著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194853

感想・レビュー・書評

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  • 2019.02.28読了
    台湾と中国青島を結ぶ物語。
    中国が絡む作品を読むといつもその時勢に関する自分の知識が薄いことに気づかされる。
    毛沢東、天安門、鄧小平、蒋介石などなど、中国の背景を理解せずしてどの小説も理解できないからだ。
    今回も国民党共産党が対立していたことはわかっても細かいこととなると自信がない。
    300ページくらい読んだところで小説の背景に追いついた感じ(以前に読んだ作品からの知識も思い出すので)。
    読み始めは、台湾のデタラメ具合や青島の時代背景と混同してしまって、どうして秋生はじいちゃんの死にこんなに拘るのか?殺人なんて日常茶飯事で警察もまともに取り合わないではないかと思っていたが、台湾でも殺人は大事件なのであって私の感覚が間違っていたようだ。
    そんなじいちゃんの死を巡って物語は進んでいく。
    主人公の秋生はなかなか魅力的な人物な上、彼の周りで起こる日常のおかしさに作者のウイットに富む表現がかさなり、ついついニヤつきながら読み進めて行った。後半〜結末にはかなりの読み応えがあり読了感もよく、オススメの一冊である。

  • 中国青島で糞を捻り出すシーンから始まる。あれ、日本の小説じゃない?読めば読むほど、中国小説の雰囲気。舞台や登場人物が中国人だからというだけではなく、生い立ちから成人するまでのスケールで小説を綴る技法、政治的な背景を散りばめた語り、ピンインに忠実な中国語のルビによって。直木賞受賞の東山彰良とはどのような人物?調べると台湾出身との事、なるほど。

    中国といっても舞台は台北。共産党に敗れ、台湾に逃げてきた国民党。その戦争で背負った一族の因果をキーに、日常に事件が起こる。この手の本が台湾側から書かれたモノを今まで読んだ事が無かった。重厚な読み応え。

  • 戦後の台湾の歴史の流れを垣間見ることができる。
    読み始めは、登場人物の名前を整理するのに時間がかかったが、物語にドンドン引き込まれていく。
    暴力的な話が多数出てくるが、幽霊やこっくりさんの話もあって、ミステリアスな台湾を感じる。
    私も子供の頃流行ったな〜。キョンシーとか、台湾から来てたんだな…。
    「流」という題名は、物語を読んで、なるほどと思う。
    どんな事象があっても、時は流れていく。
    そういうものなのだということ。

  • 直木賞受賞だから私好みかも(^^)♪と思って読みはじめたら、時代背景は解らないし、登場人物の名前(漢字)が読めない、覚えられない(T-T)となかなか大変だった~( ´Д`)でも中盤からはそれにも慣れて、この世界にスルスルと入っていけた(^-^)でも感想は一昔前の昼ドラマにありそうな話?(^^;)

  • 読み進めるに連れてどんどん引き込まれていった。戦争とは人の心を非人道的なものに変えてしまう。それぞれが愛する家族を守るためにすることを正当化はできないし、そうすることはしょうがなかった、と簡単に割り切れるものでない。戦争の混乱期を「あの頃は、子供の喧嘩のようなものだったな…」と振り返るところが、どうしょうもなく切なく悲しかった。絶対に戦争はいけない。

  • 台湾の話。兄弟分がやられたらやり返す喧嘩の日常。戦争で、たくさんの人を殺した祖父は殺され、犯人も分からずじまい。恋愛したり、ヤクザに追われたり、、、

    みんな、家族を守る為に戦っている。
    「流」というタイトルは、時間と血は流れているってことなのかな。

    名前が分かりづらいのと、時間はかかったけど、おもしろかった。

  • 何だか タラタラ続く話。終わり方もいまひとつ。

  • 台湾現代史から透けて見える日本統治時代…

  • 自分のルーツ、行動が似すぎていて、鳥肌が立ったことを覚えている。

  • 面白い。再読する内容ではないけど。一気に読んでしまう。

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著者プロフィール

1968年台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡県に移住。 2003年第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で、作家としてデビュー。 09年『路傍』で第11回大藪春彦賞を、15年『流』で第153回直木賞を、16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞。 17年から18年にかけて『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞、第69回読売文学賞、第3回渡辺淳一文学賞を受賞する。『Turn! Turn! Turn!』『夜汐』『越境』『小さな場所』『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など著書多数。訳書に、『ブラック・デトロイト』(ドナルド・ゴインズ著)がある。

「2023年 『わたしはわたしで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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