新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739320

感想・レビュー・書評

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  • 大河を見る前にこっちから入ってみた。序盤を乗り切ると話が早い。

  •  官兵衛には、およそそういうところがない。
     かれはただ自分の中でうずいている才能をもてあましているだけであった。その才能をなんとかこの世で表現してみたいだけが欲望といえば欲望であり、そのいわば表現欲が、奇妙なことに自己の利を拡大してみようという我欲とは無縁のままで存在しているのである。そういう意味からいえば、彼は一種の奇人であった。

  • ・彼は自分に勇気があるとは思っておらず、勇気のなさを補うには着実に事をやる以外ないと思っていた。
    ・竹中半兵衛のような男がでてきたということ自体、戦国乱世ということが、ただ単に欲望がむらがり衝突する世界というのではなく、欲望が蒸留されて一個の文化現象のようなものが出はじめていることを証拠立てているのかもしれない。
    ・ものを考えるのはすべて頭脳であるとされるのは極端な迷信かもしれない。むしろ人間の感受性であることのほうが、割合としては大きいであろう。

  • NHKBSでやってる軍師官兵衛から興味を持って読書開始。岡田君の官兵衛とはだいぶ雰囲気が違いますね。キリシタンだった点、武勇は得意でなかった点等々。岡田君は強そうだし。早くテレビに追いつかなきゃ、と思い、第1巻読了。

  • 司馬遼太郎が描く軍師・黒田官兵衛は、全4巻。
    著者後期の作品(1973~1975年執筆)だからか、同じ戦国時代が舞台の「国盗り物語」や2年前に読んだ「峠」と比べ、登場人物の滾るような闘志だったり、白熱した展開、興奮冷めやらぬ読後感…といったものはなく、ただ淡々と物語が進んでいくような印象を受けました。だからといってつまらないわけではなく、黒田官兵衛、すなわち如水のあらましであったり、これまで知らなかった荒木村重など、戦国時代の見え方がまたひとつ明らかとなり、面白い作品でした。

    ところで、如水という人物。あの秀吉が嫉妬したとされる天才軍師ですが、作中でも多く語られていたように、とにかく欲望の影がみえません。そればかりでなく、(特に荒木村重に囚われてからは)達観的で、野望というものを持たない人物として描かれています。一方で、秀吉の補佐をひとつの仕事として捉え、そこに美学を感じているように思えるところは、時代背景こそ異なりますが、一介の村医者から戊辰戦争を率い、日本陸軍の創設者となった大村益次郎と重なるなぁと思ったり。
    そう考えると、欲の少なく、冷静沈着である如水を描く作品だからこそ、すらすらと流れるような物語の運び方にひとり納得の思いを感じるところです。

  • 少し時代遅れだが、司馬遼太郎が描く黒田官兵衛の話。黒田官兵衛というと豊臣秀吉の参謀のイメージがあるが、この本を読むと少し異なった印象を持つ。それはこの本が豊臣秀吉に使える前の官兵衛の話に多くを割いているからである。小寺家→豊臣家→徳川家と仕える家を変えていくのは、時代の先を読みながら主君を細かく観察してその瞬間で誰につくのがベストかを考えることを示している。主君への忠誠心より自分の能力に自信がある武将であったのだろうか。組織か個人か...現代の我々の生き方にも通じる読み物。

  • 前半は随筆風で少し苦戦した。
    後半からはいつもの感じ。

  • 2016年2月15日読了

  • 黒田官兵衛 こういう人になりたいなと思う。
    織田信長、豊臣秀吉もいいけど、こういう脇役が戦国時代を支えてたんだなと思う!

  • 15/6/20読了

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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