カマラとアマラの丘

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 361
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175272

感想・レビュー・書評

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  • 廃園した遊園地にある秘密の動物園墓地を管理する青年と様々な動物と人の話
    4編+続編1編

    動物と人の綺麗ごとだけではすまないシビアな話が多いですが、
    最後には少しだけ希望が見える終わり方の話が多いので
    読んでいて辛い感じはしませんでした。
    特にヴァルキューリの丘の話が好きです。
    誰でも汚い印象を感じる動物ですが、彼らの最後の場面を想像し、
    また最初の言葉を読むと本気で泣けます。
    森野さんがなぜ管理人になったのか知りたかったです。

  • 動物好きさんにオススメ。
    訳ありの動物達を花葬してくれるという、廃墟になった遊園地には不思議な墓守が。
    動物と人間の心の通い合いを軸に、人間の身勝手さや醜さを見せつけられ、何度も手を止めてしまい、サクサクとは読めなかったけど、
    最後にはふんわりとした気持ちにさせてもらいました。

    動物の命を預かるという行為について改めて考えさせられ、うちのネコ様達は果たして幸せだったのかと考えてしまう。
    過保護でウザい飼い主のもとで、それでもまあ幸せだったと思いたいけど。

    ジャンルはミステリ?
    ファンタジー要素もあるけど、かの世界観は好きです。
    叙述トリックに、やられたー!とちょっと嬉しくなる(笑)

  • サクサクとは読めなかった

  • 廃墟となった遊園地を舞台に描かれた、幻想的で物悲しくて少し温かな物語。さまざまな動物が弔われるその場所で明かされる、それぞれの物語の真実。
    たかが動物、されど動物。彼らが人間と同じような心を持っていないとは、誰が言い切れるのか。言葉が通じなくて理解ができなくても、決して分かり合えない存在ではないのかもしれません。
    お気に入りは「ブクウスとツォノクワの丘」。まさかビッグフットとは……! あまりに異様な物語の真相は、一番哀しいものでした。

  • 【収録作品】カマラとアマラの丘-ゴールデンレトリーバー-/ブクウスとツォノクワの丘-ビッグフット-/シレネッタの丘-天才インコ-/ヴァルキューリの丘-黒い未亡人とクマネズミ-/星々の審判

  • 廃園になってしまった郊外の遊園地跡に、不思議な青年が墓守をする、動物たちの墓がある。そこにペットを葬るためには、その青年と向き合い、自分の一番大切なものを差し出さねばならない・・・・。奇妙な噂に引きつけられるようにして遊園地跡にやってくるものと青年のやりとりを描いた短編集だ。
    ミステリー風の内容になっているけれど、テーマとしては、動物(それも、ペットとされる愛玩動物)と人間の関係性についてで、難しいテーマだからか、重たい雰囲気のものが多い。

  • 2012 11/6

  • 閉鎖された遊園地にある秘密の動物霊園。墓守をする青年。5つの短編。表題作が好きだった。動物との関わりをミステリー仕立てにして複数揃えるのは、なかなか厳しいかなぁ。トリビア的な動物の話は興味深かった。

  • 初野晴らしいダークファンタジーというか
    ファンタジックミステリ。
    ハルチカシリーズよりもこちらの
    感じの方が好きだなぁ…

    閉園され廃墟となった遊園地には噂がある。
    花に囲まれた動物霊園があり
    動物と話のできる墓守がいるという。

    どの話も読み終わった後に
    痛みをともなう読後感。
    天才インコの話もクマネズミとおんじいの話も
    どれも人間のエゴを考えさせられる。

    カマラとアマラの丘ーゴールデンレトリーバーー
    ブクウスとツォノクワの丘ービックフットー
    シレネッタの丘ー天才インコー
    ヴァルキューリの丘ー黒い未亡人とクマネズミー
    星々の審判
    の5話を収録。

  • 廃墟となった遊園地にある秘密の動物霊園と墓守の青年の物語。
    人間のエゴや身勝手さを強く感じた。
    後からじんわり沁みてくる感じは良いのだけれど、もうちょっと文章が熟れてたらなぁとも思った。

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著者プロフィール

1973年静岡県生まれ。法政大学卒業。2002年『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。著書に『1/2の騎士』『退出ゲーム』がある。

「2017年 『ハルチカ 初恋ソムリエ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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