- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061822061
感想・レビュー・書評
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『よしよし。俺はちゃんと俺の知っている世界に含まれたままだな。』
『私の心は擦り減って擦り切れてもうなくなりそうです。私は私の心があるうちに私の体を処分してしまおうと思います。』
『物語というものはそういうものなのだ。誰かの熱意が空にいる誰かに通じたりしてもいいのだ。それが嘘であってもいいのだ。何故なら、誰かの懸命さは必ず他の誰かに見られているものだということは、物語が伝えるべき正しい真実だからだ。』
『君の周りに、君を取り囲むようにして地面に小さな円を描いたとき、その円は果たして本当に、君を内側に閉じ込めているのかい? それともその円は実際のところ、その外側に世界を閉じ込めているんじゃないかな? そもそも球体の表面に存在する円に、内側も外側もあるのかな?』
『お腹痛すぎ。痛いって言うか、ヤバイ。リスくらいの大きさの変な獰猛なちくちくした肌の生き物を七匹くらいお腹の中に飲み込んじゃったような感じ。』
『それからユリオは唇を俺の胸にぎゅうっと押し付ける。俺の胸に顔をうずめて唇を尖らして、俺の心臓に直接キスをするように。』
『阿呆か。今や俺はパーフェクトラブをアテナに与えるパーフェクトボーイフレンドやぞ。悪事もへったくれも、最近俺は人の役にしか立ってねえっつの』
『あんたほんま社会不適合者もええとこやなー世間体とか道徳とか常識とか、あんた何のことか判らんやろ。漢字で書けるか? 漢字で』
『もうきっと会わないけど、元気でやっててね。好きやで、三郎。ずっと好きかも知れんけど、許してね。バイバイ三郎、バイバイ…』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
闇の深淵へ子供を連れていこう。そして殺戮へ続く・・・。死ね。
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前作と変わって語り手は四郎から三郎へ。文章のドライブ感は健在。
ただこの物語、一部または全部は、前作の事件に影響を受けた三郎の創作だと思う。
「本当のことは嘘でしか語れないこともある」。ゼロ円のくだりは笑った。
MVP:なし -
舞城作品3作目に読みました。
登場人物の皆が歪んでます。
小説の事なので当然なんですけど、
ちょっとずつ抑えが効かなくなった人がたくさんたくさん。
『煙か土か食い物』の続編なのですが、
前作のようなパーフェクト感もカタルシスも得られません。
止まらない感じも、中盤から。
だけど、謎が上に重なる重なる重なる。
真相は!?
結局どうなったの!?
と、物凄く気にさせる作品です。
過去と現在。
肉体と精神。
記憶。未来。推測。絶望。かすかな希望。かすかだけど大きい?
う〜ん、難しい!!
脳内に残る力はさすが舞城作品だな、と思います。 -
おそらく賛否はわかれるし『煙か〜』よりずっと破綻しているしサリンジャーかといえばサリンジャーでもあるし(いやシーモア家)でもつまりそれが三郎なのよねと理解している。四郎があんまり格好よくて惚れるし、悩んで生きるわたしはつまり三郎なのだな、と。四郎よりずっとウェットでセンチメンタルでやさしすぎて自分に甘すぎる小説家と云う生き物であるところの三郎に同情と憐憫と憎しみを堪えきれない。幼い恋の結末が非常に胸をえぐりました。読めてよかったとおもっている。
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慣れてきた!!
独特すぎるが。 -
「土か‥」の続編。
なんだけどあんまし面白くなかった。 -
好きです、中盤以降で村上春樹っぽいところをすごく感じた(文章の書き方だけなんだけど)のは当時よく読んでいたとかなのだろうか。この本を読んでいると自分の形のない愛情みたいなものの手触りをあたたかく確認しているような気持ちになる。三郎さんの話。
ちなみに、暴力的な文章を読むことに対して何か人にって影響ないのだろうかってずっと不思議に思いながら読んでいて、ないならないでいいことなんだけど、ないの?ゲーム脳へ指摘されるような自分の感情の代替ということはないし、やっぱり暴力は暴力だし、ああ~いたそう~って恐る恐る読むところと、なんとなくうっとりしてしまうところと、自分の気持ちまで傷つくところと全部ある。で、感想としては「どっちかというと好き」なので、ときにそういう暴力衝動が自分の中にあるとは認める。ただ別に誰かに暴力をふるいたいわけでもなし、振るわれたいわけでもなし、怖いところには巻き込まれたくない。 -
なるほど、これは文庫落ちしないわ。
前作以上に圧倒的にハチャメチャでムチャクチャで暴力的でスピードがあって攻撃的。
でも、こんな愛の形もありでしょう。
万人向けではありませんが、前作が好きな人は、あるいは最近の舞城が好きな人は、乱暴な舞城王太郎も読んでみるべき。