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- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062092036
感想・レビュー・書評
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藤原伊織「雪が降る」
ミステリーでない短編集。
藤原伊織の暗くてニヒルな世界が大好きで、時々無性に読みたくなる。全タイトルを読み切るのがもったいなくて、これは大事に取っておいた一冊。
一編一編それぞれ孤独な男が主人公。希望に燃えているわけでもなく、どちらかといえばちょっぴり不幸。そのことを甘んじて受け入れていて、淡々と生きているところに小さな事件が起こる。
感情を表に出さないけれど、内に秘めた熱さというのか優しさみたいなものが、読んでいるこちらの胸を疼かせる。このちょっとした「疼き」をかき立たせるのが本当に上手い。
とくに「紅樹」は、その「疼き」をうまくハードボイルドに昇華させていて、短編なのにすごく深い読み応えだった。
かえすがえすも、こんな素晴らしい作家が夭折したことを、心から惜しいと思う。 -
2006.11.6読了。 短編。表題と同じ「雪が降る」が一番好き。ま、こんな賢いお子様がいるかどうかは別にして、いい男になれよ!と見守ってやりたいなぁと思う。この次は、君が大きくなった時の話を聞かせてくれ。