日本中枢の崩壊

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170741

感想・レビュー・書評

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  • あの古賀茂明の内部暴露的な本だから、きっと面白いだろうという気持ちと、あの古賀茂明が書いた割にはそれほど話題にはならなかったなあという思いを持って読み始めた。
    結果はやや期待外れ。
    特に前半部はとおり一辺倒な社会政治批判にすぎない。どこかで聞いたような安っぽい議論が続く。後半になってようやく古賀氏だからこそ書ける具体的な話になって面白い。ただどうしても前半部の安っぽさを引きずってしまい、星3つである。
    本のボリュームを半分にして、古賀氏にしか書けない官僚批判本にすれば良かったのに。

  • 霞ヶ関でこのままでは本当に日本がダメになるという危機感から改革に取り組んできたが省庁、政府、族議員、既得権益企業からのいじめに会い仕事を取り上げられ、キャリアから閑職の大臣官房付に追いやられ最後は辞めていく古賀さんが執筆した本。
    自分、省益を考えた結果国がどうなろうと知ったことかが今の霞ヶ関。それも燃えていた新入職員が段々と出世するにつれ、省益主義の仕組みの中に取り込まれていく。
    安部さんが総理になればこの古賀さんをブレーンの一人に加えるべき。そして古賀さんをリーダーのもと、若手キャリアで公務員改革の実践を任せる。これがベターな方法か。

  • 難しい言葉も出てくるけど、とても分かりやすく読みやすい。政治に興味が出てきた。
    手元にあるけど最後まで読んでない人は、次の箇所だけでも読んでほしい。
    40~46頁「官房長官の恫喝に至る物語」…
    112~142頁「口封じが目的の出張」…
    191~202頁「役人とマスコミに追い落とされた長妻大臣」…
    262~272頁「なぜ犯罪を放置しておくのか」…
    360~373頁「東京電力の処理策(改訂版)」…
    374頁「あとがき」

  • 霞ヶ関の省益優先というおかしなマインドセツトが支配するカラクリがよくわかった。そしてこれはどうしたって変えられない、古賀さんは突然変異した異種だと思われて、この国の将来を考えると暗澹たる気分にさせられた。

    でも最後に日本の復活に向けたシナリオが描かれてて救われた。退官後の古賀さんの、信念に基づいた活動を心から応援するとともに、自分の視点も彼の高みまで上げて、前向きに活動をしていきたいと思った。

  • 霞が関、永田町批判だけでなく、日本の中小企業実態調査の報告は、目から鱗。中小企業を中小企業で終わらせている政策、体質は、日本の技術力のグローバル化をも阻害していた。他に補助金の垂れ流し、バラマキ政策の盲点など、日本の成長戦略に役立てたいエッセンスが豊富。

    少子化の今こそ、優秀先鋭な人材育成が必須なのだと実感する。
    民も官も慣例、踏襲の呪縛から解き放れ、護送船団的発想から脱却し、先見と時代に即応できる柔軟性。そのための情報収集、選別できる能力が要求される。
    でないと日本の未来はないと言っても過言でない。

  • 今の日本の危機状況を的確に表していると思う。
    社会保障制度なども同じだが、焼け野原からの復興に機能した仕組みのすべてが老朽化してしまっているのだろう。
    戦後レジュームの変革に挑んだ小泉、安倍政権に取って替り、時代錯誤のおバカな社会主義を志向した民主党政権が、さらに制度疲労を加速してしまった。
    国のあるべき姿をしっかり語ってくれる政治家の出現に期待したい。
    そして、国民も意識を変える必要があるだろう。最後は自分で自分を守ると。
    ところで、子供のときから、頭のいい子の代表の官僚が、
    どうして”犯罪者”のようになってしまうのか?
    同じように、勉強ができる代表格の弁護士も正義面して国や人を売ってやしないか?教育はこれでいいのか?

  • 官僚組織のあまりにもの堕落ぶり、それを変えられない政治、そして変えられない政治家しか選ばない国民。では誰がこれを変えられるのか?無力感、脱力感しか残らない。無論、それは本書のせいではない。

  • 古賀さんがそれこそ命がけで伝えたいことだから、なんだか読まなきゃいけないような気がして読みました、
    読んでよかった。
    酷いわー、ずるい官僚達。
    もうちょっと政治家にも頭良くなっていだたいてなんとか彼らをコントロールしていただけないものか。。。

    読んだところで庶民の私に何が出来るのかと思うけど、改革派で頑張る人たちを支えるのってやっぱり世論。世論で政治家も動く。動かないこともずるいこともいっぱいあるけど、こんなにずるい人たちを放っておいちゃいけない。
    こんなにずるいことが明るみになっても、暴動ひとつ起きないから、官僚になめられるのか。。
    平和な日本は好きだけど、国民がおとなしいからって官僚にこんなに好き放題にされてるのはちょっと情けない。
    仕分けとかもホント意味ないのね。
    何もできないけどせめて、政治は監視しないとな。。。

  • 官僚と政治家について、税金を納めている人は必須で読んで、自分には何が出来るのか考えるべき。すぐに何も出来ない無力さを感じるが、古賀さんの行動を見ていると、その無力さをエネルギーに昇華する事が出来る。

  • 官僚が、少したけ考え方が柔軟になり、古賀さんの仲間が増えれば。

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著者プロフィール

1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。09年末に経済産業省大臣官房付とされるも、11年4月には日本ではじめて東京電力の破綻処理策を提起した。その後、退職勧奨を受け同年9月に辞職。著書・メルマガを通じ活発に提言を続けている。『官邸の暴走』(KADOKAWA)、『日本を壊した霞が関の弱い人たち』(集英社)など著書の累計発行部数は100万部を超える。自身が企画・プロデュースし、本書が原案となったドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が2023年3月に公開され、大きな話題を呼んだ。





「2023年 『分断と凋落の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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