わたくし率 イン 歯ー、または世界

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142137

感想・レビュー・書評

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  • あ、これこれ。私がこれまで思っていたまんまの川上未映子さんがこれです。笑
    初小説集とのことですが言葉がとっちらかりまくっててとても小説とは言えないような。散文的で哲学的。
    私というものは私の中の何で、どこの部分が私であるのか。
    私ってそもそも何なのか。わたくし率100パーセントとは。
    そのわたくし率100パーセントな部分が奥歯だと信じているちょっとトリッキーな女性の話。
    自我を求め彷徨い暴走していく迫力がありました。

    感じる専門家 採用試験はそれ以上に突飛すぎて難解だった…。
    臨月の女性の脳内。言語は宇宙だー。

  • 彼女の脳内の世界に入り込んだ感覚。

    考えを言葉にするんじゃなく、考えを紙に広げたらそれが小説になりましたってかんじ。

    自分や、大抵の周囲にはないものだから、読んでよかったな。

  • けたたましい。という表現がすごく似合う。活字でこれほどまでわめきたてるような表現ができるということがすごいなあ、でもうるさいなあ、と思った。

    やけに歯にこだわっているけれど、青木くんがいることによってかろうじて理性を保っているように見えていた主人公が、歯医者をでることによってスコンと狂った人に変わってしまう、あの瞬間が怖かった。す、ストーカーでいらっしゃったんだあ……。わたし、わたし、わたし、わたし。一人称でいつづけることの危うさを感じた。怖い小説だった。

  • 作者の言葉選び、世界観に全くついていけず読了ならず。シャンデリアはとても良かったのに、、、がっかり。

  • NHKの番組で、深海誠さんと川上未映子さんが対談しているのを観て
    読んだことがなかった川上さんの本を手にとってみた。

    しかし、頭がよすぎる人なのか?関西弁ともいいがたい、変な口調のリズム感に
    大阪人のわたしでもついていけなかった。
    まだ妊娠もしていないまだ見ぬ子へつづる日記はユニークだったけど。
    結局さっぱりわからず後半はさらりと流した。
    ごめんなさい。

  • 主人公は、25歳(多分)の独身女性。独特な一人称の文章で、すごく主観的に話が進むので、内容がよく分からず読むのがつらいが、後半、青木くんの家のシーンから、俄然面白くなって、怒涛のクライマックス。(特にすごいオチがある!というわけではないのだが・・・)彼女の主観と、それ以外の登場人物の客観が面白い。「わたし」とは、主観と客観で成り立っているのだなあ。

  • 著者のものは3冊目。たらりたらりとつづいてゆく文章にも慣れてきた。
    「ヘヴン」に通じるいじめの感覚はずっと続いてるものなんだろうなぁ、と思う。
    音楽的だと言われるけれど川上未映子の小説は、どちらかといえば視覚的であると思う。音についてはほとんど記載がない、視覚と触覚とかそのへんばかり。
    文学なのか?といってしまえばそれまでだけど、でもおもしろい、というよりも、好きだと思う人がいる。こればっかりは否定できません。

  • 読んでて頭おかしくなりそう!
    でもテンポいいから時々声にだして読むと小気味好い。

  • 川上未映子さん、昔受け付けなくて読むの断念したけど エッセイが面白かったから再度小説に挑戦してみたら読み終えられたー。
    少し騒々しいけど考え方がおもしろい。
    わたくし率のことも、絶対的な「在る」を作る分母のことも。

    「他人の中の私が欲しい」とはつまりどういうことなんだろう。
    他人=相手は別にいらない。「他人の中の私」を大切にしてあげたい。
    そういうのって意外と特殊なことではなくて、もしかしたらみんなそうなのかもしれない。
    他人を通して自分を見て、自分を愛しているだけな人ってたくさんいる。

    分母があることに気付くと、「存在してるっていうことの存在」がやたらに主張してうるさい、っていうのもすごくあると思う。
    責任とか、恐ろしいとか、いろいろになっても結局分母のもとから生まれたいって結論に達したのはなんか心強かった。


    『わたくし率〜』も『感じる専門家〜』もなんだか頭がおかしいような感じで少し本谷有希子と同じにおいがするけど、本谷有希子より個人的。だから逆に受けいれられる。
    それに2作ともその「頭がおかしいような人」に対峙する「一般的な・普通な・おかしい人」に対して、真っ向から向き合って戦う人物が現れるところが、頭おかしくないし、逆に頭おかしい。何言ってるかわからないですね私。

    興味深い。
    他の作品も読んでみようと思います。

  • 過去のイジメの影響でメンヘラになってしまった女性のお話し。…だと思う。
    非常に難解。
    唯一、青木が同居してる女が主人公に対して「あんた何ゆーてんの?」的なツッコミを入れる部分が痛快だった。

    「感じる専門家 …」に至っては、何を書いてるのかさっぱり解りません。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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