天と地の方程式 1

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062195669

作品紹介・あらすじ

■あらすじ■
この春で中学二年生になる田代有礼(たしろあれい)は、おかしな夢を見た。猿に「くるすの丘に、来い」と言われる夢だ。その直後に引っ越しが決まり、できたばかりの公立の小中一貫校「栗栖(くるす)の丘(おか)学園(がくえん)」に通うこととなる。中学二年生にあたる八年生の生徒はたったの三人。うちひとりは、おそろしく数学ができ、とてつもなく馬鹿とうわさのQ(キュー)だった。関わりあいになりたくないと思った矢先、Qとともに異空間に閉じこめられる――。

【いにしえより続く、天ツ神と黄泉ツ神の戦い。その戦いにカンナギとして巻きこまれる、栗栖の丘学園の子どもたち。新たな神話がここに幕開け!】

■富安陽子、初の三部作!!■
・『天と地の方程式 2』2015年9月刊行予定
・『天と地の方程式 3』2016年3月刊行予定

■書店員さんから絶賛の嵐!!!■
・これは夢か現実か!? 読み進めるほどに、膨らむスケールと高揚感。場面が変わるごとに成長する仲間たちの姿に、出会ったことのない興奮を覚えた。
―――――――――――――――――――――――――――――三省堂書店・内田剛さん
・扉は開かれてしまった! アレイとQのように突然、異世界に引っ張りこまれる怖いような感覚。早く、物語の続きに飛びこみたい!
――――――――――――――――――――――――――丸善丸の内本店・兼森理恵さん
・選ばれし者たちのどんな冒険が始まるのか!? 傑作ファンタジーの到来に、期待が高まる。久しぶりにわくわくが止まらない物語に出会った!
―――――――――――――――――――――――SHIBUYA TSUTAYA・内山はるかさん
・もう、本当に面白い! この一語に尽きる! スピーディーな展開と理系(!?)男子のややこしさ。テンポよく、ぐいぐいお話にひきこまれる。
――――――――――――――――ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店・米谷薫さん
・卓抜した記憶力、数の理を読み解く力……主人公たちが個性的で、クールなアレイか、破天荒なQか、「どっちがタイプ?」なんて話題で盛り上がりそう。
―――――――――――――――――――――――旭屋書店天王寺MIO店・丸山愛佳さん

感想・レビュー・書評

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  • 新設された学校「来栖の丘学園」に転校してきた、一度見たものはすべて記憶する能力を持つアレイ。そして驚異的な数学的能力の持ち主であるQ。
    二人はある日、異世界に閉じ込められて異形のものに追いかけられ、すんでのところで異世界から脱出する。

    その日の放課後、二人のもとに人間の言葉を喋る猿が現れる。そして二人は、猿に「くるすの丘に、来い」と言われるおかしな夢を二人ともが見ていたことを知り…

    ※※※

    これ、面白かったです!
    児童書だからめちゃくちゃ読みやすいんですが、でも内容は古事記を絡めた緻密かつしっかりしたSFファンタジー。ホラー要素とミステリー要素もあるかな。

    主人公アレイを始め、Qやその後に出てくる登場人物たちみんな、キャラが濃い。
    架空の現実の形をした異世界から、それぞれが持つ特殊な能力を使って脱出しなきゃいけないんですが、この異世界の描写がちょっとホラーでドキドキハラハラするんですよねー。

    全3巻らしいので1巻目であるこの巻ではまだ全貌がよくわからないし、登場人物たちも全然仲良くなってないんですが(笑)、これからの関係性の変化も楽しみ。

    良いファンタジーに出会えるとワクワクします。
    次の巻も早く借りてこなくては!

  • 現代に神話が現れるとしたらこうなる、という物語。神様が数学と無関係だなんて思わない方がよさそう、両方とも地球に存在してるしね…前者は感性の中に、後者は生物の中に。
    わたしは数学からきしダメですが、Qの話を聞いておもしろそうって思いました。数学は世界システムかあ…。
    富安さんは古典と理科と宗教を混ぜてこねて焼き上げる天才です。天ツ神を細菌と同じって言いきるのこの本くらいだよ。

    お猿のお迎えといえば日輪と猿の切っても切れない関係ですね。猿田彦とか日吉丸(豊臣秀吉の幼名)とか。仲間集めってことは富安さんは現代の天岩戸をやるつもりだろうか…。
    名前が大切な役割を果たすのは古典ファンタジーの鉄則。アレイは稗田阿礼からとったのかなと思ったら自称ですがその方が能力高まってそうだし、春来も本来の読み方になったらとんでもない力を発揮するし。
    ヒカリの能力は次巻かな。音楽はあらゆるもののなかで最も善なるもので常に正しいと、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんがどこかに書いてたっけ。

    続きカモオォォン!

  • 学園ものの楽しいミステリー系って感じかな
    神様から授かった類い稀なる才能を持つ7人が黄泉の国に支配されないよう戦っていく?のかな
    の物語だと思う
    まだあと2巻あるので全体像がよくわからないけど
    さて続きが楽しみ

  • 「くるすの丘に、来い」

    変な猿の夢を見たのち、アレイはクラスメートのQ とヨモツヒラサカのカクレガへと送り込まれる。

    二人は七人のカンナギを見つけて(あと四人)、カクレガに穴を穿てるか。

    悪神と神を悪玉菌と善玉菌、自分たちをマクロファージに例えているのが愉快。
    “エンコーダー”からこの物語が生まれたんだったりして…。

  • 話にスピード感があって、1巻から3巻まで一気に読んだ。
    一つ一つ謎が、テンポよく解き明かされていくので、読んでいて楽しかった。頭の中で、丁度上手く映像化されていくテンポなんだと思う。
    それぞれのピースが、最後に繋がっていく様子も面白かった。数学の問題でピタッと答えが出て、頭がスッキリする感じに似ている。
    物語に出てくる古事記、世界の遺跡、数学の魔法陣などについても、いろいろ調べ知識を広げてみたくなった。

  • とても読みやすくて、少し読んだだけでも続きが気になる本です。3巻までしかありませんが、とてもおもしろいので、ぜひ読んでみてください。

  • 天と地、と書いて「あめとつち」の方程式。

    この春で中二になる田代有礼(たしろありのり)はおかしな夢をみた。大きな猿が「くるすの丘に、来い」と言う。それが、毎晩だ。
    その直後に引越しが決まり、できたばかりの小中一貫校「来栖の丘学園」に通う事となる。
    しかしまだ人数の少ないこの学園、中学2年生にあたる8年生は3人。

    アレイの他には、数学の天才だけど、数学以外のことは「とてつもなくバカ」と評判の厩舎修(きゅうしゃおさむ)通称Q。
    女子は一人で、岡倉ひかる。小柄で、あまり喋らないが、音楽の才能がある。
    有礼はと言えば、見たものはなんでも覚える能力がある。自分では稗田阿礼にオマージュをこめてアレイと名乗っている。

    アレイは変人Qと仲良くするつもりはなかったが、学園内を歩いていて、不意に異空間に閉じ込めたれてしまう。

    なんとかそこを抜け出せたものの、なぜそんな事になってしまったのかは二人にはわからない。だが、二人して担任の井波先生に呼出をくらって逃げだした時、夢に出てきた大きな猿と出会う。そして、アレイは、Qもまた大きな猿の夢をみていたことを知る。
    大きな猿が語りかけてくることには・・・

  • 数学好きにはグッとくるかも。
    素数とか魔方陣とか、ちょっと楽しい(笑)
    同時期に「シロガラス」を読んだけど、どちらも天才?が主人公で和なファンタジー風味。比較すると面白い。
    魔界脱出ゲーム的な所も分かりやすくて、うけるだろうなぁ。

  • 古事記系異能学園ファンタジー! 天ツ神にカンナギとして選ばれた中学生たちが、黄泉ツ国と戦う。みな転校したてでただでさえ不慣れな日々を送りだしたところに、天ツ神から一方的に役目を担わされて不満タラタラな思春期ボーイズ&ガールズがどう連帯していくか見もの。
    この作品では、天ツ神は人間ひとりひとりに憑いており、それが顕在化したものがカンナギと呼ばれる、という設定なのだが、それを主人公に細菌やマクロファージに例えて説明させるセンスが好き(笑)。そんな風に、わりとシリアスとコメディのテンポが良く、ぐいぐいと引き込まれるようにして読んだ。神々の意図や少年少女の成長等、続きが楽しみな作品。

  • 中二のアレイは、新しい家に引っ越し学校も代わった。その直前に猿に「クルスの丘にこい」と言われる不思議な夢を見た。新しい学校で数学の点在Qと、突然異世界に引き込まれる。

    古事記を下敷きに不思議な世界が繰り広げられる。ちょっと不気味。

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著者プロフィール

1959年生まれ。1991年『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で第24回日本児童文学者協会賞新人賞、第40回小学館文学賞を受賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で第15回新美南吉児童文学賞を受賞、2001年『空へつづく神話』(偕成社)で第48回産経児童出版文化賞を受賞、『盆まねき』(偕成社)により2011年第49回野間児童文芸賞、2012年第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞、2021年『さくらの谷』(絵・松成真理子 偕成社)で第52回講談社絵本賞を受賞。絵本に「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズ(絵・降矢なな 福音館書店)、「オニのサラリーマン」シリーズ(絵・大島妙子 福音館書店)などがある。

「2023年 『そらうみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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