クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061822337

感想・レビュー・書評

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  • 生活の卑小感や肉に迫ってくるような現実感覚の一切を削ぎ落としたような、虚構の為の虚構の世界。それは、自己意識が繰り出す無際限の反語化によって、現実が足元からすり抜けてしまうような、或いは足元が現実からすり抜けてしまうような、そんな主人公"戯言遣い"少年の自我の様態と並行関係ではないか、と云う気がしてならない。

    これは作者自身の自我の様態を投影した姿か。或いは、作者が現代という時代を生きる読者自身の姿を見せつけるべく突きつけた鏡であるか。ここにも不可避的に"戯言"が挿し込まれずにはいないことを、この作者は当然自覚しているのだろう。

    本編のような安易な終わりは、自己意識の反語的機制からすれば自己欺瞞であるに違いない。しかしそれを非難する権利が、果して当の本人ではない他者に在るだろうか。

  • 手が進まなくて三分の二で読むのやめた。

  • 一番最初に読んだのはおそらく、高校生の頃。
    もう既に何度読み返したか知れないけれど、社会人になって改めて読み返してみた。
    以前ほどの感動はないけれど、やっぱりテンポとか会話とかすごくいいなぁ。
    このシリーズで一番好きなのは実はサイコロジカルだけども。
    また順々に読み返していこーと。

  • 名は体を表す

  • 初西尾維新作品。ミステリのようで、キャラ小説のようで
    いまいち分からないまま読み進めるといつの間にかはまって、
    油断したラストでさらにやられた。作家買いをする数少ない
    シリーズもの。舞織派

  • 「所詮、こんなの戯言だ。」

    (信じてるから)

    2012.2.23
    2020.7.11 再読

  • 西尾維新の記念すべきデビュー作。

    この頃はまだミステリしてたなあ……。


    言葉遊びは秀逸なれど、
    肝心のストーリーとミステリ部分は未熟すぎる。

    投げ出したく衝動と戦い、読み終え、次巻を読みましょう。
    次巻は最高傑作ですから。

  • 西尾維新のデビュー作
    著者の初初しさもかすかに残るが、20歳とはおもえない言葉遊び
    まぁ、戯言なんだけどね
    第23回メフィスト賞受賞作

  • ―『そいつのことが好きなんですよ』―

    今回は「いかにも」という感じのシチュエーションでした
    絶海の孤島での密室連続殺人事件
    しかも被害者は全員首を切られているときたもんだ
    警察は呼ばない、と鴉の濡れ場島当主・赤神イリア
    アリバイが交錯するメイド長・班田玲
    違うからこそ徹底的な相似性を持つ嘘つきな三つ子メイド・千賀あかり、ひかり、てる子
    記憶と認識は同義よ、と天才画家・伊吹かなみ
    その介添人・逆木深夜
    みんな狂ってる!、と天才料理人・佐代野弥生
    死ぬるべき時節には死ぬがよく候、と天才学者・七愚人の園山赤音
    きみと違って要領がいいんだよ、と天才占術師・姫菜真姫
    無事だったんだね、いーちゃん。と天才技術屋・玖渚友
    その付添人・戯言遣いのぼく
    今回一際輝いてたのはやっぱり人類最強・哀川潤だと思うなー
    終わりを完膚なきまでに終わらせる赤色、かあ
    クビキリにしろクビシメにしろサイコロにしろいつもそうだったけど、でもやっぱり流石は一巻
    一際きれがいいように見えた…!
    今作ではいーちゃんがとにかく「天才」を多用します
    でも西尾氏は後書きで

    「あの人は天才だから、つまり私達とは全然違う優良種なのですから、私達にはできないことができても当たり前なんですよ」みたいな、ある種みっともねえ釈明に聞こえなくもないです。とにかく安易に「天才」という言葉には頼らない方がいいと思います。
    と言っています。

    作中でも真姫さんが

    「超能力者差別だよ」

    と言ったり
    赤音さんが

    「試験を受けるときは満点ではなく平均点を基準にする連中。マラソンでは《一緒に走ろうね》などと吐かす。ペケをつけない試験採点。……平等主義なんだよ、よくも悪くも。そりゃあ円周率も三になるさ。七愚人の他の六人も大抵そんな気分を感じた経験があるらしい。0.14の悲劇だね。徹底的な平等主義であるがゆえに、そこにさえ入れなかったものは格段の疎外感を味わうことになる。天才は異端から生まれる。……ただし、異端が全て天才だとは限らないがね」

    と言ったり。
    とにかく世間で「天才」と名の付く人達が思い思いの持論を展開していくシーンが多々あります。
    いーちゃんは「天才」を「遠い人」と定義した
    そしていーちゃんにとっての「遠い人」、自分がああなりたいと思う人
    それが玖渚友
    でも、いーちゃんが持っていないものを全て持っているのにも関わらず満足しているように見えないあおちゃんを見てどこか安心している自分自身
    その矛盾に立ち向かう物語。

    このクビキリサイクルは応募された当初のタイトルは「並んで歩く」だったそうですね(*´∇`*)
    作中でもいーちゃんは「あいつの隣にいるのが楽しいんですよ」って言ってるし、物語のラストは「玖渚の隣りに行こうと、ぼくが思った」っていう結び。
    しかもこの、ぼく「が」って言うのがまた「別に潤さんに言われたからとかじゃないですから」的な抗いも見えるし、真姫さんに散々つっかかられた末のちょっとした意地みたいな主体性が見え隠れしてて好きだなあ
    いーちゃんもさ、そこで割りきっちゃえば良いのにさ
    感情の絶対量って言うかキャパが人に比べて無いからぐらぐらしちゃうんだろうか。
    結構短気なとこあるし←←
    もっとちゃんと地に足を着けろ19歳!

  • 西尾維新氏の著。

    ジョジョのDIO小説を書いた方ということで興味を持ち、著作を読んでみた。
    ジャンプの『めだかボックス』の原作者でもあるようだ。

    まず登場する人物たちの個性的なキャラクターがよかった。

    使われている言葉たちにも深くもあり軽くもあるなんともいえない感覚を感じさせられた。

    事件自体の大元のトリックはタイトルからも察せられたので犯人のあたりをつけることはできたが、
    その後に続く小どんでん返しに続くさらなる大どんでん返しにとても驚かされて楽しくなった。

    次作も読んでみようと思う。
    また「物語シリーズ」も。

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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