恵比寿屋喜兵衛手控え (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633406

作品紹介・あらすじ

争いは世の常、人の常。江戸の世で、その争いの相談所が恵比寿屋のような公事宿だ。ある日、若者が恵比寿屋を訪れ、兄が知らぬ男に金を返せと訴えられたと相談した。喜兵衛は怪しい臭いを感じとる。事件の真相は如何に? 江戸の街に生きる市井の人々を、愛情込めて描く長編時代小説。第110回直木賞受賞作。(講談社文庫)


争いは世の常、人の常。
江戸の世で、その争いの相談所が恵比寿屋のような公事宿だ。
ある日、若者が恵比寿屋を訪れ、兄が知らぬ男に金を返せと訴えられたと相談した。
喜兵衛は怪しい臭いを感じとる。事件の真相は如何に?
江戸の街に生きる市井の人々を、愛情込めて描く長編時代小説。
第110回直木賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 廃棄: 2022年4月22日

  • 一時期、日本橋馬喰町に住んでいたことがあり、ほど近い伝馬町に牢獄があったという話は聞いたことがあったが、訴訟を巡ってこのような制度があったとは知らなかった。もちろん現代とは制度も全く異なるのだが、似たような雰囲気を感じる瞬間もあり、なかなか興味深かった。

  • 再読かと思われ。
    うーん、好みの問題かと思うものの、出だしの文体から何と言うか受け付けられない感あり。我慢して読み切ったものの、その違和感は最後まで拭えず。直木賞って良い意味で軽やかさがあると思ってますが、本作、正直中途半端な感じがしなくもなく。

  • 直木賞、解説:縄田一男

  • 江戸時代の訴訟について、(多分)しっかり調べ、それを背景にした作品。なるほど、そんな風に江戸時代の訴訟は行われたのかと感じさせられる。例えば公事宿の存在からしてそうである。
    主人公やそれを取り巻く人々は無理なく描かれており、またストーリーも訴訟そのものや、それに絡む公事宿と百姓宿の対立、主人公の家庭の問題などの複数の筋をうまく絡めて進められる。
    表題もあらすじの立て方も、軽い捕物帳のはずなのだが、この人の作品の特徴かもしれないが、よく言えば重厚な、悪く言えば重苦しい話の進め方である

  • 江戸時代の裁判沙汰がわかりやすく、おもしろく、描かれていた。

  • 公事宿、恵比寿屋の主喜兵衛が携わる越後の刈羽郡の比角村の百姓六助の兄が訴えられた公事と家庭内のゴタゴタが絡み合い物語りは進んで行く。

  • 江戸時代、民事訴訟に訪れる人を泊める宿、公事宿の主である喜兵衛。訴訟事はきちんと適切に対応するが、病身の妻が居て、妾を囲っている。病身の妻を煩わしく思っているが、死んでしまってから、良心も出てくる。

    訴訟事が進んでいくと同時に決して好感が持てる訳でない主人公の人となりがじわじわ伝わってくる。仕事が出来る中年を美化することなく現実的に描いた作品。

  • 時代背景や人物像の描写が緻密。
    読みやすい。
    話の流れもいい。

    でも地味過ぎてつまんね。
    読んでて惹きつけられるモノがなし。
    途中で秋田。

  • 短編ものかと思いきや物語は続き、オチまでしっかり読ませます。

  • 民事訴訟から始まる歴史推理小説。江戸時代の裁判制度とを横糸にいくつかの事件が、見事に絡み、展開し、収束していく。「さて、一件落着」の直後に、推理とは別の展開で見事にひっくり返される結末は見事。

  • 110回 1993年(平成5)下直木賞受賞作。江戸時代の法廷もの小説。今で言う民事訴訟をするために江戸へやってきた人たちを泊めて、世話をする”公事宿”の主人と利用客の話。時代劇、ミステリ、人情話が楽しめる良作。おすすめ。

  • 直木賞を受賞した江戸時代の公事訴訟(裁判)を題材としたミステリー作品。

    物事の争いには、勝ち負け、白黒では片づけられないものがあり、表から見た裏と裏から見た表ではそれぞれ捉え方が異なることを実感させられる。

    人は自分に都合がよい方へ動き、それによって他人を追いやってしまうのだろう。主人公はけして善人ではない。敵役である茂左衛門も悪人でない。それに気がつき六十六部と自分を照らし合わせてしまう主人は不幸だと思う。

    読み終わった後に後味の悪さが残るがこれがこの作品の伝えたい部分でもあるのだから仕方がないと思う。

  • 2013/07/13完讀

    ★★★☆

    這本書對江戸時代的訴訟制度、公事宿有不錯的介紹(不過可以讀出作者的一點掙扎:有時候好像想要把制度寫得很詳細,又怕太繁複,有些時候就有點不上不下的感覺:這裡解說得不夠,或那裡又太囉唆了的感覺)。作者是念法律的,看直木賞選考委員的意見,都一致贊同她把江戸時代的訴訟寫成小說,開拓新領域的努力。確實,讀完後對文中的訴訟制度有一定程度的瞭解,但我想這本書對一般人還是有點門檻的。

    故事整體寫得很流暢,讀起來蠻舒服的。但故事以及人物的關係,在我的感覺倒是有點斧鑿的痕跡,也有點故意弄成推理小說取悅讀者的感覺。如果要寫人物之間的情分與糾葛,又有點過於平面。如果加強諸如絹和喜兵衛之間的互動和描寫,我想整體會更成為一個更具說服力的故事。

  • 第110回直木賞受賞作
    佐藤雅美さんの代表作でもありますねー

    公事師という職業について この本で初めて知りましたね
    今で言うところの 司法書士のような仕事ですかね

    梟与力シリーズにも 脇役で女公事師が登場しますが
    この本の影響かもしれないですねー^^ なんてね

    そのくらい 詳しく書かれててわかりやすいですね
    話の内容も面白いです

  • 3月23日読了。第110回直木賞受賞作。江戸時代の旅人宿・恵比寿屋の主人喜兵衛。大金を横領され見に覚えのない取立てを受けたと訴える客人とともに奉行所へ訴え出るが・・・。吟味方による入念な調査、白州での取調べなどの描写は他の時代小説には見られないものだが、筋運びがまったりとしてちょいとテンポが悪く感じる。主人公の喜兵衛もなんだかうだうだ悩んではいるが、腕っ節の強さも知力の高さも感じられず共感を抱きづらいのも要因か。


  • とても丁寧に書かれた物語。

    すごく波瀾万丈でもないけど、地味な物語が少しずつ膨らみ、複雑な小さな逸話が絡み合う。
    すべてが丸く収まるハッピーな話!では決してないのだけれど、読み終わってわーい!ということもないのだけれど、
    その丁寧な筆運びに思わず膝を打つ。

    最後に複雑な糸がきちんとまとまると、思わずふぅ。

    質素だけれどとても質の良いものを食べました、満足。という感じ。

  • 直木賞受賞作品。公事宿のことを知った本

  • 江戸時代の調停宿(公事宿)の話、こんな制度があったことを知ることも楽しい

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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