- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062565585
作品紹介・あらすじ
「毒になる親」に傷つけられた子供の心は、歳を重ねても癒されない。悩む数千人の人々を20年以上にわたってカウンセリングしてきた著者が、具体的な方法をアドバイスする"現実の希望"にみちた名著。
感想・レビュー・書評
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毒親に育てられると自分に価値を見出すのが難しい、自分は不十分であると感じる。
小さな子どもにとって親は正しく完璧な存在
親が間違っているとは気づかない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本語訳が素晴らしく、めちゃくちゃ読みやすかった!
この本を知ったきっかけは、ブクログのランキングで上位に上がっていたから。(かなり前からタイトルに惹かれて読みたいリストに入れていた)
評価も高かったし元保育者としても今後親になりたい意欲のある者としてもきになってました。
なんかこれから育児する身として良い親になりたいなという思いから読んだんだけど、毒親のせいでかなり精神的に参っててセラピー受けながら共に読んで人生を変えていくっていうのが主の話で思った以上に終始真剣で対象者に寄り添っている
本だったのでびっくり。
ただ、いろんな人がいるということをこの本を読んで学び、その人がどう手にすべき自分のための人生を切り開いていくかを知れた。
もし今後同じ理由で困っていそうな人を見つけたらこの本を勧めるという少しの助けができるだろう。 -
【はじめに】
自分を守るすべを知らない子供だった時に大人からされたことに対して、あなたに責任はないのである。
幼い子供に対して親がしたことに関するかぎり、すべての責任はその親が負わなければならない。
もちろん、私たちは、大人になってから後の人生については自分に責任がある。だが、その人間がどのような大人に成長するかということは、成長の過程において自分の力ではコントロールできない家庭環境というものによって大きく影響され、それによってその後の人生の多くが決定されてしまうということも忘れてはならない。
大人としてのあなたの責任とは、現在自分が抱えている問題に対していますぐ建設的な対策を講じ、問題を解決する努力をすることなのである。
【義務を果たさない親】
ワーカホリックとなって必要以上に毎日何時間も働くことによって、子供時代から現在に至るまでの寂しさや虚しさと直面しないでいられた反面、長いあいだに身についた「自分はいくらやっても十分ではない」という意識をさらに強化することとなった。彼が無意識のうちに抱くようになったのは、「長い時間頑張れば仕事を完全にやりおおすこたができ、自分は能力のある人間だと証明できるのではないか」という幻想だったのだ。彼は今でもまだ親を喜ばせようとしていたともいえるのである。
【アルコール中毒の親】
彼は小さなころから能力以上の重荷を背負わされ、それに耐えて年齢に不相応な努力をしてなんとかやり遂げることで周囲から認められてきた。つまり、生まれつき価値のあるひとりの人間として扱われることによって自己に対する確信の中心を形成していくのではなく、何を達成したかという外面的なことによってのみ、自分の価値を証明しなければならなかったのだ。そのため、彼の自信は、どんなことができたか、どんな成績を取ったか、人から賞賛を受けたか、などということによってのみ決定され、ひとりの人間として内面からわき出てくるものではなかったのである。
子供時代の彼があらゆることに優秀だと言われるほどになったのは、そうなることによって暗くみじめな家庭環境に対抗するためだった。「家でも学校でも完璧な子供」という役は、人生にある程度の確信を与えてくれたが、彼は自分を駆り立てるばかりで、自分をなぐさめたりリラックスすることを知らなかった。
子供の時から感じていた救いようのない人生に対する反動から、臆病な性格にもかかわらずまわり中の人間をコントロールしないと気がすまないタイプの人間に成長した。
彼が周囲のすべてをコントロールしようとするのは、そうすることによって悲惨だった子供時代の体験をくり返すことが避けられると無意識のうちに信じていたからだった。
アル中の親のいる家庭には、おとぎ話のようなハッピーエンドはまずほとんど訪れない。
もしあなたがアル中の子供だったら、自分の人生を自分の手に取り戻すためのカギは、そのような親を変えなくてもあなたは変わることができるのだと自覚することだ。あなたの幸福は、あなたの親がどんな親であるかによって左右されなければならない理由はないのである。たおえ親はまったく変わらなくとも、あなたは子供時代のトラウマを乗り越え、親によって支配されている人生を克服することができる。あなたに必要なのは、それをやり抜く決意と実行力だけなのだ。
【残酷な言葉で傷つける親】
何事も競いたがる親は、子供時代に物が不足していたり、彼ら自身の親がやはりそのような人間だったために愛情を与えられなかった犠牲者であることが多い。その結果彼らは、物でも愛情でも、自分にとって必要なものがいつも不足している気分がしてあえいでいる。そのため、いくらたくさん手に入れても、「これで十分」と安心することができないのである。
(中略)このような親に育てられた子供は、何かのことで親をしのぐことができた時、なんとなく後ろめたい気分になることがある。うまくやれればやれるほど、ますますみじめな気分になってくるのである。
頭のなかで鳴り続ける親の声を消しさらないかぎり、状況が変わることはない。
親の非情な言葉は子供をひどく傷つけるばかりではなく、魔力をもった呪文となることがある。実は、彼のような形の自殺願望は、こういう親を持った子供には比較的よくあるのである。
人間の脳は、人から言われた言葉をそのまま受け入れ、それをそっくり無意識の中に埋め込んでしまう性質がある。これを「内面化」といい、ポジティブな概念もネガティブな言葉や評価も同じように無意識のなかに収納される。
子供に暴力を振るう親には共通したいくつかの特徴がある。
その第一は、まず自分の衝動をコントロールする能力が驚くほど欠如していることだ。そのために、自分の内部に怒りやフラストレーションなどの強いネガティブな感情が生じるたびに、それを子供に向けて爆発させてしまう。つまり、自分の行動が子供の心にどのような結果をもたらすかということについて、ほとんど自覚していないと言っていい。彼らの行動はストレスに対する反射的でほとんど自動的な反応に近く、衝動とそれに対する反応行動が直結してひとつになっているようなものだ。
(中略)
第三に、子供に暴力を振るう親の多くは、子供の時から感情的に満たされず、大きなフラストレーションを抱えたまま成長して大人になっている。(略)彼らは自分の子供を、心を満たしてくれなかった親のかわりに満たしてくれる対象と見なしている。したがって、子どもが自分の望むことを満たせないと激怒し、激しくくってかかる。だがその時、本当に激怒している相手はその子供ではなく、自分の親なのである。
子供時代に常に緊張と不安にさらされ、苦しみを強いられてきた人間は、成長するとともに、自分を防衛するために常に心身を硬くこわばらせた人間になっていく。それは精神的な鎧をまとっているようなものだ。しかし、そうやって自分を守っているつもりでも、それは他人を近づかせないということであり、自分を牢獄に閉じ込めているようなものなのである。
【「怒り」と「悲しみ」】
私は、いつの日か自分の家が幸せな家庭になってくれたらという幻想を、いまここに捨てる。私は、もし親がああではなかったら、もしこうだったなら、などという希望や願望を、いまここに捨てる。私は、子供の時に親を変えるために何かできたのではないかという幻想を、いまここに捨てる。私は、愛情ある素晴らしい親を持つことは永久にないであろうということを、いまここにはっきりと自覚する。私は、そのような親を持てなかったことを、深く悲しむ。
だが私は、この現実をそのまま受け入れる。そして私は、すべての幻想には永遠に、そして心静かに、別れを告げる。
【独立への道】
あなたに負わされたものは、その原因となった人間に返さないかぎり、あなたはそれをつぎの人に渡してしまう -
読んでよかったと思える作品。自分の親が毒親であることはわかっていたけれど、どういうタイプの毒親で、それによって自分にどんな悪影響が出ていたのかが分かり、毒親に対する自分の感情との向き合い方も学べた。自分の中の感情は子供の頃と比べたら落ち着いたと思っていたけれど、チェックリストを見てみると根深く残っていたのだなと気づくことも出来た。
対決の重要性はわかったけれど、対決に至るまではまだまだかかりそうだなと思った。
いつか子を持ちたいとは思っていて、その時は「自分の親のようにはならないようにするんだ」と思っていたけれど、思うだけじゃこの毒親の連鎖を断ち切れないかもしれない。本書のアドバイスを参考にしても断ち切れなかったら、その時こそ親と対決を試みたい。 -
題から、親が全て悪いような印象を受けてしまう。
上司と部下、先生と生徒、色々な所に関係の歪みがあるのだと思う。でも、誰のせいでもないのだと思う。
世の中は、少しずつ着々と良くなっている。人にされて嫌だった事を自分はしない、今をもっと良くする。そんな事があちこちで、意識的に、無意識に行われていると思う。
親が敵なのではなく、彼らの努力の後を自分が引き継いだと言う事だと理解した。そして、自分たちの後を引き受けてくれる人たちもきっと現れるのだと思う。 -
読んでいて心底暗い気持ちになる。読み進めれば益々、呆れ返って怒りさえ湧いてくる。そんな本です。スーザンフォワード氏は、毒になる親のパターンを広く網羅し最後は対決する必要性を説いている。日本人でもきっと当てはまるのであろう。子を持つ身として考えさせられた内容だった。
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「毒親」という言葉の由来となった著作。「毒になる親」に傷つけられた子どもの心は、年齢を重ねても癒されることはない。それどころか気づかないままに自分も毒親となってしまうこともある。不幸な子ども時代を送った人、大人になっても親と衝突を繰り返して生きづらさを感じている人にはぜひ手に取ってもらいたい名著。
ぼくはもういい歳のおじさんだというのに、親の過干渉に悩まされている。家族のことを手伝わないと罪悪感を負わされ、ここまで育てたのに恩知らずと言われ、共感や愛情を受けたことがないと感じている。その悩みから、毒親の原典となるこの本を読むことに。翻訳本なのだけど、とても読みやすい!これ一冊持っていれば毒親関連本はいらないほど、毒親の特徴から対処法、子である自分がするべきことが網羅されている。過去最大の付箋数になってしまった(笑)
この本は毒親に悩まされる子に寄り添ってくれるだけではない。彼らと戦う術を教えてくれる。それは親を変えるのではなく、自分が行動して納得するための戦いだ。そういう意味では癒された先に厳しさも持ち合わせている。親にこの本を読ませたら変わるのでは?なんて淡い希望を丁寧に打ち砕いてくれる。これは毒親から自立するための本だ。そのための考え方から行動まで押さえてある。
ぼくが一番いいなと思ったのは、「反応」と「対応」の違いの話。自動的で反射的な「反応」に対し、「対応」は巻き起こった感情とともに考えている。感情をどうにかするのではなく、自分は感情に対してどう対応したいのかコントロールする。これはぼくの不安障害に対しても有効な考え方だなと感じた。
毒親に変わってほしい。自分を認めてほしい。嫌になるほど考えてきた。でも、親に反応すればするほど依存する巧妙なシステムになっている。そんなゲームには関わってはいけない。DV、モラハラ、ネグレクトなどの問題が取りざたされる今でも、親が自分の自尊心を満たすために子を水面下でコントロールする問題は確かにある。毒親の被害者が次の加害者にならないためにも、ぜひこれを読んでみてほしい。 -
自分が毒親にならないように気をつけるために読みました。
どうしても感情が先にきてしまいしつこく怒ってしまうこともあります。
そうならないようにこれからも気をつけて育児していきたい。
完璧は無理だけど、気をつける為に本を読むことでコントロールできるようになりたい。
そして、毒になる親の元で暮らす子供が減ってほしい。