クラインの壺 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750172

感想・レビュー・書評

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  • 超リアルな仮想世界。
    今でこそVRで気軽に遊べるようになったけど、本当に近い未来には、この小説のように現実か仮想世界か分からないほどの体験ができるようになるんだろうなと思うと、楽しみである反面怖いなと思う。
    たまに夢で起こったことをあれって夢だっけ?と一瞬考えてしまうくらい単純な私はやはり体験しない方がいいのかも。
    しかし一番の驚きはこの題材で30年以上も前に執筆されていたということ。
    30年前はまさかこんなことができるなんてと思っていたようなことが、着々と研究が進みも現実的になりつつあるということに、タイムマシンやどこでもドアなども、もはや夢の道具ではないかも?と期待してしまう。

  • 昔読んで、久しぶりに再読。
    この小説が30年近く前に書かれていること、が驚きですが、この驚き自体はおそらく初めて読んだ20年くらい前にも感じていたはず。それくらい、小説が色あせず、今なお、というか今のほうがよりリアリスティックなものとして感じられます。
    結論は「読み手に委ねられる」というタイプの小説は感想は書きづらいので、何とも書きようがないですが、中か外か、最後の最後まで騙されていた、というのはいやですね。。

  • 設定を見た瞬間に、「ああ、絶対こういうトリックを使ってくるだろうな。」と予想ができ、ずっと警戒して読んでいた。結果的には、予想していたものにかなり近かったんだけど、かなり驚いたし、涙が出た。こんな怖い内容でいて、まさかのハッピーエンドになるとは思ってなかったから・・
    全てが全てというわけではなかったことが自分のミスリードにつながったし、梨紗というキャラへの愛着につながったと思う。
    こういう良い小説を読むと、小説もたくさん読みたいなと思うようになる。

  • 全然気持ちが入らなかったにゃ
    読み終えるのに苦労したにゃ

  • 一気読み。読みやすくて面白かった。

    先日VRを体験してきたばかりで、
    VRの進歩はかなり現実に近づきつつあるのでは、と少し怖くなった。

  • 80年代半ばに書かれたというのに、バーチャル・リアリティーに関する描写の鋭さは驚異的というほかない。現実と虚構を行き来するストーリー展開も素晴らしいリービタリティで、488頁の分厚さがあるにもかかわらず、先が気になりすぎて一気読み。VR機能を備えたゲームがとうとう実現したことを考えるに、本作は遠くない未来において、予言の書として再評価されるかもしれない。

  • 面白い!!考えながら読む人ほど、わからなくなる小説。

  • 面白かったー! 3分の1を越えたら もう一気読み。
    ケータイ電話のない時代を知らない子には、ピンとこない所もあるかもしれないけど。

  • 今年の一冊め。
    ミステリー、サスペンス、SFの要素が満載の作品。
    1989年の作品なのだが、今読んでも時代を感じさせずむしろ、先見の明がある。
    それは、設定が抜群で、元年と言われているVRやAIの要素がたっぷりだから。
    味覚、聴覚、視覚、触覚、嗅覚の全てを兼ね備えたゲームの開発に主人公のゲームライター上杉が携わるのだが、まぁ、色々なことが起こるわけで。。。

    色々と書きたいけどネタバレするので書きませんが、今後、仮想と現実はヤバイことになりそうです。
    夢なのか、現実なのか…


    展開も早く読みやすいのでオススメです!

  • シミュレーション仮説という言葉があります。これは、「人類が生活しているこの世界は、すべてシミュレーテッドリアリティ(コンピュータを使った現実と区別が付かないレベルでのシミュレートのこと)であるとする仮説」のことで、まさしく本書の主旨をあらわしており、また、タイトルであるクラインの壷(境界も表裏の区別も持たない曲面の一種)の意味するところでもあります。

    SFでは新鮮なネタではないのですが、この種の作品は知的好奇心をくすぐられる感じがしておもしろいですね。

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡嶋二人の作品

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