わたくし率 イン 歯ー、または世界

著者 :
  • 講談社
3.27
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本棚登録 : 1087
感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142137

感想・レビュー・書評

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  • つまんな!!こういうの書く女の人好きでしょ?って感じ。

  • 哲学的な難しさのある面白い小説。どこからが妄想で、どこから現実なのか分からない。人を罵る言葉も出るが、リズムが良いからか不思議と読んでて心地よい。

  • 川上作品2作目。
    同じく図書館から借りました。
    1作目よりもっと抽象的で、哲学的ですらあり、とても怖いものがありました。
    正直わかりやすさやテーマなどで好き好き分かれそうだなぁという印象です。
    いつもは読まないようなテーマ、文体なので新鮮でした。

  •  こーれは、、、ちょっと衝撃度が高すぎてなんとも感想を書けない。著者の脳(物事を考える器官が脳なのだとしたら)を取り出してそのまま「はい」って手渡されたような衝撃。いや私はあなたじゃないからそこまで開けっぴろげにされてもわからないよ、理解できないよ、っていう戸惑い。私と著者との共通言語は完全に失われた感覚。

     個人的に、シュルレアリスムとかダダイスムとかが好きで。特に興味があるのが絵画の分野だけれども、文学の方ではオートマティスム(自動記述)っていう技法がある。物凄い速いスピードで文章を書くことによって、考えるより先に文章が作られていって、意識が邪魔をしない中で現れてくる文章(というかほとんど単語のみの羅列になる)の中に超現実が表現されるという技法。

     この小説も、正直その類かなと思った。考えるより先に頭に浮かんだ言葉を書き出していき、内容は二の次で、意識の奥底にひっそりと潜在していた思考とか心理とかを取り出そうとする取り組みなのか?この小説は?と。たぶん違うけど。はは。

     お友達に借りたのだけど、お友達はかなり気に入っていたようだった。私は、、、ちょっと厳しかった。

  • 私には合わなかった。
    終始、何を読んでるのかわからんかった。

  • 115:す……すいません、わかりませんでした。考えてることをそのまま文にしたらこうなるのかも知れないけど、それを読んで理解できるかっていえばまた別の話。

  • 『わたくし率 イン 歯ー、または世界』

     自己を決定づけるものはなんなのか。内臓を移植したら人格が変わった、なんて本当か嘘かわからん話があるけれども、自分の一部を取り替えても自分だと言えるのか。細胞は常に入れ替わっているのに、1年前の自分と現在の自分が同じだと言えるのか。我思う、ゆえに我あり、デカルトさんが言ってたように考えている自分こそ、自分である証なのか。じゃあ、わたしは体のどこ部を使って考えてるの?
     この小説の主人公は、歯、奥歯こそ、わたくし率100パーセントだと考えている。私=形而上、わたし=形而下、わたくし=形而中。形而上の自分と形而下の自分の一致している部分、それが形而中。科学のアプローチでは到底答えにたどり着けない、そんな堂々巡りをしている、主人公。
     後半では、第三者の声が入ってくる。それによって物語の様相は一気に変わる。痛みが、痛みが読んでるわたしにも伝わってくるで。痛みを穴に埋めるなんて、生きづらい生き方をしなくてもいいんやで。

     なかなか難しい内容やけど、とにかく読んでて心地よかった。リズム、センス、言葉の奔流に呑まれる。

    『感じる専門家 採用試験』

     高級スーパーという同じ空間にいた主婦と妊婦が、〈生む有無問題〉をめぐって議論する。「筆記試験」「実技試験」「試験結果」という3つのパートに分かれてるのやが、なんのこっちゃ。
     なんかのエッセイで午後4時が怖いって言うとったのを思い出した。

  • 三葛館一般 913.6||KA

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=55862

  • よーわからん!という思いと、これ、わたしの頭の中もこんなときある!という思いが交互にやってくるような。関西人だからわかるテンポがある。関西人じゃない人は、どんなテンポで読むんだろう。
    2017.07.30

  • 頭の中で二人の人物(もしくは三人)が討論してるみたい。無意味で重要な私の疑問をあなたに誰かに答えてほしくて、問い続ける。けれど、生まれてくる命はただ生まれて来たいだけ。シンプルだけど難しい。難しいけどシンプルな話。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上未映子の作品

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