作品紹介・あらすじ
十八年前に暗黒館で起こった殺人と不可思議な人間消失の謎を追ううち、遂に玄児の口から語られる"ダリアの宴"の真実、そして恐るべき浦登家の秘密…。いつ果てるとも知れぬ嵐の中、犯人の狂気はさらなる犠牲者を求め、物語は哀しくも凄絶な破局へと突き進む!構想から完成まで、八年の歳月を費した比類なき巨大建築。ミステリ作家・綾辻行人の全てがここに結実。
感想・レビュー・書評
絞り込み
-
館シリーズ⑦ その2
わぁーーーー、読み終わったーーー!!!!
2022年最後に大作を読み終わった!!!!
結論として、館シリーズは最初から読むべしー笑
上巻で私は中也くんのいる世界の「江南くん」は
私たちの知ってる江南くんとは違うのでは!?
と予想してましたが、当たってたー(o・ω・o)
(江南くんのおじいちゃんじゃなかったけどー笑)
でも、いろいろなことが複雑に絡んでて
下巻は驚くことがたくさんだったよー!!
ネタバレしまくってるので、読みたくない人は
読まないでねー!!
玄児は諸居忠教だったとか、
「江南くん」が諸居忠教で本物の玄児だったとか…。
中也くんが、実は中村青司だったとか!?!?
(↑これが一番驚いたーーー!?)
こんだけ長い話が江南くんの夢オチかい!?
と突っ込みたくなるけど、でも、やっぱり
面白かった!!
夢オチでもなんでもいい!!!!
館シリーズの今までの人たちが出てくるから、
なんか集大成って思えるけど、
まだまだ続くんだよねー。
いやーー、読みごたえありまくりでした!!
-
-
長かったし手が痛くなった…。その分読み終わったという達成感がひとしおだった。
ミステリーなのかホラーなのか?『視点』の捉え方をどうすればいいのか…等あるものの、切り口が色々あるのも館シリーズの魅力!
-
下巻は639ページ
最後に鹿谷門実が作った中村青司の年譜がある
今回は推理小説でなくホラーだった
内容は今と昔の事件の謎解き
上巻から気味が悪かったが、魔女や一昔よくあった出生の秘密など嫌悪感を感じ、読むのをやめようかと思った
しかしまぁ読了はできた
「自殺では死ねない」
「意識不明で生き返らないし死ねない」
そんな状態を作り出し、結果、殺人に繋がるという流れはさすがである
たくさん登場人物はそれぞれ役割があり、膨大な内容を考察しながら読者に納得させ、終盤へとまとめあげていた
他の館シリーズとの繋がりをもたせ、この辺りは楽しかった
一方で壮大な話だけにスピード感はなく、ゆっくり進んだ
江南孝明は今回中心人物ではなく、ある人の内部に潜り込んで、視点や思考を共有して不可解さを醸し出していた存在で、「江南」の名前を利用し、読者を紛らわす存在として過去の絡みもあった
しかし重要さをそんなに感じなかった、残念
好印象の感想が多いから、良し悪しは個人差があるのだろうと解釈した
綾辻氏の作品は、十角館と時計館がベストだった
-
※2008/10/13 ブログより転載
予め言っておきます
1.今までに「館」シリーズを読んでいない方は、遠慮した方が賢明。
出来れば6作読破してから挑戦した方がよろしい。
2.本格推理を期待している方は読まない方がよろしい。
これは探偵小説ではありません。ホラーに近い感覚で読むが吉。
ようやく読了しました。
長い間下巻が行方不明だったもので、足掛け2年掛かって本日メデタク解決。
その後読んで直ぐ、ネットで書評を確認しました。
それは・・・自分が感じた事が、人と違っているのか否かを知りたかったからに他なりません。結論としては賛否両論・・・と言った方が良いのだろうか!?
*以下悪意がある訳ではないのでご容赦を。更にネタバレとして捕らえられても仕方の無い内容を含んでいます。
実の所、綾辻派の方以外の大多数が否なのではないか、との思いがどうしても拭えません。確かにこの文量と内容、そして結末のバランスから考えると、手放しで賞賛出来ません・・・綾辻先生が好きな私であっても。
何より「視点」の在り方が、読んでいく上で非常に難敵。
まぁ、そこがこの物語の肝であり、ある意味生命線なのは良くわかるんだけど、超常的というかオカルトチックに導入されるのは・・・要は神の視点ってどうなのよ!?ってことですわ。
けど、わたし的には、最大のサプライズである「館シリーズの心臓部」ともいえるアレが書かれていることで救われたし、ある意味納得して頁を閉じました。
-
…長かった……もう、何度諦めようと思ったか…
これまでスムーズにきた館シリーズがこの長編により、
一度中断され、もうこのまま暗黒館飛ばしちゃおうかとすら思ったけど、結果、読んで良かった!!
頑張って読み続けた自分グッジョブ!
個人的にミステリは後半のネタバレが好きで
「え!?そこってそういうことだったの!!??」が大きければ大きいほど好み。どんでん返しのね、やられた~感がいいんだよねー。
で、この暗黒館は見事にやってくれました。
いやこんだけ長くて引っ張るんだから、もうこちらとしてもどんでん返しでやってくれるんでしょ?とは期待しちゃってるわけですが、
ありがとう綾辻さん、流石ですよ。期待以上ですよ。
・時代が昔なのが分かって→「…ということは、中也が鹿谷?そうか!鹿谷の昔体験した話ね!」(ポンコツ推理)
・征順の結婚前は中村性が分かって→「中村青司はオマエかー!!」(いや下の名前は征順言うてるやん)
からの中也のアレですからね。リアルに「えー!!」って声出たもんね。アレもコレも読了後に気になって、ついつい上巻を読み返すよね…波賀商店のオジサン…おおぅ…久しぶり!みたいな。あと双子ちゃんにも驚かされたなぁ。あと子どもすり替えとかねー。
実は〇〇でしたが多すぎて言いきれないけど、推理力ポンコツのわたしは全てに驚かされました。
犯人見たーー!鏡で見た自分でしたーー!にはちょっと笑ったけどね。
-
上巻を読み終わるのはきつかった、もう読み進める価値はあるのかと途中で本当に挫折しそうになった。館シリーズの中でも、ダントツで細かい描写が多く、ぶっちぎりで物語の進むペースは遅い。 だけど、読み終わって、あの長い描写全てが大事だったんだと感動した。中村青司の館の形容しがたい魅力について前作でよく触れていたが、今回の作品は一番その人間離れした、常識の範疇外であるところが綺麗に描かれていて、そこが印象的だった。結局、知りたいことが全て答えられたわけでもないし、少し最後の展開に「そんなことある〜?」と思ったが、一番納得のいく終わり方で超絶に感動した。この長いレビューが読めたなら、本編も絶対読めるので、ぜひ読んで欲しいです!
-
ひぃ~やっと読み終わった…。
腕が筋肉痛になるわ! て気分です。
こんな思いで本を読むのは、京極さんのだけかと思ってた…。
下巻に来て、いろいろな事実が分かって話が進んで行ったので、上巻よりも早く読めたかも。
途中でトリックというか、オチ(?)は何となく分かったけど、鹿谷さんとか江南さんがどう絡むのかなぁ、て思ってたの、こうだったのね。
てか、一般的な推理小説を読むような気分で読むと、このオチでいいのかな、て思うけど、まぁいっか。
このページ数を読み終えたという自分に満足。
それにしても鹿谷さんの出番の少なさに笑えてくる。
私はこのシリーズ、彼が探偵役としての主人公だと思ってたんだけど、正直、シリーズが進むにつれて登場率が下がってってるよね。
最後の火事の後に生き残った浦登家の人たちは、その後どうなっちゃったんでしょうね。
火事に巻き込まれた人たちでなく、助かった人たちのその後が知りたい。
-
浦登家の秘密、殺人犯の正体、過去の事件の全貌、全てが徐々に明らかになっていく。
今回は島田潔ではなく、中也という19歳の青年が探偵役だった。最初は玄児に支えられているという印象で頼りなく感じられたが、後半は見事に事件の全貌を明らかにした。
…‥…*
ダリアの晩餐のときの食べ物がダリアの肉、ダリアの血と骨だとわかった場面で胃が気持ち悪くなったが、それを我慢してでも読み進めたいと思う程面白かった。ただ、その物を「食したまえ」と鬼気迫る恐ろしさは一生忘れられないと思う。
最後に中也が中村青司というのが明らかになったとき、ただの狂人というイメージからガラッと変わり、今回の登場人物の中の誰よりも人間らしいと感じた。
-
今まで読んだ中で、一番?!くらい読み応えあって面白かった。
面白いといっても、愉快な笑いのある面白さではなく、引き込まれて先が読みたくなって驚かされる面白さ。あまりに驚いて、思考が止まった。それが何度も。
感情的には、意味不明で小難しく、共感できずに気持ち悪い。
上巻からだけでも、かなりの長編なのに、まさか今までのシリーズが微妙に繋がっていたとは、これはシリーズを順番に一気に読めばよかったかも。
まずは、江南が江南でないことに驚いた。いや、双子の身体にも驚いた。普通?!は、あのくっついた身体に驚くはずが逆だとは。それだけでなく、時系列のズレ。言われてみればそう、村で道を聞いた時の看板の古さと新しさは違和感感じたのに。あの店主もまさか。
玄遙の子供や孫にも手を出すとこなんて、気持ち悪くて仕方ない。ただ、殺されても生き返って惑い続けるかぁ。不死でも、病気が治る訳でもないというのは、他の本でも読んだことある気がするけど、こんな人間関係複雑な読み応えある話の中の一つのキーなんて贅沢。
玄児の足は、途中気になってたのに、最後でまさか忠教かぁ。殺人の動機も共感は出来ないけど納得。江南の回想シーンで、やけに母親が出てくると思ったら母が不治の病で似たような経験だからなのね。ただ、その母を楽にさせたか、そのままか。ダリアの肉を食べていたから境遇は違うけど、肉の効果はどこまで本当なのか。征順が青司と思わせといてなのも、そこで驚いたのに、まさかの中也。いやぁ、中也には何かあるとは思ってたけど、まさかまさか。
結局は夢オチだから、嫌いな人は嫌いかも。私は面白かった。今回はそれぞれのキャラが気味が悪いながら結構好き。清や市朗、一番のお気に入りは双子ちゃん。闇はあるものの、体形に反してちょっとお茶目で天真爛漫っぽいとこ。
著者プロフィール
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。
「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」
綾辻行人の作品