音楽の海岸 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 855
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062634816

感想・レビュー・書評

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  • すごく久しぶりに読みました。
    6年か7年ぶりくらい。

    この本は私がある程度小説を読めるようになった本当に初期に読んだため、かなり影響受けました。
    一文一文、けっこう覚えてましたね。

    ろくでもない人間のステレオタイプがどんどん出てきて、その人の人生を含めた本質を3~4行で的確に書いてしまう技術がすごい。

    誰かの人生を削って生活してる主人公に対して、イノセントの権化みたいな妹を配置してくるところとか、子憎いわぁ。

    12.06.20

  • また騙された。
    時々現れる研ぎ済まされた表現に惹かれて読み進めて行き、最後にはお釣りが出るほどのがっかり感が。。。

  • 2012/05/05 文章にも人物にもプロットにも小道具にも、一つとして心が引っかからなかった・・・

  • セリフの書き方が面白かったです。最初は「ん?」って感じだったんですけど、慣れてくるとドキュメンタリー番組の編集みたいに、ひとつのセリフが終わると画面が切り替わるような感じでした。映像的で好きです。

    気になったのは石岡以外のキャラクターがみんなカタカナ表記だった事。なんでなんだろうなー。ケンジ、ヨリコ、サイトウとなんだかゲームのキャラクターみたいな名前が並ぶなか石岡だけが急にリアリティーのある熱を持った人間みたいに思える。カタカナの人たちは彼をドッキリに嵌めるためにいる仕掛人みたいな感覚。或いはそうなんでしょうか。ケンジが石岡にしかけたドッキリ。サイトウや女たちはドッキリを成功させるための仕込みみたいなもの?そう考えるとケンジの女に対する気持ちはやっぱり「大切な商品」止まりになってしまうけど。ケンジが女たちにしてあげる事は決して愛情ではなくただ商品を高値で売るための義務とか作業。でも多分その境界線は割りとぼんやりしているような気がする。していてほしい。物に対する愛着と人に対する愛情はちゃんと違っていてほしい。
    それから最後の方に中盤からもうずっとケンジのセリフに「」がついていないのはなんでなんだろう。ケンジがケンジでなくなっているような印象を受けます。どこが具体的に「」つかなくなる最初なんだろう。結構最初の方からついてないのかな。細かいことですが。

    美学のある小説だったと思います。久々にぐっとのめり込む暗い小説でした。

  • 村上龍らしい小説だった。
    あまりに自分と生きている世界が違う主人公ケンジ。
    音楽が嫌いで嘘を日常的につく彼に共感はできないけど、どこかかっこよさを感じてしまう。

    過激な描写も多くあり人には勧められないけれど、村上龍の小説に出てくる男性は魅力的だ。

    そしてこの小説を読んで、村上龍にとって「心臓」は1つのテーマなのだろうと思った。

  • 村上龍らしい行くトコまで行ったから書けるような作品かな…嫌いじゃない。

  • 主人公の頭上に俯瞰カメラを設置して、そこから神視点でみたものが語られる、ような印象を受けた。
    エロティックでグロテスクな表現が入り混じった過激な描写も多いが、難解さはなく、読み易い。

  • 小説を読むことはこういうことだ、
    自分とまったく違う世界の見方をする人間と対話をする。
    そういう意味で私にとっては非常に素晴らし体験をもたらした小説と言える。
    万人にとってそうであるとは言わないが一見の価値はあるんじゃないだろうか?
    ただ、この小説はエロであるとか、グロであるとか、暴力であるとか刺激的な表現を極力減らして書かれていると思うのだけれど、人によっては不快感を感じるかもしれない。

  • 発売日:1997年4月14日

  • 映画みたいな構成だった。
    満足度7+

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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