密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 601
感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828049

感想・レビュー・書評

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  • まさかの「〜2.0 」が、超意外な展開を見せ、日本ミステリに
    新たに「SAW」的な要素を取り入れて作品の可能性を
    グーンと拡げたこのシリーズの第三弾。相変わらず、登場する
    人物達はWEBカメラを通じてのみですが、いつもの
    あのハンドルネームの5人です。前作であの展開をした為に
    今作は、最初からこの5人の正体については読む側の
    ハードルが高くなってしまう為、実際のところは
    今作のもとになるトリックについては、勘ぐったり、
    察しのいい方なら、予想出来てしまったかもしれないですね。

    今作ではある意味閉ざされたネット環境の中から
    飛び出して、大きく世間を巻き込んでいく事によって
    さらなるこの5人の予備軍を産み出してしまうのかも
    しれないですね。怖い、怖い。
    今作では一見、苦しく見える展開とストーリーかもしれない
    ですが、次作への布石としてのステップだとしたら
    やはり歌野晶午、恐るべしw。

    各章で起す殺人事件のトリックを解くとともに、いかにもな
    ネット住人で殺人狂である5人の正体を探るという2段構造。
    この作品だけ読んでも楽しめる様に書かれていますが
    やはりシリーズ最初からの通読をオススメします。

  • シリーズ3作目。
    いろいろ工夫は凝らしているけど、やっぱ1作目のインパクトには及ばないなぁ。。。

  • トリックに首をかしげるところは
    あるものの2.0よりスッキリしていて分かりやすい。
    でも王手飛車取りがキャラたちも一番好きだなぁ。

  • 途中で挫折。

  • 店頭で現物を目にした時から、いやな予感というか、拍子抜けの印象はあった。
    薄いのだ、本の束が。前2作に比べるとはるかに。
    本文の量に比例して、ミステリとしても薄味になっている感じ。ただ、当初予定していなかった番外編だというから、作者を責めるのは酷というものだろう。

    上に「ミステリとして」薄味だと書いた。
    本シリーズのもうひとつの顔であるヴァーチャル・リアリティ(という言葉自体がすでに死語?)小説としては、きちんと正統的進化を遂げている。日頃ネットや殺人に親しんでいない良識人士の皆様には、前作・前々作を上回る衝撃を与えることだろう。
    その意味では、本書は充分に成功作と呼びうるものだ。

    2012/1/8読了

  •  実際に密室殺人を実行して謎解き合戦を行うシリーズの第3弾。
     短編集でありながら各話に張られた伏線がラストに結実し、想定外のオチで終わるのが醍醐味であるこのシリーズ。今作は外伝的エピソードという位置付けのようでページ数も薄く、当然お題となる殺人ゲームも少ないのですが、やはりそのカタルシスを味わえました。
     けどちょっとそのラストが想定内に収まるような内容であったり、1つ1つの謎解きがイマイチだったりする。次作には期待大。

  • “「ああそうだ。やる気のない警察もそれは見逃さないだろう。じゃあ何を遠隔操作するの?」
    「核心の質問にズバリ答える前に、動画の中では誰も指摘していない矛盾点を挙げてみよう。二つあるのだが、一つはすでに、今この場で名探偵が指摘した」
    「今?名探偵?」
    「嵯峨島行生」
    「ああ……。俺が何を?」
    冷やかされているのだが、悪い気もしない。
    「薬で眠らされていた出井賢一は犯人に対して無抵抗だったはずだから、一時半の大音響は、二人が争ったことで発生したのではない」
    「ああ、それね」
    「もう一つは、畳」
    「畳?」
    「被害者は畳の上に倒れていた。フローリングに敷く一畳サイズのユニット畳の上に」
    「それが?」
    「畳の周りには本が散乱し、画面の端には倒れた本棚が写っている」
    「19番の写真だね」
    「本は畳の周りだけでなく、畳の下にもあるようだ。これは<2of9(五月十三日)>において<伴道全教授>も指摘している」
    「うん」
    「素直に納得しちゃいかんだろう、名探偵ともあろうものが」
    「二度言うと、お世辞でなく嫌味だ」”

    どんでん返しは今回も素敵。

    “「犯人の謎を解き明かしてるじゃないですか」
    <axe>はうろたえている。
    「何やら先走ってるけど、第二問が本能寺ハルカ殺しの犯人当てだと、私がいつ言った?」
    <axe>は答えない。
    「私が言ったのは、二話構成だということ。二部構成ではなく、二話構成。一つの話の別の部分について取りあげるのではなく、別の話を題材にするということ。つまり、別の殺人事件についての問題なの。おわかり?」
    <axe>は沈黙している。
    「オメー、今日は徹底的にだめな日だな」
    天敵になぐさめられる始末である。”

  • こうきたか~
    なんだかリアリティがないようで、実は本当にこんなことが
    あるのかもしれないって寒くなった。
    このシリーズが大好きな人が世界中のどこかで
    こんなこと考えてるのかもしれない・・・

    王手飛車取りから再読したくなったなぁ

  • 殺人を実際に起こしてチャットでそのトリックを解きあいっこしようぜ~

    キモい5人がそれぞれ殺人ゲームを行うシリーズ第三弾。

    やはりオチは初作に劣るが、どんでん返しとしては誰にでもお薦めできる。多分、2.0と違ってこれから入ってもいいはず。やっぱコンピュータ問題を投げかけるね。

    自演乙!

  • 密室殺人ゲームの第3弾。今回も意外な展開で非常に楽しめました。まぁトリックのクオリティが多少下がってるかなという気もしないでもないけど、もはやトリックを楽しむというより展開を楽しむ方へスイッチしているので問題なし。また1から読み直したくなる。キャラが完全に立ってるので続編期待だけど、今回でもう終わりだろうなぁ。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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