僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385160

感想・レビュー・書評

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  • マルクスの資本論等も非常に分かりやすく解説。
    給与の決まり方等について再確認。
    21世紀の働き方のヒントが満載だった。

    著者・木暮さんのトークイベントにも参加し、
    出版に至った背景・問題意識等についても知ることができた。

  • マルクスの資本論と金持ち父さん貧乏父さんから起論し労働の価値の本質は何か、そしてラットレースから抜けるために著者が考え、実践してきた労働の価値を高めるにはどうすればいいかについてこれ以上なくわかりやすく書かれています。
    結論としては資産を作る仕事を今日どれだけやったか、を日々考えながら働く、これに尽きるが通読しないとその必要性は十分に伝わならない、そんな本です。
    毎日、遅くまで働いて今の生活に疑問を持っている人にはぜひ一読の価値ありかと。

    サマリー
    http://bukupe.com/summary/4930

  • 【前提】
    ・資本主義のもとで働くとはどういうことなのかを知りたくて購読。

    【新たな発見】
    ・資本主義では成果(使用価値)より労力(価値)で賃金・金額が決定する!!
     ※価値=生き続ける金額(食費、家代等)
    ・資本主義のもとでは、結局働き続けるのに必要な賃金しか得られない。
     ※価値→必要経費方式

    【再認識】
    ・後半は、これからどう働けばよいかを「資本論」から再構築して説明。
     ※フロー(日々単位)よりストック(蓄積できる知識・技術)を優先する。

  • この本、売れてるらしい。それもそのはず、めちゃめちゃおもしろい。

    特に人事、教育系の人は必読です。

    ・自分たちの給料は何によって決まるのか?
    ・2倍成果を出しても、なぜ給料が2倍にならないのか?
    ・年齢高い人はなぜあんなに給料が高いのか?

    これが説明できない人事や教育系の人は潜りと呼ばれるようになるかもしれません(笑)

  • ■仕事
    1.世間相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ
    2.楽しい仕事というのは興味を持てる仕事
    3.労働力を消費するのではなく投資する
    4.日本の会社の基本的な給料は、明日も同じように働くために必要な経費の
    5.今日生まれたイノベーションは10年後にはコモディティに
    6.使用価値がなければうれない。価値(平均的な労働コスト)がなければぼったくり
    7.資本主義の世界では自分の行動は各自に委ねられている。企業がブラックなのではなく、自分で自分をブラックな働き方に追い込んでいるかもしれない

  • マルクスという古典と最近の作品に共通点を感じたという視点がいい。

    内容は、給料の決まり方や価値と使用価値など分かりやすく解説。
    長期的な視野にたって経験を積むのが大事だと感じました。

  • チェック項目12箇所。しんどい働き方を根本的に考え変えていくには?給料は明日も同じように働くために必要な経費のみ。労働力は商品。医師の給料が高いのは医師になるための膨大な知識を身につけるために準備期間があるから。知識・ノウハウは普及しても気持ちは普及しない。楽しい仕事=興味が持てる仕事。長期的な資産を作る仕事は?労働力の価値を引き上げて資産を形成するにはその働き方ができる仕事を選ぶ・・・知識、技術、ノウハウの移り変わりが少なく積み上げしやすい仕事を選ぶ。変化のスピードが遅い業界を選ぶ・・・出版、建築など。

  • ●内容
    ・サイバーエージェント、リクルートを経て出版社を立ち上げた著者による、資本主義と給料のガイド。
    ・資本主義下での給料の決まり方には2種類あり、「必要経費方式」と「利益分け前方式」。多くの日本企業は前者の仕組。「必要経費方式」は努力や成果とは無関係の考え方。
    ・「ゼロからがんばって稼ぐ」のではなく、「労働力の価値を使って稼ぐ」ことを推奨。


    ●コメント
    ○マルクス『資本論』冒頭の資本主義の分析パートと、キヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん』の資産の考え方がベース。「自己の労働力の価値をどう高めるか」という視点。

    (引用)
    ・「使用価値」と「価値」(『資本論』)
     「使用価値」…それを使って意味があるかどうか。有益かどうか。役に立つかどうか。
     「価値」…それを作るのにどれくらいの手間がかかったか。

    ・商品の値段は、その商品の「価値」を基準にきまる。
     労働力の価値=食事の価値+住宅(家賃)の価値+洋服の価値+その他の価値
     (明日も同じ仕事をするために必要なものの合計の価値)

    ・「労働力という商品」をどうすれば高く買ってもらえるか?
     使用価値だけでなく、価値が不可欠
     「使用価値」で狙える昇給はその場限り。ボーナスなど。毎日毎日「高いところ」を目指して全力でジャンプを繰り返しているようなもの。
     「価値」は土台づくり。高台からかるく手を伸ばせば、「高いところ」に手が届く

    ・「ゼロからがんばって稼ぐ」のではなく、「労働力の価値を使って稼ぐ」ことを意識すると、「労力(必要経費)を変えずに、年収(満足感)を上げる」という言葉の意味がわかる。まず「積み上げ」によって土台を作り、その土台の上でジャンプする。

    ・労働力を消費せずに投資する。長期的な資産を作る仕事を選ぶ。(変化の遅い業界)

  • 最近読んだ本、中でも新書類では人に薦めたくなるほど中身の構成がしっかりした本になっている。

    今を生きる私たちは、目の前の一挙手一頭足を評価こそすれ、10年先の功績というものをなかなか素直に受け入れられない。下積みの苦労を重ね、努力を蓄えた結果、それでも日の目が当たる人は数では多くないはずである。そうであっても、人は目の前の現実を、そして果てしない未来を生きていかなければならない。

    そういう状況下において、本書は資本主義の仕組みを教え、働き方の在り方とは?ということを教えてくれる。そこには、個人の論理ももちろんあろうが、その前提に企業の論理が根付いている。そしてそれは、いい悪いという二元論ではなく、あくまで個々人が今のシステムに乗るかどうかを指し示してるにすぎない。変化する時代にあって、働き方が多様化する中では、あくまでそれは選択肢の一つでしかないのである。

    人の生き方に、正解などというものはありえない。人は自分にあった生き方を選びながら、それに付随する両面を考慮にいれ、日々模索し変化し続けていくだけなのである。

  • 資本主義に感じてたもやもやが晴れたような気が。新しい考え方で面白かった。
    結論もぶっとんでなく、地道な積み上げという現実的なものになってる。しかも成長の遅い業界がよい、というのがユニーク。
    資本主義経済では、給与は必要経費方式、次に需要と供給で決まっているとのこと。
    いくら効率を上げても一向に楽にならないのは労働の価値が下がるから。
    物や労働が売れるためには使用価値と価値の両方が伴わないといけない、というのも、改めて気づかされた感。

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著者プロフィール

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに異常な執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書には、『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)、『カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話』(サンマーク文庫)ほかがある。趣味はハワイ。


「2022年 『その働き方、あと何年できますか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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