夏のレプリカ (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820005

感想・レビュー・書評

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  • S&Mシリーズ第7弾。
    奇妙な誘拐事件と殺人事件、そして失踪事件の話。

    久しぶりに再読。
    初回読了時はものの見事に騙された。
    第6弾「幻惑の死と使途」と併せて読むとさらに楽しめるかも。

  • 犀川シリーズとの出逢い。

    犀川&萌絵の出番が少ないのでファンには不評の様子。
    私はこれが一番好き。

    終盤の
    「もう少し若かったら貴女にプロポーズしてましたよ」
    「そう、それはとても素敵ね」(手元にないので適当です)
    と云う、杜萌と西畑刑事のやりとりが好き。

    【私は嘘は言っていない ただ言わなかっただけ
     貴女が問わなかったから 私は語らなかったのよ】

  • S&Mシリーズで最初に読んだ本。題名が統一されてないから、最初シリーズだって分からずにえらく中途半端なところから読んだのだった。しかもこれある意味で「幻惑の死と使途」とワンセットだから、余計に「???」ってなった記憶。

    ところで森先生の小説には、魅力的な男性がよく出てきますね。
    中性的と一言で括るにはもったいないくらいの。
    無論筆頭は犀川先生です。
    ごち。

  • 2012.02 (大学院2年) 韓国旅行のお供に

    久しぶりの読書やった。
    森先生の作品はスカイ・クロラしか知らなくて。
    とても読んでみたかった。


    盲目容姿端麗の詩人
    インテリ理系女子大生
    機械のような大学教授
    政治家一家の世間体
    警察の性

    想像を膨らます人物設定。
    私が通う大学院の先生だからか、名古屋の地名が沢山出てきて親近感。
    後味はあまりよくない結末。
    人の脆さや強さが混在していた。


    「何かを嫌いになることは、軟弱な自分には都合が良い。嫌いだと主張することは簡単で、気持ちが良い。
    嫌いだと思い込むことで、自分を確保できる、そんな幻想があった。今の彼女には、既に好きなものも、嫌いなものもない。好きも、嫌いも、一瞬の幻に過ぎない。ものごとの本質とは何の関係もない。」

  • Replaceable Summer
    S&Mシリーズ第7作目
    前作「幻惑の死と使途」と同じ時期におきた事件。
    始めにちょこっと登場した萌絵ちゃんの友だちが遭遇した殺人事件のお話。

    ずっと友だち視点で進むので(だから偶数章しかないのかな)
    ぐるんぐるんしながら最後に突入する。

    もう少し友だちと萌絵ちゃんが絡んでいるところが見たかったな。
    そこが残念。

  • 再読なのですが、こんなラストだったんだー。
    忘れて、夢中になってしまった。
    楽しかったです。
    犀川助教授と萌絵の会話が好きだー。

  • 幻惑の死と使途に対する偶数章。
    同シリーズの今までのより少し犯人がわかりやすかった。
    もちろん推理はできなかったけれど漠然とした予測で。
    それにしてもチェス盤なしでチェスをするとか、やっぱり天才達はぶっ飛んでる(笑)
    「たとえば子供に夢を与えるといいながら、本当に夢を見る者を徹底的に排除する社会。集団はいったい何を恐れているのだろう。」

  • 初めて読んだのは中三だったかな?
    日常にふと思い出してまた読みたくなるので姉の本を強奪して今も手元にあります。
    終盤のチェスシーンからの描写は癖になります。

    白い。
    黒い。
    白い。

    ただそれだけのモノトーンな行間に、どうしたらこんなに鮮やかな心が表現できるのだろう?
    そして最後はまた日常へともどっていく二人。

    おすすめなのでぜひ手に取ってみてください。

  • チェス盤なしでチェスをするお話し(違)

    前回の事件中に起こった萌絵のお友達の
    誘拐事件のお話しです。

    こっちの方には中々萌絵も犀川先生も出て来ないケド
    結構面白かったです。

    切ない終わり方。
    でもちょっと読めた部分があったカナ・・・

    あと最後の最後の終わり方はちょっと不服カナ・・・

  • 思考を読み取る
    変化したと感じ取る
    なにも変わらないし、大きく違ってくる

    大きな起伏は無く、たんたんとすすむ
    薄暗いランプの灯りのなかに存在する
    スポットライトのあたる事象がある、その片隅でひっそりと息をする
    そんな物語
    このシリーズにして久々に派手な演出がなされなかった
    でもこの世界観は好き

    嗜好は様々なものにあらわれる
    こうして読んでいる小説だってそのひとつ
    チェスは粋だなとおもう
    それは二人が本気で対峙しているから
    だからお互いに言葉ではない何かを感じ取っているんだろう

    あの子はわたしに嘘はつかない
    と言い切る西之園嬢に強さと弱さを感じる
    信じる強さと言葉にしないといられない弱さ
    やっぱり西之園嬢が人間っぽくなってる

    読後しばらく動けない感じに。
    たくさんの言葉や想いが浮かんできては周りに舞っていた
    いろんなものをかみしめてた

    うん、いい小説に出会いました

    【印象にのこった場面】
    ちぐはぐね。それは、境界条件が正確じゃないから、そう見えるんだね

    私のお節介はね、いうなれば、媒介なんです。

    人の印象派、アナログで少しずつ変化するものではない。一度、作り上げられたイメージは、一定の期間必ず持続される。たくさんの細かい印象に影響されて、そのイメージが劇的に変貌するときが来るまで、強固に保持されるものだ。可愛さ余って憎さ百倍、などといったフレーズがあるように、正反対のイメージに急転することもしばしばだろう。
    人の名前に刻まれたものは、簡単に消えない。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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