日本中枢の崩壊

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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170741

感想・レビュー・書評

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  • 3月9日読了。

    著者は現役官僚(今は違うが)だけあって、今の日本の問題点を的確に指摘していると感じた。

    また、代案も提案しているところがさすがに官僚だと感心。

    しかし、本当に本書の通りなら日本中枢は本当に崩壊してるんだろうな…

    マジでこれからの日本を憂いてしまいます。

  • 大阪府知事選に名前が挙がったときはがっかりしたが、本を読んで見直した。官僚として日影を歩きながら見た日本中枢の凋落ぶりが浮き彫りになっている。巻末部分の東電処理案だけでも読む価値あり。

  • 高橋洋一さんの本を読んだ時にも感じたけど、官僚があの手この手で政治家をコントロールし省益や利権の為に勤しんでいると思うと、日本はギリシャのようになってしまうのではときがきじゃない。霞が関に自浄作用はないのか?と感じたりもするが、民間企業だって同様なところもある訳で、やっぱり規制や法律を厳しくするしか対策は無いのかな。。
    あとは、後藤田正晴さんの様な、官僚をコントロールできる政治家が現れてくれる事を願ってやまない。

  • ここ1年前から反霞が関の立場でマスコミに登場し名を馳せている古賀氏の本。もともと公務員改革を官僚の立場でやろうとし、そのことで左遷の憂き目にあったことを中心に記述があるが、大震災をうけて、その対応についても政府、霞が関を批判する内容を加筆している。
    以前から、テレビなどの発言を聞いて、嫌悪感を持っていたが、この本を読んで、なぜそう思ったのかわかった気がする。
    それはこの方が、自分の考えを一方的に、それも正当化して主張をしているが、それを実現するため、説得するために努力した形跡が見えず、すべて政治が悪い、官僚機構、上司が悪い、と決めつけ、被害者面しているのである。仕事をやる上で、完璧な案はない。様々な人とこすりあいをしながら成果を出していくべきであるし、公務員制度改革にしろ、電力改革にしろ過去の歴史を作ってきた方々の考えを聞き、そしてそれを受け入れるなら受け入れる、否定するなら、丁寧に反論する、そうして成果を出していくのが仕事である。しかし、この方はすべてが自己肯定の、他人批判である。

    最後の終章の提言はお粗末そのもので、データ等や他の価値感や議論の紹介もほとんどない、居酒屋でサラリーマンが語っているかのような内容である。

    大阪市の顧問になるという話をはじめ、この方が改革者・救世主のような扱いをしているマスコミ報道も多い。テレビの力はすごいし、怖い。

  • 元経産官僚・古賀茂明著。

    まず自分のスタンスから言うなら、基本的にこの人の言うことは信頼していない、というのがもともとあった。
    典型的な官僚バッシング論者であることは、この本の後に出している書名等からも明らかだし、このご時世に乗っかって次々に公務員を叩く本を出すという、いかにもなやり方があまり好きになれないのだ。

    しかしこの本は、おそらく彼が最初に世に問うた本であり(彼が辞職する前に自分も購入した)、まだ彼が大臣官房付という肩書きを持っている時、リスクを取って書いた本である。またその後の新書等と違ってハードカバーで400ページ弱あって、意欲的な本だしそれだけ内容も多岐にわたっている。
    今の日本の課題を明確に論じている一冊であるといえる。

    で、この本の感想。
    一言で言うと、基本的に書いてあることは間違っていないんだと思う(ドドーン)。
    中小企業政策や税制の話はさすがに詳しいし、説得的。
    増税の前に成長戦略を、という部分は同意できないけれど、個別の規制改革の議論は読み応えもある。だから読んで決して後悔はしない本。これは保証する。

    ただ、である。
    この手の本によくあるように、陰謀論というか、この省は利益保護のためにこう動く!みたいな断定的な言い方は、やっぱり本当なのかな、と思ってしまう。財務省は結局〜だとか、民主党の議員の関心は〜だから、とか、そんな安易に意思決定がされているのだろうか、とうさんくさく思ってしまう。
    これはもちろん自分にはまだ分からない、判断材料がないことであるから、その点で彼に反論することは自分にはできない。

    でも、こういう風に思うのには根拠があって、これは高橋洋一や、もっと露骨なのが『さらば外務省』の人だったんだけど、書き方にどうしても「ルサンチマン」が込められていて、それが伝わってきてしまうから。もっと言うと、それで大衆の受けを狙っているように読めてしまうから。
    論文ではないし中立的なんて求めるほうが無理があるというのは分かるんだけど、にしても批判が前面に出すぎているよな、と感じてしまうのがあまり好きでない。

    著者自身述べているように、良識的な官僚だってたくさんいるわけだし、彼らが作っている政策全てが悪ではないはずだ。
    そういった人たちが能力を発揮できないところに問題の本質があるのだろうな。

    その構造をあぶり出すために、彼のような人もあるいは必要なのかもしれない、と感じた一冊。

  • 1.日本の政治システムの問題点を知る
    2.組織について考察する
    3.頑張ってる人もいることを知る

    これらについて考えたい、知りたい人にはオススメです。

  • 出る杭は打たれるのね。
    どの世界でも。それが非常に悲しい。

    君主論にもあるように『大衆は変化を望まない』ので改革は声高に叫んでも意味はないんじゃないかと思ってしまいました。

    凄く印象に残ったのは氏の上司の方の
    『もう少しお行儀良くやりなさい』というセリフ。

    お行儀よくやっていれば
    氏の主張がどこまで実現していたかていう
    歴史のifを見てみたいなーと。

    TPPについては本著の主眼ではないので内容は薄いかな?

    本著を読んで
    氏が国政に打って出る姿を見てみたいと思った人も多いのではないでしょうか。

  • 元キャリア官僚の古賀茂明さんの著作。
    TPPや日本の借金、公務員制度改革について官僚目線でしっかり説明されていた。
    特に増税問題についての記述が印象的だった。
    古賀さんに言わせると現在の日本の状況は
    仕事に就いていない放蕩息子が親に「今年中に仕事探すからさ。とりあえず10万円貸してよ」と言っているのと同じだそうだ。

    成長戦略がなくとりあえず増税するというのはこういうことらしい。

    色々な問題はありますが、古賀さんみたいな方がまだ官僚の中にいるとの記述もあり少し安心した。

    改めて自分の仕事を頑張って経済を活性化させること、すこしでも政治・経済の知識を持って投票することの大切さを認識できた作品でした。

  • 内部からこのような告発が出て、しかも本にまでなっているということは、実際はこれよりもっとひどいことが行われているのかもしれないと、何も信じてはいけないということを語っているような本。
    立場が変われば見方も変わり信念だってぐらつくと思うが、古賀氏の筋の通った生き方は(考えには賛成できないところがあるとしても)気持ちがいいと思う。

  • 年金の賦課方式とか知らなかったし、ためになることが多々あった。
    おりしも増税待った無しの様相な昨今。
    全国行脚とかの前に、霞が関の中で公務員削減のお願いして回れ。と思うね。

    結構断定口調が気になったし、都合よすぎる想定もあって鵜呑みには出来ないと感じているが、自分の考えを持って政治に取り組んでいる点は評価したい。

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著者プロフィール

1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。09年末に経済産業省大臣官房付とされるも、11年4月には日本ではじめて東京電力の破綻処理策を提起した。その後、退職勧奨を受け同年9月に辞職。著書・メルマガを通じ活発に提言を続けている。『官邸の暴走』(KADOKAWA)、『日本を壊した霞が関の弱い人たち』(集英社)など著書の累計発行部数は100万部を超える。自身が企画・プロデュースし、本書が原案となったドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が2023年3月に公開され、大きな話題を呼んだ。





「2023年 『分断と凋落の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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