僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385160

感想・レビュー・書評

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  • 少ない労力で成果を生み出すには、自己内利益が大切。そのために、毎日「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」と自問する。

    「ひとは、1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価する。」成果を生み出すための資産はコツコツ積み上げる。短時間で身につくものは賞味期限も短い。長いスパンで物事を考えるようにする。

  • 資本論をベースとした経済学的観点から、今の資本主義社会でどうすればより幸福な働き方ができるかについて述べられており色々と考えさせられる内容でした。

    僕自身も目先の事しか考えていない生活をしており、給料はいいけれど毎日不満ばかりな原因が少しわかりました。
    金を稼ぐために夜勤や長時間労働で体を酷使しており、この先もこれを続けると思うと吐き気がしてきます。

    今まで投資という観点で仕事をするって発想がなかったので、目先の利益よりも長期的な利益で考えるよう思考を変えていこうと決意しました。

    転職を考えてる方や毎日の仕事で不満を持ってる方など、ある程度社会人経験がある人には有意義な本だと感じました。

  • 精神的に苦しくない職場を探すのは大事!
    自己内利益を考えることが大切!
    自分の価値を作る土台をコツコツ積み重ねなければいけない!
    長い視点で物事を見なければならない!

  • 改めて自分の無知さを痛感。
    『資本主義』の本質を分かりやすく書かれてました。
    『働き方』について改めて考えさせられる。
    後読して世界の見方が変わった。良い本に巡り合えた。

  • マルクス『資本論』、ロバート・キヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん』の視点から働き方を問い直した本。個人の給料はどのように決まっているのか。資本主義経済の世界では、給料は明日も同じ仕事をするために必要な費用と定義付けできる。新卒の給料がどの企業も20万円程度なのは、明日も同じ仕事をするために必要な食事代、住宅費、娯楽代などを足していくと20万円が妥当であると社会が決めたからだ。年をとるにつれて生活費は上がる。すると、給料は上がったのに生活は豊かにならないジレンマに陥ることがある。しんどい働き方から抜け出すためにはどうしたらよいのかヒントを与えてくれる一冊。

  • この本は凄い衝撃を受けました。小田原出張へ行く新幹線の中で品川から読み始めたのですが、ふと気づいたら小田原のホームだったという程、この本に惹きこまれました。

    というのも私が心のどこかで密かに思っていたことが、活字となって明確に書かれていたからです。それは大学で得た知識を仕事に長い間活かすことがしたいのであれば、技術進歩の遅い(言い換えると、成熟した)分野で働く方が良い、技術が進歩している業界は「恰好良い」かもしれないが、次々と参加してくる若手と際限のない戦いを挑み続けなければならない、という内容でした。

    資本主義社会で暮らすうえで、給料はどのように決まるのかを理解した上で「どんな生き方をすべきか」について、本書の著者である小暮氏はこの本のなかで指針を示してくれています。彼が最も影響を受けたのは、カールマルクスの「資本論」と、ロバートキヨサキの「金持ち父さんシリーズ」だそうです。

    金持ち父さんだけを読んだだけでは、自分には腑に落ちませんでしたが、この本を読んで、自分は残された社会人生活をどのように過ごすべきか、改めて考える良い機会を与えてくれた運命的な本でした。

    この本では、資産を築くために「10年継続することの重要性」を説いています。私の場合、早起きだけは続きました。年間読書500冊もあと一息で10年になるので、頑張りたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・カールマルクスは「革命」、ロバートキヨサキハは「投資」を解決策としたが、「資本主義経済のなかでは労働者は豊かになれない」という前提は共通していた(p12)

    ・日本企業が採用している成果主義は、「必要経費方式の一環」として採用されている(p26)

    ・価値の大きさには、その製品が有益かどうか、自分にとって嬉しいかは無関係、空気には価値がない、それは人の手がかかっていないから(p52)

    ・社会一般的に必要な労力(労働量)が、その商品の価値と見做される、なのでわざと効率を悪くしても、商品の価値は高くならない(p56)

    ・商品の値段は、価値(その商品にかかっている労力)により決まっていて、そこから「需要と供給の関係」によって値段が上がったり下がったりする(p63)

    ・労働力の価値は、明日も同じ仕事をするために必要なモノの価値の合計(p70)

    ・途上国の人件費が先進国に比べて安いのは、「途上国の物価が安いので、労働者は安く生活できる、労働力の価値が低い」(p75)

    ・介護士と医者において、介護士の仕事は重労働で、社会的意義も高いが、介護士になるための準備は医者になる準備と比べて少ないので、これが給料の差になる(p80)

    ・給料は、成果を出しているかで決まるのではなく、「オジサンたち」の生活費が高く、明日も同じ仕事をするために必要な費用が高いから給料が高いだけ、家族手当があるのも同じ理由(p82、84)

    ・自分の生活には余裕がないと感じているのは、給料が必要経費分だから、だから個人的にかかる必要経費が社会一般よりも少なければ儲かる(p86、90)

    ・原材料が加工されて形が変わっても、価値が増えるわけではない、そこに労働者が手を加えるから価値があがる、高い材料だからたくさん稼げるわけではない(p118)

    ・企業は労働者を一日働かせる権利を買っているので、何時間働かせても「いい」(p122)

    ・使用価値があるから買ってしまう、しかし「価値」がないから納得感がない、これが「ぼったくり」の構造(p160)

    ・多くの人が、自分の給料を上げるために、「成果をだそう(使用価値を上げる)」としますが、資本主義経済の中では、「価値」を上げることを先に考えるべき、使用価値を高めるのはその後(p167)

    ・残業は、プラスアルファの分働いて、消耗した体力を再生産するために必要な経費である(p172)

    ・個人の場合、自己内利益を増やすには、「満足感(売上)を増やす」か、「必要経費(費用)を減らす」しかない(p211)

    ・労働力の再生産コストが高くなるように知識やスキルを身につけると「労働力の価値」は高まる、そのためにはより長い習得時間が必要になる(p232,236)

    ・労働力の価値を積み上げるには、「自分の労働力を消費せずに投資する」という考え方が必要(p237)

    ・労働力の価値を上げたいのであれば、知識・技術・ノウハウなどの移り変わりが少なく、「積み上げ」をしやすい仕事を選ぶべき、変化が早い、新しい・華やかな仕事は賞味期限が短い(p255,257)

    ・1年間死ぬ気で頑張って、向こう10年間、毎年100万円の収入を生み出す資産と作り上げた、というのと、1年間死ぬ気で頑張って、1000万円稼いだという選択肢では、前者を選ぶべき。こればBS思考(p282)

    ・他の人が身につけようと思ってもなかなか身につかない資産を作る、その資産を使って100の仕事のうち80をこなす、そうすれば20の労力で100の仕事ができる、これが理想的な働き方(p288)

    ・10年継続することは凄い、それは一部の人だから、「したい人、10000人、始める人、100人、続ける人、一人」続ける人は少ない(p291)

    ・10年でできることを過小評価せずに、地道に労働力の価値を積み上げていけば、大きな資産を築ける(p293)

    ・自己内利益を考える、自分の労働力の価値を積み上げる(資産という土台をつくる)、精神的な苦痛が小さい仕事を選ぶ、の三点が強調したいポイント(p298)

    2013年10月6日作成

  • 一昔前に比べてどの分野でも生産性は上がってる。仕事のスピードも上がってる。でも人は変わらず長く働いてるし、特段幸せになってる感じもし無い。

    給料というものがそもそもどうやって決まってるか等を解説しつつ、そのからくりがわかりやすく書かれてます

    賛成しかねるとこもあるけど、一読の価値あり!

    >えいいちろうさん
    仰ってた様に前半の、どうやって給料が決まるかみたいな話が斬新で面白かったです。どうして生産性は上がってるのに勤務時間が減らないのかみたいなのが分かって興味深かったですー
    ただ、結局筆者の提示するソリューションがありがちなものだったのが拍子抜けした感はありますね。まぁそれが本質なのかもしれないですけど..
    将来に投資せよ、みたいな話もありがちですよね。まぁそれって僕らが金銭的に恵まれ(客観的には)社会的に良い地位にいるから言えるのかもしれないですが。
    あと変化の早い産業に行くべきでないみたいなのは僕は完全に賛同しかねますね笑 でもそれも僕が社畜戦士路線にまっしぐらに向かってるからかもですがw

    うーん、幸せな生活ってなんなんでしょうね〜
    働き始める前に考える良いきっかけになりました、あざます!

  • マルクスや資本主義経済の書籍を読んだことはある。この本は、そういったことを現代に置き換えて、上手にアプローチしている。僕のような40歳くらいの人間は、もう、ここに書かれていることを実体験でわかっているが、新人は、わかっていないだろう。30歳になる前に読むべき本。

  • キャリアを考えるならぜひ読んおきたい1冊。特に若いうちに。

    目指すは、自己内利益を長期的に築き上げることを意識して働くこと。

    経済的なリターンだけで働く人は減っていると思うが、
    それでも長期的に自分の土台になる働き方まで意識できているか。

    労働力は「消費」するものではなく「投資」するものである。
    という一文が今の自分にグッときました。

    精神的にストレスはない仕事で、楽だったとしても
    それは「消費」であり、「投資」にはなっていないこともある。

    長期的には自己内利益がマイナスになる。
    そんなことが気づけました。

  • 労働力を「商品」としてとらえ、その「商品」に対する対価として「お給料」を設定すると言う、非常に分かりやすく経済学と、働くことについて書かれていた本。
    周りを見ても、ラットレースを長年続けてヘトヘトに疲れきっている人を見かけるし、その様な人を見ていると(理由はなんだか分からないけれど)何となく”あれは嫌だな"」と無意識の中で不快感を覚えていたのも事実。
    それが、具体的に「自分自身の中の内部資産を増やしたいと感じていた」のだと気がつけた事は、非常にスッキリした部分だった。
    内部資産を増やす事は、本書にも書かれている通り一朝一夕では解決する問題では無い。また、「これは内部資産になる」と思った事柄も、時代の流れの中で、変化をすることもあるだろう。
    そこを冷静に分析をする眼を持つことも、合わせて重要な事だと感じた。

    良書だと思う。思うが…他者へおススメをするのは非常に難しい本だとも感じる。少なくとも「サービス残業をし続けることで、頑張っている私を感じているのが好き」なMタイプの方は(本人には満足感を感じている部分もあると思うので)おススメは出来ない。
    でも、少しでも「未来」を考えている方には是非手に取って頂きたい一冊。
    そして、自分自身にも
    『資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか』と問い続けていきたいと思う。

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著者プロフィール

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに異常な執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書には、『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)、『カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話』(サンマーク文庫)ほかがある。趣味はハワイ。


「2022年 『その働き方、あと何年できますか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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