モダンタイムス (Morning NOVELS)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062150736

感想・レビュー・書評

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  • 伊坂幸太郎作品はいつも会話のテンポが面白く、引き込まれて読んでしまう。物語の始まりから何度も出てくる、勇気はあるか、という言葉が特に頭に残った。検索する事で監視が始まるなんて。暴力による怖さと、監視による怖さ、作り上げられた事実に囲まれている怖さ…

  • 魔王の続編という事で、魔王のすっきりしなかった部分が解消されることを期待して読み始めた。
    魔王と同様に、社会というシステムの中で違う流れを起こすことが出来るかというのが軸にあると思う。それは超能力を持っていれば出来ることでもなく、最終的には意思なのかなと。
    魔王よりもストーリー性があり、スムーズに読めたけど、やはり真意は読者任せという感じがして、すっきりしない感じ(笑)

  • 個人的には伊坂幸太郎の最高傑作。意外と評価が悪いのはなぜだろう?特に伊坂ファンに不評なんだよな。こんなに面白いのに。
    多分伊坂幸太郎に求めるところが、お洒落さであったり、巧妙さであったりすると不満が残るのかもしれないが、自分の中では伊坂幸太郎は優しさであったり、幸せだったりするんだよなあ

  • 「魔王」の続編、「ゴールデンスランバー」の二卵性双生児(あとがきより)ということで、この2作品がぼちぼちだった私にはぼちぼちな感じでした。中盤あたりが一番楽しく読んだかな。「魔王」を読んだ後に読んだので感慨深いところはあったけども、逆にあちらを読んでいなかったら途中で白けてしまったかも。

  • 舞台は平成の次の時代である。
    高度に情報化が進展した社会の中で人々は生活する。
    本書はその情報化の末路としての管理社会、人間の機械化を取り扱う。

    ということで背景設定は、同じく未来における管理社会を描いた1984年(ジョージ・オーウェル著)を彷彿とさせるものとなっている。

    しかし、1984年の読後には管理社会の恐ろしさが強烈に印象に残ったのに対し、本書の管理社会のあり方には大して恐怖は感じず、あまり印象にも残らなかった。
    なぜか?

    理由として考えついたのは、1984年が「私たちにとって想像もつかない、しかしよく考えたらもしかしたら起こりる事態」を描いているのに対し、モダンタイムスでは「容易に想像できる、私たちがすでに片足を突っ込んでいる未来」を描いているということだ。つまり、モダンタイムスの中の世界は私たちが慣れ親しんだ日常にかなり近いため、恐怖を感じにくいのではないか。

    あとは単純に、1984年の中では恒常的に規則に縛り付けられるのに対し、本書ではシステムを壊す可能性のある人間に制裁が加えられるのみで拘束の程度が違うということもあるだろう。

    とはいっても、「人々が管理されていることにも気付かない管理社会」「日常の中のありうる脅威」を中心に取り扱う以上、このように多少印象が薄くなってしまうのは仕方がないのかもしれない。


    少々不満はあるものの、政治学を勉強する際に何度か触れたことのある「支配者不在の支配」「国家(システム)の自己運動」「人間の機械化」と現在進行中の情報化が結びつけられて小説として組み立てられている点は自分としては新鮮で楽しめた。

    また、最後に「それでも巨大なシステムに抵抗しようとする人間」と「システムへの抵抗をあきらめ、私的な営みの中に幸せを見つけていく人間」の二種類の人間が描かれたことも、現在の社会を反映しているようで面白かった。

  • 図書館で借りてきたが、中盤で読むのを止めてしまった。途中で挫折とか・・・何年ぶりだろ。自分には駄作でしかない。

    「魔王」の続編ってことらしいが、そもそも「魔王」自体が☆1個の評価だったしなぁ。
    伊坂幸太郎は、「重力ピエロ」とか「砂漠」とか現代を描くと上手いけど、近未来を描くと全く面白くない。

  • 人生は要約できない。深い言葉だな、と思いました。モダンタイムスは伊坂さんの作品のなかでも異質ではないか思います。作風?というか物語の進み?というか。しかし終盤に向かって伏線が回収されているのが、おお、さすがだと思いました。登場キャラクターもとてもユニークで楽しかったです。そしてなんといっても魔王が大好きなので、読んでて魔王とリンクしている描写など嬉しかったです。好みが別れると思いますが、わたしはとても面白い作品だと思います。

  • 苦手だなぁと思っていた『魔王』の続編ということだったので、最初はなんとなく読んでいましたが、『魔王』とのつながりが見えてきたらおもしろくて、、、一気に読んでしまいました。
    その後『魔王』も読み返したら、苦手意識もなくなりました。世代を跨いだ長編、という感じで私は好きです。痛そうな表現が多いのは、ちょっと怖いですが。

  • 勇気はあるか?

  • 主人公がSEだという理由だけで読んでみたが、面白かった!

    みんなが「仕事」の一部を忠実に遂行している。
    それが大きな事件を起しているとも知らず。
    知らない間に、「システムの一部」になっている。
    そのことが、無意識だからこそ、怖いと思った。

    この本の前編として、「魔王」があることを知ったので、
    今度読んでみよう。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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