三国志(5)(吉川英治歴史時代文庫 37)

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  • 講談社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965379

感想・レビュー・書評

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  • 赤壁の戦い!映画とかも見たくなった。

  • ■書名

    書名:三国志(5)(吉川英治歴史時代文庫 37)
    著者:吉川 英治

    ■概要

    新野を捨てた玄徳は千里を敗走。曹操はなおも追撃の手をゆるめな
    い。江夏にわずかに余喘を保つ玄徳軍に対し、潰滅の策をたてた。
    天下の大魚を共に釣ろう、との曹操の檄は呉に飛んだ。しかし、こ
    れは呉の降参を意味する。呉の逡巡を孔明が見逃すはずはない。一帆
    の風雲に乗じ、孔明は三寸不爛の舌をもって孫権を説き伏せる。か
    くて史上有名な会戦、赤壁の大捷に導き、曹操軍は敗走する。

    ■感想

    本巻は、三国志のメインイベントの一つである、赤壁の戦いがメイン
    の巻となっています。
    赤壁の戦いって、肉弾戦というよりは、メインは知能戦だったんですね。

    この戦い以降騙しあいがエグクなっているように思います。
    劉備、諸葛公明もこれはこれでいいのか?
    結局、ウソツキまくって、騙した方が勝者みたいな感じな気がします。
    まあ、目的は生きることと、と、勝つことですから、それを成し遂げる
    為には何をしてもいいと言えばいいのですが、こうなってくると、
    よく劉備も諸葛を信じれるな~と思うフシはあります。

    ただし、やはり有名な戦いだけあり、知能戦、肉弾戦、結末とも中々
    面白いです。
    私としては、この戦いが始まる前の、公明が孫権を説き伏せた部分が
    一番面白かったです。ああいえばこういうという公明の言論は見事
    だと思います。

    この巻の盛り上がりから、次の巻は何となく、停滞しそうな雰囲気が
    ありますが、どうなるか楽しみです。

  • 図書館

  • 本巻では赤壁の戦いを描く。孔明と周瑜との絶妙な駆け引きは読んでいて実に楽しませてくれる。まぁ、常に孔明の方が一枚上手で、周瑜は毎回孔明に一杯食わされるのだが。

    以下に、印象的だったシーンを引用したい。不思議にも、敗北側の魏軍の言葉ばかりである。

    ・「兵糧武具を満載した船ならば、必ず船足が深く沈んでいなければならないのに、いま目の前に来る船は全て水深軽く、さして重量を積んでいるとは見えません。これは偽りの証拠ではありませんか。」
    →赤壁の戦いにおいて、曹操の参謀:程昱が呉軍:黄蓋の船団の偽装を真っ先に見破ったシーンである。程昱のような状況を冷静に判断出来る能力は貴重である。が、時既に遅し、火攻めに大敗する曹操軍であった。もう少し早く黄蓋の偽の投降を見破っていれば歴史は変わっていただろう。

    ・「山に会うては道を拓き、水に遭うては橋を架す。それも戦の一つである。戦い難いなどと泣き面をする士卒があるかっ!」
    →赤壁の戦いで大敗を喫して逃亡中、泣き事を訴える部下に対する曹操の下知である。負けてなお、曹操らしい合理主義的な面が垣間見えるシーンである。

    ・「勝ったのは昨日のことで、今日はまだ勝っていない。明日のこともまだ勝っていない。言わんや全面的な勝敗はまだまだ先が知れん。およそ将たるものは一勝一敗にいちいち喜憂したりするものではない。」
    →魏軍の張遼が孫権との合肥城の戦いに勝利した後の言葉。張遼のこの姿勢により、孫権の謀略を見抜き、敵将:太史慈を討ち取ることが出来た。

  • これは、もう一度はじめから読み直したほうがいい気がする。なんだか分ってるんだか分ってないんだか。

  • 孔明と周瑜の戦い、いやすごい。しかしまあ次から次へと色々な策略が。私は生き残れないな、こんな時代じゃ。

  • 荊州を巡って曹操と玄徳、孫権が絡み合う。赤壁の巻後半と望蜀の巻。孔明の策がことごとく的中。周瑜と魯粛。

  • ついに赤壁の戦いが終わり、曹操は回送し、劉備が我が城を手にする。

    ・・・にしても、映画のレッドクリフはだいぶ違っていて、差異を見つけるのもまた楽しく、映画はずいぶん丸く収めたもんだうなあと感心する。

    孔明と周瑜の話。
    周瑜没後に孔明が慟哭した場面ではホロロときた。
    完全に孔明にしてやられるわけだけれども、それもまた天命であったと生涯を閉じた周瑜に天晴れ。

    知謀を巡らし、策略の裏の裏を読んで、駒を進める―息もつかせぬ展開。期待通りの赤壁の巻だった。

  • 三国志のいいとこはみんな負けるとこだね、やっぱ。
    致命傷を負わなければ、場合によっては致命傷に思えるくらいの傷を負ったとしても、生きてさえいればなんとかできるっつーね。

    失敗しない人間なんていない。いるとしたらそいつは何にもしてないだけ。だからこそ失敗しない英雄譚ではなく、失敗をする英雄譚が意味を持つ。英雄とて失敗する。しかし彼らは挫けない。失敗から学び、失敗を失敗のままにせず、逆に大きな成功の礎とする。

    孔明無双というか、チートオリ主としての孔明に思えてくる。モノローグのない逆行物みたいなね。三国志の、演義の、更に小説だから二次創作的な誇張はまあしょうがないんだろうけど、曹操や周瑜がもはやギャグと言っていいほどに戯画化されてるのはどうなんだろう。エヴァヘイトのゲンドウを思い出す。

  • 赤壁の戦い!
    映画『レッドクリフ』を観たのがきっかけで読み始めた三国志だったけど、やっとここまできた。

    意外と周瑜が悪い奴だった。何度も孔明を殺そうとするし。
    魯粛は映画とおんなじ感じだ。「周瑜に言わないでください」って言われても言うし、孔明の口車に乗せられるし。

    映画とは多少違うところがあったけれど、やっぱり映像で観てから読むと数倍楽しい。

    もう三国志も折り返し地点を過ぎてしまった。
    これからどうなるのだろう。

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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