赤緑黒白 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062752572

感想・レビュー・書評

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  • 四季の始まり。

  • 珍しく断り書き。【ネタバレ注意】。



    Vシリーズ最大の謎解きは最も身近なところにあった、みたいなね。

    Vシリーズのレビューのどこかで「へっ君チート説」を唱えたが、予想と違う形で的中。Vシリーズの後、大人になったへっ君はとある令嬢と数々の難事件を解決していく。それが前作S&Mシリーズだったのだ…。

    一度「へっ君の本名は何だろう」と思ったものの深くは考えず…。犀川の複雑な人格も母親を考えると納得。さらに言えば祖父江七夏の娘が儀堂摂子。喜多が知らないのも当然か。そうすると「捩れ屋敷の利鈍」は後日談だったのか。それもかなり後の。

    S&Mシリーズの最初から読み返したい。とりあえず残りの四季シリーズ・Gシリーズを読み切ってからか?以前は「読み返さなくて良いかな、長いし」とすら思っていたのに…。最後の最後でシリーズものの在り方を見せ付けてもらった。へっ君の物語はこれからだ!

  • Vシリーズ最終巻。この巻はミステリというよりはどことなくサスペンス。シリアルキラーを通した社会論(?)は綱渡り的な危うさだが、そこは阿漕荘のメンバーのもつ個性的なキャラクターが中和してくれる。これで練無や紫子たちと会うのも最後となると寂しいものだ。

  • Vシリーズ最終作。
    なんだか寂しくなる。
    でも「終わり」のほとんどは突然やってくる。
    この世界に「誰もが幸せ」なんてことはない。
    そう分かっていても,保呂草さんも,紅子さんも,練ちゃんも,しこさんも,七夏さんも,立松さんも,林さんも,へっくんも,皆幸せになってほしい。

    「貴女の幸せは,僕の幸せです」

    そんな優しさを忘れずにずっと持っていたい。

  • 次作との繋がりがここで明確にされるのか、と少し驚いた。
    保呂草があまりにあっという間だったと言う印象はあるが、全体を通して楽しむことが出来た作品であった。

  • 「ご苦労さまでした。」
    みんな大好きだった。

  • Vシリーズ完結編。期待して読んだわけですが・・・これがラストですか・・・。最後の最後で紫子ちゃんに同情できたのだけは良かったですが。

  • 再読です
    死体がスプレーで染められるという、なんとも斬新な事件

    最初の被害者は、赤く
    名前が赤井寛
    二人目は、緑に
    名前が田口美登里
    三人目は、黒く
    名前は、黒田実
    四人目は、白く
    名前は、山本百合
    しかし最後の被害者は、白鳥こずえのはずだった。

    事件は、帆山美澪という人気小説家の書いたものに類似していた。
    帆山には、室生真弓という突っ慳貧なマネージャーがいる。
    帆山が怪しいが、決め手となる証拠がない。
    そして、現れるメタナチュラル協会の佐織宗尊(この時点で60歳前後)
    四季とかかわりを持つ男だ。
    この男も怪しいが、これも決め手がなかった。

    黒猫の三角で捕まった殺人犯の秋野秀和が紅子に逢いたいという。
    会いにきた紅子に、昔「ホヤマミレイ」というペンネームの女性と文通をしていたことがあると話す。
    この女性なら、こういった殺人を犯すだろうと教えられた。
    そして、秋野と会った紅子自身が今回の事件について推察する。
    こういった事件を起こせるのは、四季と秋野とそして自分しかいないと。
    犯人の気持ちが手に取るように解る紅子は、いつものフルメンバーを帆山のマンションに集め先制攻撃の謎解きを始める。
    そして起こる、帆山美澪の自殺。
    しかしこれは、室生の仕掛けたもの。
    犯人は、室生だと紅子は知っていた。
    激しい銃撃戦の末、室生を確保。
    立松が腹部を打たれ、七夏が怪我を負うも事件は何とか解決した。

    余談のようなもう一つの事件。
    関根朔太の絵画窃盗は、警察にもたまには頭のいい人間がいたためにある意味失敗に終わっていた。

    大学で四季と対面する紅子。
    練無の事をすぐに男性だと見破っていたのは、さすが四季。
    後半にもう一度大学の図書館で四季に会う。
    しかし、会ったのは兄の基志雄の方。
    基志雄の妹の四季
    赤緑黒白は、春夏秋冬の色を表している。
    室生は、何度か四季にあっていて、四季のためにこの事件を犯したという。
    四季のためにこの色たちを選んだのだ。
    後に細かい事は、四季シリーズで明かされる。

    余談だが、林が持ってきた祝儀袋に書かれていた名前を練無たちは読めなかった「何とかに川に林?」
    二人の名前といっているが、これは明らかに犀川林でしょう。

    翌日、紅子にネルソンを預けて、潮時を感じた保呂草が阿漕荘を出て行く。
    そして、このシリーズの完結となる。

  • まさかシリーズ最終章にしてあの方が絡んでくるとは。ラストは一気に物語に引き込まれ、ページを捲る手が止まりませんでした。一人の作家の本を20冊読んだのは初めてです。森博嗣には何か惹かれるものがある。それはトリックではないし哲学的な散文でもない。私は登場人物の個性に惹かれ、大学生という境遇に同調し、継続して作者の本を手にとっているのだと思う。次は四季シリーズ!

  • Vシリーズ完結。ミステリィとしてはもうちょっと盛り上がりが欲しかったけど、キャラクタは際立ってた。みんな素敵。
    これでもうVシリーズのみんなが活躍する作品はないんだと思うと切ない。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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