スプートニクの恋人 (講談社文庫)

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著者 : 村上春樹
  • 講談社 (2001年4月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731294

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スプートニクの恋人 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「僕」のすみれに対する想い、出会えた喜びが真っ直ぐに伝わってくる。
    成就するとかしないとかはともかく、こんなふうに人を愛せたら、幸せなんだろうなぁ。
    これはミュウとすみれの物語ではなく、確実に僕とすみれの物語だ。

    地中海に浮かぶ、ギリシャの小さな島の風景や、ミュウの観覧車の話は、まるで映画のワンシーンのようだった。

  • はじめての春樹。
    人間の、心とか感情とか、ふわっと、ゆるゆるっとした部分をずっしり重く書く人だなあと。
    リアルなファンタジーといいますか。無国籍風な感じがより世界観を作り上げていた。

  • テンポが、ボヘミアン・ラプソティのように緩急があって一気に読めてしまいます。後半はさしずめ村上春樹流、欧州怪談といったかんじで、ありえないことなのだけれど、ありえるかもしれないと思わせられじんわりとした恐ろしさと味わいました。

  • 相変わらず刺激的な文章だ。
    読んでるときはすごく面白い。
    でも、やはりどこにも行きつかない話だった。

  • 読まなきゃいけない本が他にいっぱいあるにもかかわらず、新たに図書館から借りてきた村上春樹(笑

    すみれちゃんとは共感できる部分がいっぱいあって、(しゃべり方とか、考え方とか、そのスタンスまたは左右違う靴下、など)すごく似ていると感じた。そのおかげで、もしかして私に恋をする男の子はこんなことを考えるのかな、とかすごく傲慢というか場違い的な事を思ってしまった‥

    そうよね?
    そのとおり。

    これも私が心の中でよくつぶやく言葉。

  • 「スプートニクの恋人」村上春樹。
    読み始めてすぐに「もしかして?」。
    中盤でハッキリ言及され「やっぱり!」。
    この小説、舞台が、東京都国立市なんです。主に。いや、一部が、かな…。
    だからなに? と言われると、何でもないんですけど。自分が若い頃に寝起きしていた街なので、懐かしいなあ、というだけで。この本の魅力なり本質と言うものとは、関わりはありません。いや、無くもないのか…
    どことなく浮世離れした、と言っても所詮は多摩地方である、という小奇麗でサバーバンで文教地区で山口百恵な感じが、ムラカミハルキワールドにけっこうイケるんぢゃないかなって思いました。間違っているかも知れませんが。(村上春樹ワールドについてと、国立市についての両方とも)
    たしか、「ぼく」が国立市に住んでいて、「すみれ」が吉祥寺の設定だったと思います。中央線コネクションですね。
    #
    1999年に発表になった村上春樹さんの小説。
    らしいと言えばらしい、そして村上さんの小説の中では、長編というよりも、「長い短編」と言うべき系譜に所属する気がしました。
    「羊をめぐる冒険」「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」「海辺のカフカ」「ねじまき鳥クロニクル」などのような、なんていうか複数の断層があるような感じではなかった、というだけの意味ですが。
    #
    語り部は「ぼく」で、日本の都市部で暮らす20代の男性。仕事は小学校の教員。
    その「ぼく」が恐らく大学生時代からなのか、付き合いである女友達が「すみれ」。
    簡単に言っちゃうと、すみれちゃんは小説家になることを信じて疑わず、親が開業医で金があるために仕送りで暮らし、ロックでアウトローな雰囲気と外観で朝寝て昼起きてタバコを吸って小説を書くのだけど一つも書き上げることなく暮らしている。
    そして、ほとんど依存の関係のように「ぼく」に深夜電話をかけてきたり、とにかく絡んでくる。
    「ぼく」はずうっとそんな「すみれ」のことが大好きなんだけど、男女としては相手にされないであろうことを感じていて、タダの友人関係に甘んじている。仕方なく別に男女関係の相手を作ったりしているのだけれど、やっぱり好きなのはすみれちゃんだった。
    そんなすみれちゃんが22歳のときか、強烈な一目惚れ、運命の恋に落ちます。相手は、かなり年上で、相当なお金持ちの実業家で、韓国籍の人で、既婚者で、そして女性だった。物語の中ではミュウという呼び名。そして、このミュウさんは別段同性愛者ではない。
    ミュウを求めるすみれ、すみれを求める「ぼく」。三人の物語は東京からギリシャの島へと移り、すみれは失踪した…。
    #
    と、言うようなお話。
    すみれちゃんの、ミュウさんへの恋心の経緯を追っていく物語は、起承転結で言うと「転」のあたりで、「えっ?」という急展開を見せます。言ってみればそれまで、洒落た心理描写と語り口の一風変わったよろめき恋愛物語みたいだったのが、突然、カフカ的な不条理のるつぼに叩き込まれる感じ。
    なんだけど、そんな中にもしっとりとロマンチックが止まらないのが村上春樹さんの暴走する恥ずかしさ。素晴らしさ。
    ちょっと途中で「分かったからもう次に展開してください」と訴えたくなる思わせぶりな生殺しの時期もありましたが、総じて憎らしいくらいに先を焦らして意外に転がして、どきどきわくわく読ませてしまう。
    そんなカッパエビセン風味も、「長めの短編」感がありました。「多崎つくる」とかと似ています。
    で、まあ、相変わらず恋愛なんです(笑)。でもそれでいいんです。恋愛について描かれているけれど、その向こうに伝えたいことってきっと恋愛性愛ぢゃ、ないんだなあ、って言う気がします。
    なんでも上手く書ける人は居ません。
    #
    読後に後味として僕が感じたのは、「社会に出る。世... 続きを読む

  • 久しぶりの再読。こんないい本だったとは。前読んだときより響いた。やっぱりタイミングってあるんだな。村上春樹はとくにそう思う。

  • この小説が好きで4回目の読了。
    登場人物が少なく、物語の世界も限定的。
    ひどく孤独な恋の物語。
    一人の人生がどんなに豊かでもやはりその活動できる範囲は限界が有り、ほとんどの人は狭い世界を限定的に生きる。
    大切な人も絞ってみると非常に少ない。
    そんな限定的な人生で出会う人達はやはりそれだけで物語が完結してしまえる程、存在感がある。
    どんな人生が良いのかわからないけれど、こんなスモールワールドでも充分幸せに物語を紡いで行ける。

  • 村上春樹は文章が気に障るっていう話でとある人と盛り上がった。そうなの?あるいは。みたいなやりとりとか。言葉の選び方が、ひとつひとつひっかかる。良い意味でも悪い意味でも。だからずっと違和感を抱きつつ、でも読んでしまう。

  • 遡って、今読むと村上春樹的な小説の全てが含まれているように感じる。中編の分量であるが故に、余計に村上春樹的な部分が色濃く出ている。

  • 苦しい。相変わらずすんなりと読ませてくれない。ノルウェーの森よりはかなりマシだけれど。村上春樹を読むのってどうしてこんなにしんどいんだろう。内容はそんなに悪くなかった。いや、かなり良かったのかもしれない。感情移入も、共感もそれなりにできたし、いろいろと考えることもできた。

  • これは面白かった。あちこちにとぶ妄想のような世界と、スピード感あふれる世界に惹きこまれた作品。
    今のところ、村上春樹の作品では唯一肌のあった本。

  • 村上春樹の本は、海辺のカフカが初めて。
    その時は、読みづらいし、内容も上手く入ってこなくてなんで、こんなに評価されている本なのかわからなかった。

    でもスプートニクの恋人は、何気なく喫茶店で、手にとってみると、数ページ読んだだけで引き込まれた。
    綺麗な文章だと思った。恋愛感情の表現が誠実な感じがして、好きだなーと思った。
    小説家を目指すすみれが、青春してるなーって感じで輝いてみえたし、主人公とすみれのやりとりが、温かく思えて良かった。

    すみれがいなくなったあたりから、なんか海辺のカフカっぽいファンタジー要素が出てきた気がする。
    でもファンタジーって言っても、ゲームみたいなファンタジー性じゃなくて、「あぁなんか、あるあるこの感覚。もしくは、憧れている現実性のある非日常みたいな感じ。」と、とにかく親近感がわく、ファンタジー性がとても素敵だった。

    ストーリーとしては、説明しづらくて、なにがどうだったからハッピーエンド、みないたわかりやすさはないんだけど、個人的には後味がいい、お話でした。

  • 春樹の作品の中の登場人物にはいつも多少いらいらとさせられるけれど、
    スプートニクは素敵な登場人物ばかりだと思う。

    1年くらい前に読んだけれど、たまに小説の中の些細な情景を思い出す。
    あいまいなエンディングが氾濫しまくる世の中で(そこがいいこともあるんだけれど)、さっぱりと分かりやすいハッピーエンド(恐らく)でほっとした。

    がむしゃらな小動物みたいな「すみれ」とぜひとも友達になってみたい。

  • 久しぶりの村上春樹。
    再読。

    一言で言うと、とても良かった。
    この本はあまり印象が残っておらず、あんまり面白くないかもな、と思いながら読んでいたのですが、中盤から引き込まれ、一気に読まされてしまいました。
    色々自分に置き換えてしまいますね。
    深い余韻が残ります。

    やはり、村上春樹の文章は美しい。

    どうか希望を捨てずに。

  • 不思議な話だけどすごく心に残っている作品です。
    タイプの違う女性同士の心の通わせ方、それぞれがお互いを大切に思っているのがわかる。
    好きな人に認められたくて、褒められたくて頑張るのは良くある現象だけど同性に対してそこまで思えるものかは難しい。
    最後の方、とても悲しい、切ない、どうしようもない気持ちになった気がします。
    だいぶまえに読んだ作品で、あいまいですみません。でもすごく好きです。

  • 村上春樹の世界だ

  • 「こちら側」と「あちら側」を描いていた作品だけれど、「こちら側」に残されてしまった人の視点で進むのが特徴的。
    当たり前に隣りにいたその人がいざいなくなった時に初めて感じる寂しさを、ありとあらゆる推測と比喩を用いているのが、作者の独特な雰囲気を醸し出している要因なのかなと。
    「あちら側」に連れてかれてしまいそうな、音楽と月の引力の描き方がなんだか怖かった。

  • 移動は中央線。冷蔵庫の中のものでサラッと料理。
    長い手紙。抑えきれない性欲。向こう側の世界。

    いつも通りの春樹ワールドに、いつも通りトリップ。

    そうよね?
    そのとおり。

  • わたしが村上春樹に手を出して2作目。わりと気に入った!

  • あちら側の世界と、こちら側の世界。半分になった自分。すみれ、ミュー、僕。登場人物が魅力的。

  •  そこに残されているいちばん重要な意味は存在ではなく、不在だった。
    (p312)

     毎度「喪失」(あるいはただの「消失」か。しかしきっと前者だろう)をテーマとして扱う春樹だが、そのテーマが如実に表れているのは、この本ではこのセンテンスだろう。

     春樹は苦手と感じていたが、江川君のお薦めのとおりスプートニクは読みやすかった。
     十ページ目くらいかな、ああ、春樹節だとは感じはしたものの、私の頭は決して拒みはしなかったし、むしろすらすらと読み進めていけた。これが春樹の推理小説風な書き方の効用だろう。
     最後の何章かで「喪失」の重さにギシギシ軋みをきたしたし、それが私が苦手と感じていたところの小さな一部なのだが、最後の変調が助けてくれた。
     にんじんは何を比喩していたのかな?それとも自白と、「ガールフレンド」との決別を経て再びすみれを得るとのふたつのためのただのきっかけだったんだろうか。

     さっぱりとした読後感だった。しかし、それは実のある感じではなく、まるで味も食感もあまり印象に残らない、水気の多い果物を食べたかのようだ。

  • 年上の女性に憧れる女性と、その女性に心を引かれる男性の物語です。
    まだ途中ですが、新鮮な恋愛の形に読み進んでしまいます。
    面白い小説に出会えたと思います。

  • モチーフは「こちら側」と「あちら側」。性描写って、おまけだったり、お楽しみだったりすることが多いが、ここでは必然性を感じた。展開が2回、3回変わって面白かった。

  • ワールドがすばらしい。

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スプートニクの恋人 (講談社文庫)の作品紹介

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。-そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。

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