わたくし率 イン 歯ー、または世界

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1087
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142137

感想・レビュー・書評

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  • よくわからなかった。

  • 読み始めた

    集中して入り込んでいくと、たまらない

  • 川上未映子作品を読むのはこれが初めて。
    これはもともと私の好きな名久井直子さんというブックデザイナーの方が単行本のデザインをされていて、それがきっかけで出会った本です。


    これは、様々な私をめぐる物語である。
    私 とは、奥歯の中にいると考えている女の人が、生まれてくる予定もない自分の子供にあてて恋人の青木について、自分の生活について手紙を書くという形でストーリーは進んでいく。最初ページを開いて読み始めた時文字の大きさが大きくて行間も広めで読みやすい構成なのに、話が関西弁で進んでいくせいなのかのっぺりとしていてとても切迫感がある印象を受けた。彼女の書く手紙にたびたび登場する青木という人物について、彼が最初に彼女と話したときの会話が印象的。それは、川端康成の雪国の一番最初の文の主語は何なのか、について。これは物語の重要な部分であり、私自身そういえば不思議だなあと考えさせられてしまった。最初このわたくし率の世界に入ると、そこは彼女の妄想の世界でぐいぐいとひっぱられる。が、最後にぱっと彼女視点ではなくて第三者的な視点が登場して物語がはっきりしてなるほどそうだったのかとしっくりときてわたくし率の世界から開放される。そんな感覚の本だった。最初ページを開いて読み始めた時文字の大きさが大きくて行間も広めで読みやすい構成なのに、話が関西弁で進んでいくせいなのかのっぺりとしていてとても切迫感がある印象を受けた。私でもわたしでもワタシでもない、わたくしを私は隠しているのかなあどうなんだろうと考えている。

  • 読み終わって面白かったなと思ってたら、俄かに盗作疑惑が。元ネタと言われてるほうも読んでみたい。
    いちいち言葉の使い方が妙に面白い。「なんかぽやんと。」「音がしやんくて、」辺りのやわらかい関西弁が読んでいて心地いい。けど、ラスト付近の「お洒落ですのんか?あんたの世界でそれはお洒落ですのんか?」が一番ツボ。ただやっぱりちょっと読みづらい。
    私には考えもつかん、「ほんとうの私」という悩みに初めてリアリティを伴って触れた気分。
    実際こんなふうに苦悩してる人もいるんやろなと。

  • 関西弁が苦手で。でも青木の彼女のセリフはスカッとして面白かった。

  • おぉ・・・。先日「乳と卵」は受け付けなかったのですが、これはいけました。
    あぁ。この人、この作品で評価得ていたの納得。という感じ。
    好きか嫌いかと問われれば、嫌いな類の本(内容、文体ともに)なのだけど、まぁこういう「ブンガク」もアリだわなぁ。。。と。というかアルわなぁ。。という感じか。
    ストーリーは、説明してしまうと身も蓋もない内容。
    ただ、読んでいると、急流下りをしているような感覚になる。
    安定感のない小船でごうごうと流れる川をグラグラ下っている感じ。
    リズム感があるんだかないんだか分かんないペースで下ってて結構スリリング。
    それが「どんっ!!!!」と大きな岩にぶつかって小船転覆。
    うわっ!!今まで船にしがみつくことしか考えてなかったけど、目覚めた!!
    頭から川の水被って呆然・・・。
    そんな感じの展開。
    大阪弁で怒涛の如く語られる「私」の語り。
    その勢いが急流下りのようで、後半突然「どんっ!!」と第三者から明らかにされる「私」の容姿と、過去。

    この勢いは、、まぁアリなんじゃないですかねえ。歯のエピソードともに。

    なんでこれ受け容れられたかなあと考えてみたら、以前読んだ「逃亡くそたわけ」に似た勢いがあるんですね。あれは、私の故郷の言葉で語られていたから特についていけた感じなのですが、これも大阪の人が読んだらものすごく気持ちよく言葉が入ってくるんじゃないかと。

  • 気持ち悪さが残る感じ。

    わたくし率100%

  • 主人公は細くて儚げな
    浮世離れ美人だと勝手に思ってた。

    なんかもう文体が強烈で
    一文が長くて読むのが大変で
    何言ってるのか理解できないけど、
    その訳分かんない感じさえも
    面白く感じてしまう。

  • 未映子さんの声で脳内再生される。語りっぽいってことかな。リズミカル。
    具体的な感じはない。

  • 違和感ですねー!奥歯がなんやのっ!? 川上みえこさん好きです

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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