終わった人

著者 :
  • 講談社
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感想 : 266
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197359

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに騙された感がある。自分だけかな?

  • 内館牧子さんは初めて読んだけど
    読み易くところどころでドキっとする表現もあり面白かった。
    主人公は真面目に生きてきたのに、何が起こるかわからないのが人生だと再確認できた。

  • 定年後にやり甲斐を失った仕事人間の悲哀は良く聞くが、それだけで終わらない話になっているのは、さすがヒット作の脚本家。最初から引き込まれ一気に読めるが、後半は個人的になんともすっきりしない。主人公が職業人として成仏するために背負った負債は小さく無いが、豹変する妻の態度がやるせない。

  • 世知辛い…。
    50代くらいになってから読みたかった。
    ありきたりな退職後の話かと思いきや、そこは小説、多くの人には当て嵌まらなさそうな人生。

  • 銀行員の定年後をテーマにした小説。

    つい最後まで読んでしまったが、なんとも早、合点がいかない気持ちが残る。結局、主人公が「成功」していないからなのだろう。1億円5千万まで資産を残すところまでいって、会社社長をやって倒産させて、、、。

    自分の人生を考える材料の一つには間違いなくなったが。

  • 内館牧子の長編小説。
    仕事一筋で定年を迎えた東大卒のエリート銀行マンの定年後の悲哀を描く。
    『終わった人』というタイトルはなかなかに衝撃的だ。
    実際読み進めると、どこまでもシビアに、職なしカネなし、あるのは時間だけというリタイア男の現実が綴られていく。

    講談社にはこれまでにない数の読者カードが寄せられ、「どうして男の気持がわかるんだ」「これは僕自身がモデルかと思った」というコメントが多くあったそうだ。
    著者の内館牧子は「私はこの小説を決して甘くは書かなかった。」とコメントしている。

    考えさせられるが、読み終わった後不思議と気持ちが明るくなった気がした。
    「思い出と戦っても勝てない」…主人公がたどり着いた先を読んでほしい。

    舘ひろし主演で2018年映画化。

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  • 東大法学部卒業後、メガバンクに就職し、50手前でエリートコースから外れ、そのまま定年退職を迎えた主人公。その時点での個人資産1億円越えという時点で、既に一般人のお話ではない。普通のジジババになれず、紆余曲折あり社長になるも会社は倒産。資産の大半を失う羽目に。お互いに都合がよかったからと結婚した妻は、40代から美容師になり、還暦を機に自分の店を持つ。妻が管理してくれた老後資金を使い果たしてしまった主人公。夫婦仲は当然冷え込み、主人公は故郷の岩手へのUターンを望むが…エリートの人ほど老後は大変なのかな(精神的に)。一般人の一般的な老後のお話が読みたい。

  • p26 散る桜残る桜も散る桜 良寛の辞世の句

    p319 思い出と戦っても勝てない

    p333 思い出と戦っても勝てないのだ。勝負とは今と戦うことだ

    p346 故郷に帰れば、再起できそうだって思っているなら甘い
    男の人って、すぐ故郷って言うんだよね。特に年取ると、故郷に帰りたいって言うのはほとんど男。女はまず言わない。わかっているからだよ。故郷は遠くにあって、遠くから思うからいいってことを

    p372 重要なのは品格のある衰退

    英国が衰え、弱くなることを受け止める品格を持つことで、その後もインドと良好な関係を結んでいます。品格のある衰退の先にどのような社会を描くのか

  • 終わった人と言えど、まだ住む家もあり、かろうじて嫁もいて、娘や、孫や、友人がいる。そして東大卒!という頭脳も。
    もっと悲惨な(まぁ、後半金銭的にはかなり悲惨だけど)状況を想像していたから、そんなに終わってないよ…と思った。

    とはいえ、がっつり会社員生活を全うし、定年というパターンは他人事ではなく、
    シビアな娘の言葉をおそれる未来が自分にも?と思いながら読んだ。
    設定がやや自分の日常より出来すぎてた分がいまひとつ。
    映画は館ひろしだったのかー。なるほど。

  • 若い時は定年なんてずっと先のことだと思っていた。主人公のようにまだまだ仕事に心を残したままでは老後も余生もないのだと思う。
    高齢者というには若過ぎ、もはや壮年でもない。
    居場所の決まらない毎日の中でもがく姿はなんとも言えないものがある。
    運良く新しくやりがいのある仕事を得てもいつまでもできるわけではない。年をとることは平等なのだ。
    また年齢とともに夫婦のかたちもかわっていく。悠々自適な毎日はあり得ないのだなと思う。

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著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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