死霊(1) (講談社文芸文庫)

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  • 講談社
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983212

感想・レビュー・書評

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  • もちろんこの小説の存在はかなり昔から知っていたが、書店で見つけた「第8章」のハードカバー版を買い、そこだけ読んだこともある。
    戦後日本文学にとって重要な作品らしいが、吉本隆明さんなどによる辛辣な批評もあって、どうもいまだに「評価が定まった」とはいいがたい小説なのではないか。
    観念小説である。
    ドストエフスキーを参照しているだけあって、たくさんの人物がどんどん出てくるが、彼らの交わす会話はいきなり抽象的で、日常生活の次元からはあまりにもかけ離れている。
    この巻には1章から3章まで。
    この作品に出てくる若者達の年齢はよくわからないが、たぶん20歳台前半だろう。そんな青二才が、ずっと年かさの中年男に向かって観念論を吐きつける。しかも、中年男の方も、これをまともに受け取って互角に論選を始める。このへんがあまりにも嘘くさく、まるで自己陶酔したケツの青いガキが、偏りまくった観念論をそのまま「小説」にしてしまったかのような、つたないおさなさに近い面もあるだろう。
    ただ、幻想的な情景の設定など、ディテールはそうそう薄っぺらなものでもないようだ。
    ともあれ、続きを読んで様子を見てみる。

  •  大まじめに読んでも、流して読んでも腹を抱えて笑える。いやらしいほど散りばめられたモチーフが、こんなにも面白さを生むのだとしたら、世にある娯楽小説のほとんどはこれに勝てない気がする。あっは! ぷふい!

  • 1/17

  • 「唯一の自動力だから」

  • そうか、そうでした、太宰治や松本清張だけでなく、この埴谷雄高も、そして大岡昇平、それと我が敬愛する淀川長治、それから花田清輝、あるいは我が愛しのシモーヌ・ヴェイユも、まだまだ中島敦も、そして土門拳、それから田中絹代、それに益田喜頓、さらに野口久光、もう思い浮かびませんが、以上の方々も今年生誕100年です。埴谷雄高については、みな膨大な思い入れを持つというか幻想を抱くというか、過大な評価をしがちで、もしちょっとでも過小評価なんてしようものなら、罵声を浴びせかけられでもするんじゃないかと躊躇してしまいそうな、暗黙の賛美の形容詞で塗りたくった飛び切り高い評価基準が鎖のようにまとわりついている気がします。もちろん私も、嫌いな訳じゃあないのですが、お神輿を担ぐほどの思い入れはなく、単なるノスタルジーでなら多いに明快闊達にお喋りしますが。

  • 序文から第3章まで。以前読んだのは学生時代だから、30数年ぶりか。今の方が読んでいて面白い。第3章、黒川建吉と屋根裏の蝙蝠とのエピソードが心に残る。狂言回しとしての首猛夫に対するかすかな苛立ちなど、昔読んだ時の感情が蘇って来る。 423頁

  • 形而上小説

  • 全三巻のはずですが…なぜか二巻までしかありません。

  • これから読もう

  • 俺にはまだまだまだまだ早い。

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