コインロッカー・ベイビーズ(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 505
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831582

感想・レビュー・書評

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  • 赤ん坊の頃、コインロッカーに捨てられていたらしい
    そんな不幸を自慢したいわけではないが
    これから始まる物語にはとっかかりが必要だってんで
    そいつをネタにメジャー歌手となる
    生まれつき歌の才能はあったので、まずまずの成功をおさめるが
    それに増長した彼は
    体育が下手で、いつも兄貴に嫉妬していた惨めな過去を
    すべて書き換えようとしてしまう
    テレビの企画で押しつけられた母親との再会
    そいつを自分の涙で美しく彩れば、なにもかも変えられるはずだった
    たとえそれが本物の母ではないにしても

  •  11月に佐世保を訪問し、いつか読み返したいと思っていたので、記憶が新鮮なうちに読んでみた。軍艦島も行けたらもっとよかったのだろうけど、なんとなく九州、長崎、佐世保、港や駅の様子を思い描きながら読めて楽しかった。

     ページに小さい字がぎっしり詰まっていて1ページ読むのに2分くらい掛かる。里親の立場で読むと、桑山夫妻がキクとハシにやさしくてよかった。お母さんの亡くなり方が悲ししぎる。キクの躍動する感じがすごくよかった。

     脇役によく喋る人物がたくさん出てくる。みんな同じ人格のように見えて、あまり描き分けができていない感じもする。

     里親小説だった。

  • ぶっトンどる。
    キクとハシのキャラクターがだんだん濃くなっていく。
    下巻が楽しみ。

  • かき回してくれる

  • コインロッカーから産まれたハシとキク。

    ここまで濃厚な世界観に浸りながら読めるなんて最高だと思う。

    二人で一つだったはずなのに、少し会わない間にキクの知らないハシになってしまっていた。

    ハシが幼い時は体に涙がいっぱい詰まっていたはずなのに、成長したハシはキクのことを可哀想なゴリラと見ていた。そんなこととは知らず、キクはハシのために銃を持って走った先で見たものは…

    本の圧倒的な力に負けそうになるが、下巻読みます!

  • キクとハシはコインロッカーで生まれた。
    里親に引き取られ孤島で生活をし始める。
    キクの高跳び、ハシの歌。
    ハシは母親を探すため上京。ハシは後を追う。
    アネモネとの出会い。

  • 綿矢りさと金原ひとみが、どちらも影響を受けた一冊として挙げているコインロッカー・ベイビーズ。
    たしかにこれは物凄い小説だ…。
    心臓が激しく鼓動し血液をそのすべてにめぐらしているようだった。

    コインロッカーに捨てられ、それでも生きていく二人の少年キクとハシ。
    乳児院での成長と、島での生活、そして上京してからの人生。
    彼らの苦悩や葛藤、途方もない衝動にぐいぐいと引きずりこまれました。
    何を思い、何を考え、何を求めて何を愛していくのかをずっと見守っていきたくなる。
    恐ろしいんだけど、キクとハシの生命の力強さが救いになっています。
    あのシーンで上巻が終わってしまって、下巻はどこに向かうのだろうか。
    雨の描写が本当に素敵だった。

  • なんとなくタイトルを聞いたことがあり、著者は村上龍、以前に「69」は読んで面白かったので読んでみた。物語は生後、間もなくコインロッカーに捨てられ生き延びた(コインロッカーを胎内として生まれた)二人の主人公「キクとハシ」と、こちらも変わり者の少女アネモネの話。この本の背表紙にも書かれているが、主人公は「キクとハシ」であり「ハシとキク」ではないという印象だった。それはキクとハシの性格の問題でもあり(キクの方が活発で主人公らしい性格?)、なんとなくキク主観の部分が多く、ハシの行動だけで心情が示されていない部分があるからだと思う。それでもやはりキクにも狂気のようなものを感じる部分もあり、ここでそう思うのか、、、という場面も多々あった。若干内容はハードだが、その分がんがん読み進められた。上巻しか読んでないが、キクが捨てられるところから始まり、乳児院、中学、高校、そして東京に出てきて、、、と文庫本一冊なのに、すごく内容が濃く感じた。またそれと同時に気付いたら登場人物へ強く感情移入していた。もちろんフィクションであるのはわかっているけど、こういう人生、世界(コインロッカーに捨てられる赤ん坊や薬漬けになったマーケット等)も実際にありそうな気がして、「69」を読んだときにも感じたその変な現実味がやはり面白かった。とにかく早く下巻を読みたい。

  • コインロッカーに捨てられたキクとハシの物語

  • 村上春樹が合わないならこっちの村上はどうだろう?という理由で読んだ。
    どっちの村上も合わないなあという結果が出たが、あれから20年以上経っているので再読して確かめてみるのもいいかもしれない。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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