終わった人

著者 :
  • 講談社
3.69
  • (105)
  • (282)
  • (199)
  • (39)
  • (7)
本棚登録 : 1558
感想 : 266
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197359

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2016/06/17-18
    一気読み。
    いやぁ、怖い。自分の将来を見るよう。人事は他人が決めること。能力だけでは上にはなれない。派閥の影響などもある。
    仕事だけで生きている人にとって、定年は確かに生前葬だと感じる。特に自分の周りの人間が毎月のように定年になりパーティをやるとそう感じる。自分が定年になるまでには20年はあるが、恐らくあっという間。自分と家族の間で楽しめる趣味や、仕事以外でのキャッシュポイントはやはり必要だと強く思った。

  • 年齢を重ねると共に、世間の評価と自分の評価が乖離していくんだろうな。「終わった人」である事を認められない。いろんな所でそういう人を何人も見てきた。
    定年前後は人間性がオカシクなってしまう人が多い。そして右往左往する。人の評価は気にするくせに、自分勝手でどうしようもない。だから関わるとケンカになる事も多い。そういう典型的な男が描かれていた。東北地方の新聞連載なのでオチが311関連のNPOってのもリアル。そこでも失敗を繰り返すのだろう。でも、資産失っても年金500万ってところが超恵まれてるし、頭いいなら個人資産を家族に名義変えぐらいしとけよ。とツッコミたくなる。女はプライドがない分強いというだけでなく、そのズルサも描かれているのもよかった。

  • エリートサラリーマンが定年を迎え、プライドの高さゆえ孤立してしまうというありきたりの話しかと思いきや、中盤から流れが変わり一気に引き込まれてしまいました。

  • 共感の嵐だった。必要とされていた場所がなくなった時の虚無感、孤独とプライドと羨望、自分の属する場所をまたゼロから作る難しさ。

    地元って、どんなに離れてもまた完全にゼロからにはならないのが良い。人でも場所でも空気でも、必ず何か変わらないものが残ってる。

  • 表紙から自分のようにしがない平々凡々を想像してしまったのだが主人公は東大卒のエリート銀行マン。それだけ大した経歴なのだから仕方ないのだろうがどうも周りを見下したような態度が鼻について好きになれなかった。エンタメ性は抜群で物語として非常に面白かったのはさすがこの作者であった。

  • 2021/6/18 読了

    定年退職後のほのぼのしたような話かと思ったが、山あり谷ありな話でページ数は多いものの、サクサクと読めた。
    自分は定年したらどうなっているのだろう。

  • 個人的には、定年退職後に貯金さえあれば悠々自適な生活が送れ楽しいのでは、と思っていたがそうではないなと思った。今まで生活の芯であった仕事が抜け落ち、それを埋めようともがく。色々な人生があるだろうが「ちょうどよく終わる」のは難しい事なのだろう。
    しかし息をもつかせぬ展開で、読むのが止まらなかった。ジムの鈴木との出会いから顧問として招かれ、まさかの鈴木の死。「まだ」仕事の道が残っており迷いながらも社長就任。そして倒産。「終わった人」にここまでドラマティックな展開があるのなら人生最後までわからないなと思った。

  • 定年後の身の振り方を考える作品である。
    親を見ていてわかったことだが、仕事をしなくなったとたん、急に老化が進む。
    自分はどのようにしていこうか。

  • いろんな終わった人には考えさせられた。
    「人間の着地点って大差ないのね」に納得。
    物語の終わりかたにはちょっとすっきりしない感じ。
    品格のある衰退を目指すしか無いのかなと思った。

  • 身につまされる。
    そう遠くない将来に(と言っても10年以上先だけど)間違えなく同じ思いをするだろうと考えたら、身につまされた。リアルにどう生きようか考えてしまった。とりあえず失業保険は満額もらいたいなとか、国民健康保険料払えるかなとか、どうしょうもないことまで^_^

全266件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内館牧子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×