小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 5177
感想 : 772
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  • Amazon.co.jp ・本 (722ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162227

感想・レビュー・書評

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  • 前半結構好き。
    でも途中から、ちょっと長かったかな。

  • P188
    「昔、あたしが、クラスでいじめられていたとき、お母さんは一緒に泣いてくれた。お父さんは怒った。そンで学校に怒鳴り込んだ。」

    いい家族だ。いい両親だ。
    よし!
    自分の子が悲しい目に合ったら、一緒に泣いて、その後怒ろう!!と思った。

    P699
    「今度は逃げたんじゃない。新しい人生を始めるために出発したんだ。」

    優しいお話でした。
    始めましての宮部みゆきさん。

    読んでいることを話したらある女子高校生は
    「よく、本と本の合間の休憩で宮部さん読んでます。ほら、イタリアンでも中華でも美味しいけれど刺激が強いでしょう?でも宮部さんは和食だから、食べやすいんです。」とはなして
    ある男子高校生は
    「宮部さん読み始めちゃったら今年は、ずっと宮部さんの年になっちゃいますね♪」と話していた。

    もっとミステリー要素が強い作家さんだと思っていたので、意外な感想と読後だった。ほかの作品も読んでみたい。

  • やっと読んだ700頁超の長編。
    古い写真館だった屋敷に越してきた主人公が遭遇する、色んな写真にまつわるほんわかミステリー。
    色んな形で色んな写真に出会って人に出会って、それぞれが自分なりの「ケリ」をつけて進んでいく。読み進めてみるとミステリーなのかヒューマンストーリーなのか。
    英一が親戚にケリをつけるシーンと、垣本さんの「一歩」が印象的。
    良い話でした。だから小説はやめられない。

  • 目次
    ・小暮写真館
    ・世界の縁側
    ・カモメの名前
    ・鉄路の春

    寂れた商店街の中に残る、今はもう廃業した小暮写真館に引っ越して来た花菱家の長男・英一(高校生)が主人公。
    写真館の建物を気に入ってそのまま住むという変わり者の両親と、賢くてかわいくてよいこの弟ピカ(小学生)に比べると、これといって特徴のない常識人の英一が、小暮写真館の主が撮った心霊写真の謎を解くはめになり、心霊(写真)探偵として活躍するのがこの膨大な作品の前半部。

    高校の友達や地元のじじばば、この建物を売りつけた不動産屋の社長や事務員の垣本などと交流しながら英一は謎を解いていく。
    特に垣本の抱える闇に、否応なく巻き込まれ、後に積極的にかかわっていくことになるのだけど。
    社会人としてはあり得ない程、人に接することができない垣本。
    だけど、英一の抱える謎の本質に、いつも的確に切り込むのも彼女だった。

    仲の良い英一の家族にも、触れてはいけない出来事があった。
    英一の妹が、まだ幼いときに亡くなったこと。
    それに触れることは英一の母の心が不安定になるから…のはずだった。
    母親を守るためと蓋をしていたできごとの裏に、誰にも言えない、自分でも認めたくないことを英一は隠していた。
    それが顕わになったのは、ピカの行動ゆえだった。
    ここは…泣きました。
    末っ子だったからこその負い目。
    お兄ちゃんだからと強いられた我慢。
    家族は互いに自分を責めるのに、外側の人が家族を責めるのは、それは違うよね。

    覚悟を決めて立ち向かった英一。
    覚悟を決めて、すべてを捨ててやり直すことを決めた垣本。
    ちょっと切ない終りになったけれど、それも含めて青春だよね。

  • それぞれが、過去にケリをつけて、出発する。駅から列車が出発するみたいに。小湊鐵道。
    視線があたたかい。

  • 中だるみしてますねぇ。

  • 読み終わってみたら、主人公の高校生活のあれこれを描き出した青春小説だったのかも。

    そのあれこれは、一見、些細に見えたとしても、今を生きる人たちの心の傷に繋がってるから、このお話は薄くならない。(本は、全然、薄くない)

    振り返れば、主人公が大人になっていく姿がまぶしい。主人公や友人たちのあれこれが、人付き合いの中に潜む毒を少し洗い流してくれるかな。

  • 米澤穂信の作品を読んでるような錯覚に囚われる時がしばしばあった。貶してるわけではなくて、登場人物への温かい視線に共通のものがあるのだろう。

  • やった、読了!テーマが心霊現象...で自称分類’give up’に入れるところレビューに助けられ作者さんの弁に後押しされ。長い話だけど展開も飽きなかったし言葉のリズムが心地よかった☆

  • 登録漏れ
    宮部さんでまだ読んでいないならと勧められて読むことに決め、分厚さに図書館で一瞬迷ってしまいました。
    幽霊とか苦手分野だと思っていましたが、不気味さはなく世界に不思議はあふれていてもいい気分になりました。
    主人公が惹かれていった女性の魅力がイマイチ分かりませんでしたが、最後まで読んで表紙の意味に気づきました。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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