他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498273

感想・レビュー・書評

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  • わかったようなわからないような本。
    定義と具体例がごっちゃに提示されている気がして、分かり易さのワナに陥っているような感じ。
    ところどころ、鋭い指摘はあるものの、どこか若者批判の前提にたって話が進められてしまうため、一方的な印象をうけてしまう。
    こんなことを書くと、他人を見下していると言われてしまいそうだが。

    他の本からの引用が多いのも、なかなか奥歯にモノが挟まった言い回しのようにみえる。また、同じ趣旨の繰り返しも多い。それだけ大切なテーマなのでしょう。

    ただ、身につまされるところもある。

  • 第1章 感情が変わった
    第2章 やる気が低下する若者たち
    第3章 他者を軽視する人々
    第4章 自己肯定感を求めて
    第5章 人々の心に潜む仮想的有能感
    第6章 自分に満足できない人・できる人
    第7章 日本人の心はどうなるか

    という構成。

    第1章では子どもの様子から感情の変化について述べている。
    怒りを感じ表出しやすくなった。悲しみにくれ、喜びにくい、感情を表出しにくくなったなどの変化を様々な文化的側面(歌、映画など)からも考察する。

    第2章では、やる気がもてず、自信をもてない若者が増えていることに警鐘を鳴らしている。
    また、若者が集団を好まない傾向にもあると指摘する。

    第3章では、親が過度に教師に主張したり、傍若無人な若者が増えていると述べている。自分のことだけに感心をもち、他者を軽く見る人がいるからこそ社会的迷惑行為が増えるという。

    第4章では、自分自身への感心の集中と肯定的感覚、さらにその考えを維持したいという欲求から、自己愛的性格が浸透していると指摘している。

    第5章では、他者軽視と仮想的有能感のメカニズムを解き明かしている。本人の意識されないところで仮想的有能感が形成されると、他者軽視という態度や行動が表面化する。

    第6章では、仮想的有能感と自己愛的有能感は別とした上で、有能感を4つのタイプ、年代別
    に分けて考察する。

    第7章では、仮想的有能感が今後進むとして、それを断ち切る方法として、しつけの回復、自尊感情の強化、人との触れ合いを提言している。

  •  もう少し軽く読める内容の本かと思いましたが、意外と重かったです(笑)。だって、帯には漫画も書いてあるし、「自分以外はバカの時代」というコピーも誘ってます。内容はうなずきながら読めるものですが、論文を読む覚悟で挑戦しないと挫折するかも。

  • 自分の立場を高めるために、周りを低くするという説明になるほどなぁと感心した。自分を高めるためには努力が必要でも、他人を低めるのはただ見下すだけでいいんだもんなぁ。それで良く分からない自信にあふれた、他人を見下す若者が出来上がるのか。
    とか言って、ニュースを見て「この政治家バカじゃないの?」とか言ってる自分ももしかして他から見たら他人を低く見ている若者の一人なのかもしれない。俺より頭いい大学出てる政治家さんは沢山いるのにね。

    中盤から後半(4つの区分に分けるあたり)が、前半に比べ話がちょっと難しくなり流し読みな感じになってしまったが、まず興味深く読むことができた。
    今後、年下に見下されているようでなんとも悔しい思いに駆られた時にでも、再び読み返したいと思う。

  • 仮想的有能感

    なぜ仮想的有能感が生まれるのか?今の時代特有の感情なのか?について、自分なりに考えを持ちたいと思った。

    全体として理系の私には、根拠が曖昧なように感じられてしまった。

  • 本書は仮想的有能感という視点から、他者をバカにして自分を守る若者について論じている。今の職場は自分より若い子が多くて、確かにそういう若い人らどんどん増えていると感じずにはいられないし、大学時代は自分も音楽やサブカルにはまって、平凡な没個性といったものを見下していたところはあった。承認欲求という点も含めて、興味深い分野だ。

  • 統計資料に基づいて論が展開されているが、解釈の仕方には疑問が生じることが多い。
    そして、若者の批判はするものの解決策を提示することはない。ただ「最近の若者は~」という思想だけで書かれたものである。
    著者は名古屋大学の教育学部の教授らしいが、このような人が教員養成に携わるのには一抹の不安を覚えた。

  • 他人より自分の方が能力が高いと感じる人の心理を解説した本として読んだ。日本人の個人主義は自分を大切にするが、他社の存在•思想を大切にしないことに未熟さがあると思う。加えて、現在の日本はモノもサービスも豊かになっていて、ちょっとした不自由に不満を感じる人が多くなってしまっていると感じた。他人を尊敬すること、モノやサービスにありがたさを感じることを再確認しなきゃ

  • 自分を見つめなおすには、良かったと思います。他人だって、自分と同じ人間(色々考えてるし、痛みもある)と言う事を再認識できました。

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著者プロフィール

中部大学特任教授

「2019年 『内発的動機づけと自律的動機づけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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