盤上のアルファ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 474
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165976

感想・レビュー・書評

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  • エピソードとキャラクターに構成が追いついていないけれど、それは物語の力を示すことだと思う。それよりかはここまでカタルシスを期待させるストーリーなのに、ラストの展開でカタルシスを阻害したのが不満だった。

  • 面白かったー。やり直しの効かなくなるような年代を生きる主人公達のくせの強さが、ありがちなストーリーを熱く楽しくさせてくれる。歯に衣着せぬ秋葉と、社会からつま弾きにされてる真田信繁の二人の思考と台詞が面白く、時に笑いを誘う。さすが関西人。この作家さんは、簡単に文章を作りすんなりと読ませる筆力があるように思いました。そして特筆すべきはハショリのキレ味。それは時折描写を一段飛ばしたような表現を使い、その唐突さと空白の感じがいい雰囲気を持ってると思いました。この本は序盤から面白くなる予感を持たさせれる作品でした。ただ欲を言えば、クライマックスの対局あたりを描写密度こってりにして欲しかったかなぁ。次回作にも期待。作中で、囲碁の負けと将棋の負けの違いの話に「なるほど」と納得。

  • 左遷された記者とプロ棋士を目指す33歳のお話。とっても面白かったけど秋葉に感情移入する分、真田と静が夫婦だったことが物凄くショック。素直に喜べないというか、なんかひっかかってしょうがない。話に引き込まれて夢中で読んだけど、最後はすっきりしないなぁ・・・。

  • 先が気になり一気に読了しましたが,最後は何でも詰め込みすぎの感が否めませんでした。
    面白いけど,全体的に荒削りな物語かな…。

  • 嫌われ者の新聞記者とプロ棋士を目指す無職の男が出会い・・・
    しょうもないおっさん同士の友情と再生のお話なんだけれど、熱いだけでなく、どことなくユーモラスなとこが好き。
    ダメダメなんだけど、なんか応援したくなっちゃう感じ。

  • 扱うテーマはなかなか興味深い。緊張感も感じられる。もうちょっと紆余曲折があってもよかったかも。
    個人的には、知った街が出てきて素敵やった。

  • 後輩がtwitterで紹介していた本。
    学生の甘さを思い知らされる一方で、「よし、やったろ」ってなる本でもあるらしい。
    自分はどう感じるんやろ?

  • 「タンクトップ棋士」のキャラクターに惚れました(笑)
    話のテンポもよく一気に読めました。

  • 面白かったー!アウトローにならざるを得なかったひとりの棋士が描かれる2章からぐいぐい引きこまれていった。そして新聞記者との出会いがあり、記者との関わりを通して書かれた将棋の世界がまた面白い。終盤、真剣勝負の緊張で読んでいる自分までドキドキした。読みごたえ十分。棋士というのは本当に忍耐強く集中を持続させ、指し手の研究を怠らず、常に勉強し思考し続けるすごい人たちなのだと心から感心する。またこの作品の良いところは単純に勝負ごとの世界を書くのではなく絶妙のバランスでユーモアが散らばっている事。日常会話で当たり前のようなつっこみがすごくいい!作者はこの作品がデビュー作とのこと。小説を書くきっかけになったのが藤原伊織「テロリストのパラソル」なのだそうだ。95年の直木賞・江戸川乱歩賞同時受賞作。知らなかったのでぜひとも読んでみようと思う。

  •  新聞記者と将棋指し。偶然であった2人が化学反応して突き進んでいくドラマ。将棋の世界を舞台に、どん底から這い上がろうとする男と、くしくもそれを手助けしてしまう男を描いている。
     文化部に左遷された社会部記者の秋葉、元奨励会員でバイト先をクビになった真田。同い年の2人が、偶然飲み屋で出会ったことから物語が動き出す。棋士になるため、年齢の壁を越える特別な制度をねらった真田は、秋葉の家に転がり混み、勝負をかける。
     2人をつなぐ女性の振る舞いも上手。三角関係の行方は想像してたが、ちょっと斜め上をいく展開で面白かった。まあ、秋葉のへたれさが浮き立ちますが、逆に男ってこんなもんだよな、と共感を誘う。
     著者が現役の新聞記者というのも面白いところ。今後の活躍に期待してます。

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著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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