻き込む。腐った輩への怒りは頂点に達するも同時に正義の鉄槌も下される。人知を超えた未知なるものが掌の中で玩弄するように圧倒する。溜飲を大きく下げる痛快があった。ストーリーはのっけからトップスピード。しかも最後まで速度を緩めることなくフルスロットル。ハリウッド映画を思わせる壮大なスケールで極上のエンタテインメントを堪能した。

  • 今まで読んだどの本より、のめり込んでしまいました。
    最後に近づくに連れて終わらないで欲しいと感じた、素晴らしい作品です。

  • 全理系人間に送るSFエンターテイメント、と言っていいのかな。理系男子にはたまらんシュチュエーションですね。

    あらすじを脳内で振り返れば壮大なSFモノなんですが、そのリアリティーに驚嘆します。著者は相当勉強して書いてますね。村上龍に読んで欲しい本かもしれません。

    ☆5がついた大きな理由は、これだけリアリティーを追求したSF大作で、「人間一人一人の道徳心が世界を支えているのだ」という実感が湧いたからですね。科学技術や医療・軍事テクノロジーがいくら発達したとしても、「銃が人を殺すのではなく、人が人を殺すのだ」という側面は変わりません。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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